計画のグレシャムの法則
グレシャムの法則というのは、多くの人が聞いたことがあると思います。
でもグレシャムの法則には「計画のグレシャムの法則」というまた別の法則があります。
「計画のグレシャムの法則」の法則は経営管理者の意思決定に関わる法則です。
今回は、その話です。
この記事を読むと、「計画のグレシャムの法則」についてわかるようになります。
Contents
中小企業診断士の視点:計画のグレシャムの法則
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
グレシャムの法則とは
- 悪貨は良貨を駆逐する
6世紀のイギリスで、トーマス・グレシャム(Thomas Gresham)によって発見されたのが、いわゆる「グレシャムの法則」です。グレシャムの法則は「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉で有名です。
グレシャムの法則は、一つの社会で材質の悪い貨幣と良質の貨幣とが同一の価値をもって流通している場合、良質の貨幣は、溶解して元の貨幣以上の数の悪貨を作ることに利用されたり、他国への輸出などで市場から消えていき、しだいに悪い貨幣のみが流通するという法則のことです。
計画のグレシャムの法則
- 戦略的意思決定がおろそかになること
計画のグレシャムの法則は、経営管理者の意思決定において、楽なほうを選択しがちがことを指します。
具体的には、経営管理者が、定型的意思決定(いわゆるルーチンワーク)と戦略的意思決定の両方を同時にもつ場合、意思決定が楽な定型的意思決定にかかりきりになってしまい、戦略的意思決定をおろそかにする傾向があることです。
戦略的意思決定は、よくよく考えて意思決定を行うことが必要です。
考えることは頭を使うことで結構疲れるものです。それに比べて定型的意思決定はそれほど考えなくても良いので、人間は楽なほう、つまり定型的意思決定を選択するようになるのです。
ルーチンワークを多くやって仕事をした気になるということです。
計画のグレシャムの法則は「悪貨が良貨を駆逐する」というグレシャムの法則を経営管理面での意思決定の問題を比喩的にあてはめたものなのです。
戦略的意思決定が後回しになりがちな背景
- ルーチンワークをこなしている方が楽
戦略的意思決定が後回しになりがちな背景には、ルーチンワークをこなしている方が楽、問題の発見が見逃されやすい、決定に期限がない、リスクを伴う場合が多い、決断をためらいがちになる、などの理由があると考えられています。
対応策
- 意思決定の機会を積極的につくりだしていく
計画のグレシャムの法則を避ける方法は以下のようになります
- 研究開発部や企画部などの革新的な部門を設けること、
- 戦略計画の作成を通じて、現状打破的な意思決定の機会を積極的につくりだしていく
などの実施です。
まとめ
計画のグレシャムの法則
悪貨は良貨を駆逐することです。
戦略的意思決定がおろそかになること
ルーチンワークをこなしている方が楽だからです。
意思決定の機会を積極的につくりだしていくことです |