真空地帯理論とは
マーケティングを勉強していると、「真空地帯理論」を目にすることになります。
「小売りの輪の理論」を発展させた理論と言えます。
「小売りの輪の理論」についての当ブログのページはこちらです。
今回は「真空地帯理論」について書いていきます。
この記事を読むと「真空地帯理論」がわかるようになります。
Contents
中小企業診断士の視点:真空地帯理論とは
真空地帯理論は小売業の変化に関する理論の一つ。O・ニールセンによって提唱されました。
小売業の発展段階では、既存の小売業がカバーできない市場の真空(すき間)が生まれるという説です。
そのすき間に新たな店舗が参入していくという考え方です。
小売の輪の理論との違い
小売りの輪の理論は、小売業が次第にサービスを向上させ、価格も上がっていくと、新たな低価格・低サービスの店舗が誕生するというものでした。したがって、新規に誕生するのは低価格・低サービスの店舗という理論です。
しかし、真空地帯理論は違います。需要がありながら、それに対応する店舗がない場合に、その需要に対応する店舗が誕生するというものです。
ですから、高サービス・高価格の店舗に潜在的なニーズがあっても対応する店舗がない場合には、そのようなニーズに対応する、高サービス・高価格の店舗が誕生するということになります。
いわば、真空的な市場に新しい小売業が参入して市場地位を確立するということです。この理論は、小売の輸の理論が説明した格上げ(グレード・アップ)に、格下げ(グレード・ダウン)の循環を加えたものともいえます。
真空地帯理論の考え方
低価格・低サービスの市場に真空ができると、そこに新規参入者が相次いで生まれます。
やがて小売業は消費者の選好が高レベルに移るのに対応してグレード・アップを図っていきます。
すると元の市場に再び真空ができることになります。その市場を狙って、低価格・低サービスの店舗が誕生します。ここまでは、「小売りの輪の理論」でも説明できます。
真空地帯理論の格下げ(グレード・ダウン)の循環の考え方
真空地帯理論では、格下げ(グレード・ダウン)の循環も考えています。
次のように考えます。
高価格・高サービスの市場に真空ができると、そこに新規参入する店舗があります。
ですが、消費者のニーズが高価格・高サービスではなく中程度にあるのを知ると店舗のグレードを下げて対応することになります。
すると元の高価格・高サービス市場に再び真空が生まれ、新たな小売業の参入の機会を与えることになります。
このように真空地帯理論は、小売業の新規参入の機会が低価格・低サービスの市場だけでなく、高価格・高サービスの市場にもあると説明するのが特徴です。
また、低価格・低サービスから高価格・高サービスという格上げ(グレード・アップ) の方向だけでなく、高価格・高サービスから低価格・低サービスという逆の流れもあることも提唱しています。
「真空地帯理論」に関連して、次のような理論もあります。併せてお読みいただくといいかもしれません。
まとめ
真空地帯理論とは 真空的な市場に新しい小売業が参入して市場地位を確立していくという理論です。この理論は、「小売の輸の理論」が説明した格上げ(グレード・アップ)に、格下げ(グレード・ダウン)の循環を加えたものともいえます。 |