中小企業診断士の視点:国の借金1000兆円超ですが、実際は半分です

 

国の借金1000兆円超ですが、実際は半分になっています

最近の経済ニュースで、国債や借入金などを合わせた「国の借金」は、今年3月末の時点で1114兆円余りとなり、過去最大を更新したとありました。

 

財務省によると国債に代表される政府の債務、いわゆる「国の借金」は3月末の時点で1114兆5400億円になったというのです。1年前よりも11兆1856億円増えて、4年連続で過去最大を更新し、どんどん増え続けているというのです。

この報道を見ると「これは、大変、なんとかしなければいけない」と、つい思ってしまいます。

でも、国の借金は実質約600兆円で、1114兆5400億円の約半分強です。

今回はその理由について話します。

この記事を読むと、国(政府)の借金が実質半分になっている理由と、多くの人の潜在意識の中にまで染み込んでいる日本の経済問題が実際は杞憂のものであることがわかります。

 

国の借金1000兆円超ですが、実際は半分です

本記事の内容

  • 2020年3月末の日本政府の債務額
  • 国債は誰が持っているのか
  • 日銀は政府の子会社
  • ハイパーインフレにしない方法
  • プライマリーバランスは気にしなくて良いのか?
  • 日本は財政破綻しないのか?
  1. 本記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
  2. KAZUTOYOには中小企業診断士として10年以上の中小企業支援の経験があります。

 

2020年3月末の日本政府の債務額

  • 1114兆5400億円の債務があります

財務省の発表によると、国債に代表される政府の債務、いわゆる「国の借金」は3月末の時点で1114兆5400億円となったそうです。

この額は1年前よりも11兆1856億円増えて、4年連続で過去最大を更新したということです。

医療や介護、年金などの社会保障費が急激に増え、税収などで賄えないので借金にあたる国債の発行で補っているためということです。

今後、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済対策でさらに財政出動が必要になることが予想されるとので、ニュースでは最後に「国の財政は一層、厳しい状況になりそうです。」と締めくくり、国の財政は厳しいという印象を与えるように終わっています。

 

国債は誰が持っているのか

  • 日銀が国債の半分近くを保有している

では、政府の借金である国債を誰が保有しているのでしょうか。

これは政府の資料が公開されているので簡単にわかります。

令和元年12月末の国債保有状況

出典:政府資料https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf

 

日本銀行(日銀)が全体の約45%を保有していることがわかります。

また、日銀は2020年4月27日に国債を制限なく購入する姿勢を強調しています。今後も国債を購入していくことが予想され、保有率は更に高まるものと考えられます。

 

日銀は政府の子会社

  • 日銀は政府の子会社です

さて、その日本銀行(日銀)ですが、あまり知られていないようですが、実は政府の子会社です。

日銀は政府の子会社

出典 日銀のサイト:https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a12.htm/より

 

子会社ということは政府と日銀は一体のものと考えることができます。

政府にとって国債は債務ですが、日銀にとっては債権です。

日銀は政府の子会社ですから、連結決算すれば、債務と債権は相殺されることになります。

つまり、日銀が保有する約500兆円の国債による政府の借金は実質的には「ない」と考えて良いのです。会計上ではそれで間違いありません。

ということで、いつのまにか政府の借金は約600兆円に減っていたとういうことです。

この事実は、ニュースには流れないですね。

非常事態の今、政府は国債をどんどん発行して、財政支出し、停滞する経済を回していくのが望まれます。また、給付金などの形で国民の生命・財産を守っていくようにして欲しいと思います。

消費税も減税すべきだと思います。

すでに、新型コロナウイルス感染症が雇用や収入に影響を与えているとのニュースを耳にするようになっています。

 

