ジャパネットタカタ 二代目社長の戦略
テレビ通販のジャパネットタカタの社長が現在の高田旭人氏になったのは2015年1月でした。
先代の社長はカリスマ的な魅力があり、KAZUTOYOは社長の魅力で会社が成り立っているのだろうとなんとなく感じていました。
先代社長は見た目からも魅力が伝わってきましたが、二代目社長にはそのようなものは感じませんでした。
カリスマ社長の後を引き継ぐ人は大変だろうなと思っていました。
先日、堀江貴文氏のユーチューブチャンネルにジャパネットタカタの二代目社長の高田旭人氏がゲスト出演しているのを見つけ、大変興味深く視聴しました。
驚いたのは、高田旭人氏がカリスマ社長の後を引き継ぎ、ジャパネットタカタの2代目社長になってから業績はほぼ右肩上がりになっていたことです。
ジャパネットタカタ 売上高推移の図
※https://www.youtube.com/watch?v=INZhG7STTA8動画より切り抜き加筆
2代目社長になってから売上が伸びていることがわかります。
今回はその秘密についてホリエモンチャンネル『テレビ通販はオワコンか? 一方「ジャパネットたかた」が過去最高の売上を記録した理由とは』を参考に記事を書いていきたいと思います。
次の表はテレビ通販の売上高ランキングです。ジャパネットタカタはテレビ通販で売上で4位に位置していることがわかります。
テレビ通販売上高トップ5
※https://www.youtube.com/watch?v=INZhG7STTA8動画より切り抜き
Contents
ジャパネットタカタ 二代目社長の戦略
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。
二代目社長 高田旭人氏の魅力
- 賢くて謙虚が第一印象
堀江氏のユーチューブチェンネルを視聴して、会話の様子から高田旭人氏の頭の良さ、賢さを感じました。さすが東大出だと感心しました。
でも、謙虚な人であることも同時に感じました。(まあ、まあそう装っているのかもしれませんが)
偉そうな様子は何も感じませんでした。
これは堀江氏と対象的です。堀江氏はたまに偉そうな振る舞いをすることがあるからです。まあそれが堀江氏の個性であり、魅力でもあり、KAZUTOYOは別に嫌な印象を持っていません。
ですから、堀江氏のユーチューブチャンネルをよく視聴しているのです。
二代目社長の戦略
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①顧客ターゲット
- 一般のお客様がターゲット
二代目社長の話ではジャパネットタカタの顧客ターゲットは、「商品を購入する際、自分でいろいろ研究して選びたくはないが、良い商品を欲しいと思っている人」ということです。
商圏は通販なので日本全国です。
具体的には、100人いて50人が良いと思ってもらえるような商品を選んでそれを売っていくように考えているとのことです。
堀江氏のようなリテラシーが高く、独自の視点でかつ独力で最適な商品を見つけることができるような特殊な層は顧客ターゲットとして考えていないことがわかります。
②商品戦略
ネット通販アマゾンとの差別化
- アマゾンにはないサービスを提供
ジャパネットタカタではアマゾンと差別化できるようにアマゾンにはない商品戦略をとっています。
例えば次のような内容です。
- テレビ販売:古いテレビの下取り、設置・セッティング・空箱の持ち帰りを行い、ネット通販と差別化を図っています。
- スマホ販売:スマホの設定・レッスンも行いネット通販と差別化を図っています。
- 水の販売:自社にウォーターサーバーの会社を作り、安心感を与えて他のネット通販と差別化を図っています。
エアコン販売に強み
- 一般消費者向けエアコンは市場シェア10%
ジャパネットタカタではエアコンも取り扱っているのですが、かなりの販売額ということです。
社長によれば、一般消費者向けエアコンは市場シェア10%だそうです。
エアコン1機種で10万台の買取仕入を行っているため、仕入価格も低く抑えられているようです。
そのため、販売価格も低くすることができ、価格競争力もあるのです。
