付加価値とは何?
「付加価値」と言う言葉は誰しも聞いたことがあると思います。
字面(じづら)の通り、付加された価値ということです。
でもこれだと、なんとなくわかったようなわからないような感じです。
ということで、今回は付加価値について書くことにします。
この記事を読むと、付加価値についてわかるようになります。
付加価値は企業経営の分野だけでなくGDP(国内総生産)を理解する時にも重要なキーワードとなります。
ですので、付加価値について基本的なことは知っておくと良いでしょう。
Contents
付加価値とは何?
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。
付加価値とは
- 付加価値とは「生み出された価値」のこと
付加価値とは生産過程・製造過程で新たに加えられた価値のことです。
付加価値が積み重なったものが完成品の価値となります。
付加価値を求める計算式もあります。基本的には 一定期間の総生産額から原材料費・燃料費などと減価償却費を差し引いた値で、人件費・利子・利潤の合計になります。
ただ、計算式は計算式として、まずは付加価値の考え方を理解するようにしましょう。
付加価値の考え方
- 付加価値が積み重なった価値の合計が完成品の価値
工場などでは、一つの製品ができるまで様々な工程を経ていきます。
その工程の段階ごとに価値が加わっていきます。
完成品の価値はその価値を合計したものです。
その様子を図で示すと次のようになります。
ここでは、考え方を知っていただくために、製造工程を4段階と簡略にしています。工程ごとに1種類の部品を前工程から回ってきた材料に加えて加工すると製品ができるようになっていますが、現実にはこうした工程はもっと多いのが普通です。
付加価値の考え方の図(■は付加価値)
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原材料 | A工程 | B工程 | C工程 | 最終工程完成品 | 付加価値合計 |
上の表の見方
もともと3ポイントの価値がある原材料にA部品を加えて加工(A工程)すると2ポイントの価値が付加された材料になり、この材料が次の工程に回ることになります。そしてこの材料にB部品を加えて加工(B工程)すると3ポイントの価値が付加された材料となり、この材料が次の工程に進んでいきます。(■は1ポイントの付加価値(額)を示します)
というように考えていきます。
結果的に完成品の価値は全ての工程で付加された付加価値(額)の合計となります。
付加価値の計算式
- 中小企業庁方式(控除法)と日銀方式(加算法)の2種類
付加価値の考え方については、上の「付加価値の考え方」でおわかりになると思います。
でも具体的に付加価値を決算書などから数値で算出したい場合はどうすれば良いのでしょうか。
その際は、付加価値を計算する計算式があるので、それを使って計算すればよいのです。
付加価値の計算式は中小企業診断士を勉強していると出てきます。
付加価値の計算式には2種類あります。
中小企業庁方式(控除法)と日銀方式(加算法)です。
中小企業方式は中小企業向けの計算方法、日銀方式は大企業向けの計算方法です。
中小企業庁方式(控除法)の付加価値計算式
中小企業庁方式(控除法)の計算式は以下のようになります。
- 付加価値 = 売上高 - 外部購入価額
外部購入価額とは、商品仕入高、原材料費、外部加工費、運賃などとなります。
売上から外部購入価額を差し引いて計算しているので控除法というのです。
日銀方式(加算法)の付加価値計算式
日銀方式(加算法)の付加価値計算式は次の通りです。
- 付加価値 = 経常利益 + 人件費 + 金融費用 + 賃借料 + 減価償却費
該当する値を足して計算するので加算法と呼ぶのです。
正確に企業の付加価値額を算出したい場合は、上のどちらかの計算式を用いて計算します。
大雑把に付加価値を知る方法
- 売上総利利益や粗利益を付加価値と考えることもできます。
大雑把に付加価値を知る方法があります。
決算書を見ると、売上総利益が記載されていますが、それを付加価値と考えることもできます。厳密な意味で正確な付加価値額ではないのですが、大雑把に知るだけならそれを付加価値と考えても間違いではないでしょう。
また、売業や卸売業などの流通業では売上総利益≒粗利益なので、正確さを求めず、だいたいの金額を知りたいということなら粗利益を付加価値と考えても良いと考えます。
まとめ
付加価値とは何?
「生み出された価値」のこと 付加価値とは生産過程・製造過程で新たに加えられた価値のことです。
中小企業庁方式(控除法)と日銀方式(加算法)の2種類
売上総利利益や粗利益を付加価値と考えることもできます |