ハイパーインフレにしない方法

  • インフレターゲットを決めておけば大丈夫

国債をどんどん発行してお金を増やし、財政支出していくとハイパーインフレになってしまうと考える人もいます。

ハイパーインフレの定義も良くわからず、この言葉を使っている人も多いようですが、ハイパーインフレには明確な定義があります。

ハイパーインフレとは、物の価格が1年後に130倍になることです。

つまり、100円ショップが1年後に1万3000円ショップになるということです。

ハイパーインフレにならないようにするには、インフレターゲットを決めておいて(例えば2%などと)、そこに到達したら、国債発行をやめるなど従来の緊縮財政の対応をとれば問題ありません。

 

また、財務官僚を経験し、現在は経済学者の髙橋洋一氏は以前、「ハイパーインフレは国民一人一人に1億円配るとなるでしょう」と言っています。

zakzakの記事「多くの市場関係者が信じる「ハイパーインフレ」はケタ外れに非現実的な話」

現在の日本では、ハイパーインフレにはそれほど極端なことをしないとならないということです。

政治家や官僚が正気を失わないかぎり、その心配はないと考えられます。

中小企業診断士の視点:ハイパーインフレって何?

2019年10月6日

プライマリーバランスは気にしなくて良いのか?

  • 気にしなくてOK

プライマリーバランス(PB)とは、様々な行政サービスを提供するための経費(政策的経費)を、税収等で賄えているかどうかを示す指標です。

現在、日本のPBは赤字であり、政策的経費を借金で賄っている状況ということです。

政府はこの状況を一日も早く解消したいと考えているのです。借金はしたくないのです。

経費(政策的経費)を、全て税収等で賄いたいのです。

 

ですから、政府の借金である国債を発行したくないし、なるべく節約したいためお金を出すのを渋っているのです。

 

政府の借金は国民の所得

でもここにきてわかってきたことがあります。

10万円の定額給付金をすでにもらった方もいると思います。KAZUTOYOももらいました。

あの財源はなんだったのでしょう。財源は国債です。政府が借金である国債を発行して我々に給付金として配ったのです。

 

なにが分かったかというと、政府が借金したら国民が儲かったということです。

政府の借金は国民の所得になることが分かったのです。

政府の赤字は国民の黒字になるということです。

逆に政府が赤字を減らそうとすると、国民は苦しくなることが今までの政策でわかったのです。

また、すでに今年はコロナ対策として、多額の国債を発行していますが、特に何の問題も発生していません。長期金利も上昇していることもありません。

ハイパーインフレにもなっていません。

 

KAZUTOYOからすれば、政府はもっと借金して国民や企業を救うためにお金を配って欲しいのです。

そうなれば、国民は非常に助かります。政府は借金が膨らみますが。

 

日本は財政破綻しないのか?

  • 政府は国債発行で借金しても大丈夫です。財政破綻しません。

政府はインフレターゲットを決めて、そこに到達するまで国債を発行し、現在の日本の窮状を助けて欲しいとKAZUTOYOは考えています。

 

でも、そんなに国債を発行して日本は財政破綻しないのか? 借金が増えて財政破綻が心配だ、という方もいるでしょう。

 

でも大丈夫です。日本の国債は円建てなのですが、円建ての国債をいくら発行しても債務不履行(財政破綻)になることはないことは財務省自ら言っています。

また、現在行っているように政府の子会社である日銀が国債を買い取れば、借金はないのと同じです。

心配する必要はないのです。

出典:財務省https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htmより

 

まとめ

国の借金1000兆円超ですが、実際は半分になっています

  • 2020年3月末の日本政府の債務額

いわゆる「国の借金」は3月末の時点で1114兆5400億円となったそうです。

  • 国債は誰が持っているのか

日本銀行(日銀)が全体の約45%を保有しています。

  • 日銀は政府の子会社

あまり知られていないようですが、実は日銀は政府の子会社です。

  • ハイパーインフレにしない方法

政府はインフレターゲットを決めておけば良いのです。

  • プライマリーバランスは気にしなくて良いのか?

気にしなくて大丈夫です。政府の借金は国民の所得になることが分かったのです。

  • 日本は財政破綻しないのか?

政府は国債発行で借金しても大丈夫です。財政破綻しません。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。