社長によれば、1機種で10万台を仕入れる会社は他にはないということです。
ジャパネットタカタはバイイングパワーも巨大なのです。
バイングパワーについては当ブロブ、「中小企業診断士の視点:バイイングパワーとは?」で書いています。よろしかったら併せてお読みください。
商品の絞り込み
- 機種の絞り込みで強い競争力を生む
ジャパネットタカタでは取り扱い商品を絞ることによって競争力を生み出しています。
例:掃除機ではアマゾンでは掲載機種が多いが、ジャパネットタカタでは商談し、1機種につき40万台契約して買い取り仕入していて、基本返品はしないのです。
その結果、商品スペックでも価格でも非常に競争力のある商品を消費者に提供できているのです。
高田社長の話では、「絞ることでとがらせる」ということです。取扱商品についても以前は8500あったのですが、現在は777の商品に絞っていて、在庫がある状態とのことです。
売れない商品はどんどんなくしていくので、在庫の9割は売れる商品ということです。
コンビニとよく似た品揃えのやり方です。
売る商品の選定にも力をいれる
- 商品選びには特に力をいれる
ジャパネットタカタでは、販売する商品については自社でよく練っています。
選ぶところから始めるのだそうで、メーカーが商材として持ってきたものを単に売るのではないのです。
十分に商品をもんで納得のいく形にして販売しているのです。(30人ぐらいで会議をするとのこと。)
提供する商品やサービスの選定から力をいれて取り組んでいることがわかります。
ジャパネットで炊飯器を購入
KAZUTOYOは今年、ジャパネットタカタで日立の炊飯ジャーを購入しました。
たまたま目にしたジャパネットタカタのテレビ通販の放送を見ているうちに欲しくなったからです。
それまでは普通のIH炊飯ジャーを使っていて、壊れたわけではないのですが、古くなったこともあり買い替えてもいいかなと思ったのです。
古い炊飯器も1万円で下取りしてくれるとのことで、自分で処分する必要もありません。
ただ、KAZUTOYOは元家電量販店店員です。
ジャパネットタカタのセールストークを全部うのみにしたわけではありません。
ネットでいろいろ調べてみました。
その結果、KAZUTOYOが購入しようと考えている商品は、通常の商品ではなくジャパネットタカタモデルであることがわかりました。(量販店ではよくあることです。通常のカタログには掲載はありません。アマゾンや価格ドットコム等でも売っていません。日立がジャパネットタカタのために作った商品ということです。メーカーと話し合って作った商品であることがわかります。)
ジャパネットタカタモデルの炊飯ジャーを見ると、外見は最新型ではなく旧型使用となっています。
ですが、内窯は日立の最上位機種で使っているものを採用していることがわかりました。
水蒸気の逃がし方については、最新機構ではないですが、味には関係ないのでKAZUTOYOにはどうでも良い話です。
ということで、KAZUTOYOも自分なりに調べてありふれた表現ですが、かなりコスパは良いことがわかりました。いろいろ調べて購入にいたったのです。
早速、使用したのですが、まず炊き上がりの見た目が違うことがわかりました。お米につやがでて粒立ちが良いのです。一言でいうと炊き上がりの見た目がきれいです。
これと比べると、以前使っていたIT炊飯器で炊いたご飯の見た目は「べちゃ」という感じです。
でもこれも、買い替えて初めてわかったことです。
買い替えなければ比較のしようがないのでずっとわからなかったことです。
食感も違います。買い替えた炊飯器のほうが良いと思いました。
ただご飯の甘みについては、宣伝文句ほどは感じませんでした。
いずれにしても、炊飯器によってずいぶんお米の炊き上がりに違いがあることがわかりました。
良い経験をしました。
購入して良かったと思います。
商品カテゴリーを増やさない
- 宝飾品はやらない
取り扱う商品カテゴリーも絞っています。宝飾品類も取り扱っていません。宝飾品は利益率が高いので、比較的おいしい商品カテゴリーだと言え、多くの通販会社はやりたがりますが、取り扱っていないのです。
ジャパネットタカタの考え方として、取り扱う商品カテゴリーも絞ることにしているそうです。
