中小企業診断士の視点:ソフトバンクがLINEと提携

ソフトバンクがLINEと提携

ソフトバンクが多くの人が使っているLINEと提携することがわかりました。

ソフトバンクが「ウィーワーク」に肩入れし、大失敗7000億円の赤字をだしたとニュースになったのは、つい先日の話です。

 

そんなことがあったのに、今度は誰もが知っているLINEと提携するというのです。

今回は、その話です。

 

中小企業診断士の視点:ソフトバンクがLINEと提携

  • ソフトバンクがLINEと提携
  • 提携の狙いとは
  • スマホ決済でも優位な立場に

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

 

ソフトバンクがLINEと提携

  • 子会社のYahoo!とLINEを結び付けることができる

Yahoo!はソフトバンクの子会社です。Yahoo!の運営自体は持ち株会社であるZホールディングスが行っています。今回の提携でYahoo!とLINEを結び付けて事業を行うことができるようになり、事業の可能性が一段と大きく拡大することが考えられます。

Yahoo!は様々な事業を既に行っています。プラットフォームの力もあります。でもYahoo!には強力なコミュニケーションツールはないとKAZUTOYOは思っています。そこにコミュニケーションツールで国内トップのLINEが加わることで互いの強みを生かし、互いの協力により新たな価値を生みだすことができると考えられます。

 

提携とのことですが、ソフトバンクではLINEの買収も考えているようです。ちなみにLINEは日本の企業ではなく韓国の企業です。親会社は韓国ITの大手ネイバーです。知らない人もいるかもしれないので書いておきます。

 

LINEを買収できれば更に面白い展開になるような気がします。

 

Yahoo!とLINEの担当者が顔を合わせ、協力することでどのようなことができるのか話合う機会を設ければ、様々なアイデアが生まれてくるような気がします。

楽しみなことでもあります。

 

提携の狙いとは

  • LINEの顧客基盤を活用できる

LINEには国内約8000万人の利用者がいます。LINEは単なるコミュニケーションツールというだけでなく、広告宣伝にも有効なツールです。

まず使っている人が8000万人いるということはものすごく大きなメリットです。

いつも思うのですが、店舗の買収などでその金額が話題になることがあります。その時一番重要なのは、その店舗のお客さんをそっくりそのままゲットできることです。

要するに顧客資産です。でも貸借対照表には載っていません。一番重要な資産なのに、と思っています。

例えばある店に1000人のお得意様がいて、その人たちが最低でも月1万円買い物をしてくれるとします。

とするとお得意様だけでも毎月3000万円の売上になるのです。一年では3億6000万円です。

粗利益率が30%とすると、1億800万円です。これはほぼ確実な将来の粗利益なのです。顧客資産というのは重要なのです。

店舗の買収では、KAZUTOYOはお客さんをそのままゲットできることが一番大きなメリットと考えていますが、意外とそのあたりのところに触れている記事はみあたりません。

単に売上の数字のみが書かれているだけです。売上は一人一人の買い物によって積み上がっていくのです。

店舗の買収によって、その店舗を利用していたお客様をゲットできることが重要なのにと思っています。

 

インターネットの世界でもそれは変わりません。

いまからソフトバンクが似たようなコミュニケーションツールを開発して、それを広めることも可能かもしれません。でもリスクも大きいのです。利用者0人から集めていくというのは大変です。膨大なお金と時間がかかります。

それだったら、すでに8000万利用者がいるLINEを使った方が良いということです。

LINEと提携して、8000万人の利用者を手に入れるということが実は重要なことだと考えます。

 

スマホ決済でも優位な立場に

  • スマホ決済で圧倒的トップになります

現在スマホ決済でナンバー1がLINE Pay、ナンバー2はPayPayです。ナンバー3が楽天ペイです。

PayPayはYahoo!(つまりソフトバンク)が運営しています。

一位と二位が提携するのですから、一段と強大な存在になるのです。

それぞれ特徴があって、PayPay は男性の利用者が多く、LINE Payは女性の利用者が多くなっています。

お互いの強い部分と弱い部分がかみ合い補うあうことになります。良い連携と言えます。

スマホ決済の国内シェア(2019年6月)

https://marketing-rc.com/report/report-ecmonth-20190718.html

より切り抜き

 

Yahoo!とLINEが提携することにより、更に強力になります。

これも大きな意味を持ちます。

 

両者を組み合わせることによりいろいろな戦略、戦術が可能となってきます。

具体的にどんなことを行ってくるのか、凡人のKAZUTOYOには計り知れないことです。現場サイドでもいろいろアイデアがでてくると思います。

ソフトバンクは、長い歴史のある会社ではありません。孫さんはいろいろ従来考えられなかった発想で会社を短期間で大きくしてきました。

今後もあっと思わせるようなことをやってくると思います。

最近では、ZOZOの買収劇も記憶に新しい出来事です。

 

ソフトバンクの手法については、当ブログ「中小企業診断士の視点:昔から革新的、ソフトバンクの市場開拓方法」でも書いています。これはKAZUTOYOの現場での体験も踏まてのものです。興味のある方はご覧ください。

 

まとめ

  • ソフトバンクがLINEと提携

子会社のYahoo!とLINEを結び付けることができます。

  • 提携の狙いとは

LINEの8000万人の顧客基盤を活用できます。

  • スマホ決済でも優位な立場に

スマホ決済ナンバー2のPayPayがナンバー1のLINE Payと提携するのです。スマホ決済で圧倒的なトップになります

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。