中小企業診断士の視点:2019年度の日本の税収は計画を大きく下回ることが判明

2019年度の日本の税収は計画を大きく下回ることが判明

地元新聞によると、2019年度の日本の税収は計画を大きく下回ることが明らかになりました。

理由は昨年10月の消費増税と新型コロナウイルス感染症の影響より、個人所得と法人所得が減少したからです。

今回は、2019年度の日本の税収が計画を大きく下回ることが明らかになったという話です。

この記事を読むと、税収が減少した根本的な理由についてもわかるようになります。

 

2019年度の日本の税収は計画を大きく下回ることが判明

本記事の内容

  • 2019年の日本の税収
  • 税収が計画より下回る理由
  • 歳入欠陥とは
  • 根本的な理由
  1. 本記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
  2. 中小企業診断士として10年以上の中小企業支援の経験があります。

 

2019年の日本の税収

  • 当初の見込額(60兆1800憶円)を大きく下回る見通し

日本の2019年度一般会計税収は、昨年末に見積もった60兆1800億円を下回ることが明らかになりました。

2019年度の納税は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、確定申告の期限が延長されことから4月だけでなく5月にも行われます。

しかし、一昨年の2018年度の実績額(60兆3563億円)を大きく割り込むことが確実で、昨年末に見積もった60兆1800億円も下回ることが明らかになりました。

 

税収が計画より下回る理由

  • 法人と個人の所得が減少したから

税金は法人と個人の所得額に応じて支払うことになります。

所得が少なければ、納税額も減るのです。

新聞では「企業収益の悪化が響いて」と書いてありますが、どの程度悪化したのかという根拠となる数値などは一切書かかれていません。

所得には法人所得だけでなく個人の所得もあるのですが、それにもまったく触れてはいません。税金を納めているのは、法人だけではなく一般個人も納めているのです。

法人所得が前年〇〇のところ、▲▲円になった。

個人所得が前年□□とのところ、●●円になった。

だから見込んでいた税収がいくらいくらに減少した、と書いてあればわかるのですが。

新聞の書き方だとなにもわかりません。

 

歳入欠陥とは

  • 歳入が歳出を下回ること

新聞には「歳入欠陥」という聞きなれない言葉が書かれていました。

歳入欠陥とは、税収や税外収入と国債発行を合わせた歳入額が歳出を下回ることを言うのだそうです。

税収の不足分は予算の余剰分で補うそうでですが、それでも足りないときに「歳入欠陥」の状態になるというのです。

 

2019年度は「歳入欠陥」となる恐れがあるということです。

 

税収不足の根本的な理由

  • デフレが原因

税収が伸びないのは、法人所得と個人所得が伸びないからです。

なぜ所得が伸びないかというと、それはデフレだからです。

デフレとはデフレーションの略で、物の値段(物価)が全体的に下がる現象です。モノに対して、貨幣の価値が上がっていく状態のことです。

デフレになるとモノが売れません。買い物は先に延ばしたほうが安く買えるので、買い控えするようになるからです。

すると商品が売れなくなります。すると企業は経営上、薄利でも良いからと商品の価格を下げて売ろうとします。

安く売るので企業は儲かりません。企業業績は悪化し、従業員の給与が減ったり、リストラにより失業者が増えたりします。そうなるとマクロ的には個人の所得が減るため、消費者は消費をますます控えるようになります。

インフレ

インフレとは

デフレの逆がインフレです。物の値段(物価)が全体的に上がる現象です。経済を回すには適度なインフレが望ましいのです。あとで商品を将来購入するよりも今購入したほうが得になるので、商品が売れるようになるからです。

 

デフレスパイラル

消費者が消費を控えるようになることが繰り返されるのが、デフレスパイラルです。

どんどん税収が少なくなります。

政府は昨年10月に税収不足を補うため、消費税を上げました。

 これで、ますます人々は消費しなくなります。企業も先の見通しを考え投資は控えるようになります。

すると更に所得が減少し、税収も減少します。今回は新型コロナウイルス感染症の影響も重なって追い打ちをかけています。

 

政府に望む対策

本来なら法人や個人の所得を上げるような政策をしていけば、増税をしなくても税収は自然と増えるはずです。

今は、少ない所得の中から一定の税収を確保するために搾り取るような方法をとっています。これでは、国民はますます貧乏になっていきます。となると、所得税では厳しいのでまた消費増税ということになります。

政府にはこの状態から脱却するために、緊縮ではない思い切った政策を実行することが望まれます。

 なにしろ日本には「財政の問題」はないのですから。

中小企業診断士の視点:日銀が国債買い入れの上限を撤廃【借金大国でも問題無し】

2020年4月28日

まとめ

2019年度の日本の税収は計画を大きく下回ることが判明

  • 2019年の日本の税収

当初の見込額(60兆1800憶円)を大きく下回る見通し

  • 税収が計画より下回る理由

法人と個人の所得が減少したから

  • 歳入欠陥とは

歳入が歳出を下回ること

  • 根本的な理由

税収が伸びないのは所得が減少したから。そしてなぜ所得が伸びないかというと、それはデフレだからです。

    

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。