良いと思った商品カテゴリーでも、やってみてだめだったらそのカテゴリーはやらないようにしているようです。こうして生き残った商品カテゴリーはどんどん強くなるのです。
ジャパネットが家電製品を扱う理由
家電製品は原価率が高いため、利益率は低い商品カテゴリーだと言えます。
これは、KAZUTOYOが家電量販店に勤務していたからよく知っています。
一般の通販業者は手を出しにくい商品カテゴリーといえます。
では、なぜジャパネットが家電製品を多く取り扱っているかというと、それは先代の時代からカメラ製品を扱っていて、その延長上の商品カテゴリーとして当然のように取り扱っていたからだそうです。それが現在も継続しているのです。
九州の会社なので、他の通販業者の情報がよく入ってこなかったことも理由としてあるそうです。
コミュニケーション戦略
- 顧客との接点を重視
ジャパネットタカタではお客の注文を受けるコールセンターは自社で運営しています。
運営には自社の社員1500人を投入しているのです。
これは、お客様との接点を重視しているからです。
コールセンターでの対応は商品の売上や顧客満足に大きく影響すると考えているからでしょう。
今の時代、コールセンターなどはアウトソーシングしたほうが経営的には効率的かつ合理的と考えてしまいがちですが、ジャパネットタカタはそうは考えず、お客様との接点として重視していることがわかります。
コストはかかっても、自社の社員が対応することでお客様に安心感と満足感を提供したほうが良いと考えているのです。
ジャパネットタカタはリピーター客が多いと言います。
これには、提供する商品やサービスの面だけでなく、コールセンターでの対応などもお客の満足感につながっていて、その結果が現われているのではないでしょうか。
プロモーション戦略
- 特定のメディアに依存しない
ジャパネットタカタはテレビ通販の印象が強いですが、現在はカタログや新聞の折り込み広告もやっていますし、ネットでもホームページ上から注文できるようになっています。
最近はユーチューブ上でも広告を出しています。
特定のメディアにこだわりがあるのではないようです。
社長の話では、ホームページにも注文窓口の電話番号を掲載し、ネット注文できない(しない)人でも電話で注文できるように誘導しています。
コスト的には注文は全てネットにして、お客様に自分で必要事項を入力してもらったほうが良いのですが、それよりもお客様の利便性や満足度を重視しているのです。
ネット注文に誘導したほうがコールセンターの人員も削減できるし、コストも低減できるはずですが、そのように考えていないところにジャパネットの強みがあるように思います。
今後の戦略
- 2021年にBS放送に参入
ジャパネットタカタは2021年にBS放送局を開局し、BS方法に参入するとのことです。
法的に通販番組は全体の3割程度にしないといけないので、通販番組をただ垂れ流すということではないようです。
社長によれば、商品ではなく考え方を伝える番組を作っていきたいとのこと。
テレビにはテレビにしかない力がある、と言っています。
テレビ通販で瞬間的に売れる数
1回のテレビ通販番組でどれだけの数の商品が売れるのかは誰しも気になるところです。
堀江氏のユーチューブ番組ということもあり、そのことについて話してくれました。
全国放送の1回の通販番組で、1万円のICレコーダーは瞬間的に2000台程度の数が売れるそうです。
2000万円の売上ということです。
最終的には3000~4000台になるそうです。
3000万~4000万円の売上ということです。
まとめ
ジャパネットタカタ 二代目社長の戦略
賢くて謙虚な印象です。
「商品を購入する際、自分でいろいろ研究して選びたくはないが、良い商品を欲しいと思っている人」がターゲット
ネット通販アマゾンと差別化しています。
一般消費者向けエアコンは市場シェア10%です。
機種の絞り込みで強い競争力を生んでいます。
販売する商品選びには特に力をいれています。
もうかる宝飾品も扱っていません。
顧客との接点を重視し、コールセンターは自社で運営しています。
特定のメディアに依存していません。
2021年にBS放送に参入する計画です。 |