中小企業診断士の視点:家電のノジマがスルガ銀行創業家の株を取得、筆頭株主になる

家電のノジマがスルガ銀行の筆頭株主になる

家電のノジマがスルガ銀行創業家の保有するスルガ銀行株を取得し、筆頭株主になると発表しました。

本日の地元新聞に掲載されていました。

家電のノジマは家電量販店で働いていたKAZUTOYOにとってもなじみがあります。

 

今回は、この件について書いていきます。

この記事を読むと、家電のノジマがスルガ銀行創業家の保有するスルガ銀行株を取得する理由などがわかります。

 

中小企業診断士の視点:家電のノジマがスルガ銀行創業家の株を取得、筆頭株主になる

記事の内容

  • ノジマがスルガ銀行株を取得
  • スルガ銀行が抱えている問題
  • ノジマとは

この記事は家電量販店勤務経験のある中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

 

ノジマがスルガ銀行株を取得

  • スルガ銀行議決権ベースで18.52%を保有し、筆頭株主に

家電量販店のノジマは、スルガ銀行の創業家が所有するスルガ銀行株を141億円で取得するとしています。既に保有している4.99%と合わせ、議決権ベースで18.52%を保有することになります。

これをもって、ノジマはスルガ銀行の筆頭株主となります。

 

スルガ銀行は、創業家ファミリー企業へ約433億円融資していて、今回創業家が得る141億円はその返済に充てるようです。

残額の約292億円は創業家所有の不動産売却で回収できるとしています。

 

スルガ銀行が抱えている問題

次に、スルガ銀行が抱えている問題を書いていきます。

シェアハウス問題

  • シェアハウス問題はスルガ銀行の信用を一挙になくしました。

スルガ銀行の地盤は静岡県で、もともと優良銀行だと考えられていました。

経営も堅実なものと、一般には思われていました。

しかし、シェアハウス問題で、その信用力・ブランド力は完全に失われてしまいました。内部にはどろどろとしたものが渦巻いていたことがばれてしまったのです。

 

シェアハウス問題は、「かぼちゃの馬車」が引き合いに出され、よくマスコミでも報道されていました。

シェアハウスのオーナーになることを一般のサラリーマンなどに勧め、購入資金はスルガ銀行が融資するというやり方で、ビジネスを展開していったのです。

 

問題となったのは、ほとんど預金がない人でも、データを改ざんし預金も十分にあるかのようにして融資の審査を通していたことです。

 

シェアハウスのオーナーになっても、そのビジネスがうまく行っていれば、それほど大きな問題にならなかったもしれないですが、もくろみははずれます。

 

シェアハウスが飽和し、部屋が埋まらなくなってきたのです。

 

もともと、シェアハウスオーナーはビジネスが順調に伸びていくという前提で、借入金の返済を計画していました。ですが、家賃が計画通り得られなくなり、すぐに行き詰ることになったのです。

シェハウスオーナーは、シェアハウスを手放すものの既に相場は下落していたので、二束三文でしか売れず、結局残ったのは借金だけとなったのです。そのようなオーナーの話をテレビで放送していました。

 

創業家が経営方針に深く関与

  • 創業家の影響があった

スルガ銀行では創業家がかなり力をもっていたようです。

シェアハウス問題にあるような悪質なやり方を許してしまったのも、創業家の影響力があったためと取りざたされています。

実際、創業家関連企業への多額の不適切融資も、今回発覚しています。

 

今回、家電のノジマがスルガ銀行創業家の保有するスルガ銀行株を取得するのは、スルガ銀行から銀行創業家の影響を排除するのも目的の一つとなっています。

創業家がスルガ銀行に居座っていて、影響力がある状態だと経営を立て直すのは困難と判断したのです。

 

ノジマとは

  • もともとは神奈川県にあった店です

ノジマはもともと神奈川県相模原市にあった店が規模を拡大して現在に至っています。

今では、全国展開し、年間約5000億円を売り上げる家電量販店です。

2017年度小売業売上高日本ランキングベスト30では26位にランキングしています。

 

ノジマは、家電量販店ですが、それだけではありません。例えばインターネットプロバイダの老舗であるニフティはノジマの子会社となっています。将来を見据えているように思えます。

 

今回、スルガ銀行の創業家から株を取得し、スルガ銀行の筆頭株主の立場にたったのもスルガ銀行から銀行創業家の影響を排除するというのもありますが、金融部門進出の足掛かりとしての戦略の一環でもあるのでしょう。

 

ニフティはインターネットプロバイダだけでなく、IT関連の事業も広く行っています。そして、今回スルガ銀行の筆頭株主の立場にたったことで、金融関連の事業にも手を出しやすなります。

 

今後、ITと金融を融合したような事業がやりやすくなるはずです。そして、この分野は今後伸びていく可能性が高いとKAZUTOYOは考えています。

 

ノジマはヤマダ電機などとは異なり、それほど話題になることはありませんが、地味に頑張っている印象を持っています。

 

2017年度小売業売上高日本ランキングベスト30の表を以前作りましたので、再掲しておきます。

まとめ

  • ノジマがスルガ銀行株を取得

スルガ銀行議決権ベースで18.52%を保有し、筆頭株主に

  • シェアハウス問題

社会問題になったシェアハウス問題。

スルガ銀行の地盤は静岡県で、もともと優良銀行だと考えられていました。そのような銀行が、実は優良でもなんでもなかったことがばれたのです。

  • 創業家が経営方針に深く関与

スルガ銀行では創業家がかなり力をもち、経営にも深く関与していたようです。

  • ノジマとは

もともとは神奈川県にあった量販店です。地味ですが戦略的な経営をしています。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。