景気の良し悪しを表すGDPを下方修正
たまった地元新聞を眺めていたら、9月9日の記事に「GDP年1.3%増に改定」の見出し記事に目が止まりました。
昨日、当ブログで「中小企業診断士の視点:経済予測・日本の景気はどうなる?」という記事を書いたのですが、それに関連する内容です。
気になり読んでみました。
今日はその内容についての話です。
この記事を読むとこの先日本の景気がどうなるのか、だいたいわかってきます。
できれば、昨日のブログ記事も併せて読んでいただくこともお勧めします。
Contents
中小企業診断士の視点:GDP年1.8%増から1.3%増に下方修正
記事の内容
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この記事は、中小企業診断士のKAZUTOYOが地元の経済関連の新聞記事について考えたことを書いています。
見出しの書き方に疑問
- 見出しは逆なことを連想させる
見出しはこうです。「GDP年1.3%増に改定 (小さい文字で「4~6月下方修正」)」です。
これだけ読むと、増というのに目がいきます。他の人がどのような印象を持つかわかりませんが、KAZUTOYOは以前より良くなったような印象を持ってしまいました。小さい文字は最初目に入りませんでした。
でも記事を読んでいくと、実は予測値で1.8%増だったのが、1.3%増に下方修正されたのだとわかります。
でも、最初見出しをぱっと見て下方修正されたのだとわかる人は、もともと予測値のことを記憶していた人だけです。そんな人はほとんどいないのではないでしょうか。
「GDP年1.8%増から1.3%増に下方修正」という見出しにすれば、ぱっと見て意味がわかるのに、と感じました。
まあ、新聞記事も人間が書いているので恣意的な要素も入ってくるのですね。
GDPの構成要素
- 昨日の記事のおさらいになりますが、GDPの構成要素は次の7つに分けられます。
- 民間最終消費支出
- 政府最終消費支出
- 民間住宅
- 民間企業設備
- 公的固定資本形成
- 在庫変動
- 財貨・サービスの純輸出
2017年の構成要素は次の円グラフのようになっています。
民間最終消費支出が一番大きく、GDPの半分以上を占めています。
次に政府最終消費支出、民間企業設備、公的固定資本形成と続きます。政府最終消費支出は公務員の給料などです。
今回の記事は景気にどう左右するのか
- 今回の記事の内容とGDPへの影響は3点です。
1.企業の設備投資が大幅減少したこと
⇒GDPの構成要素である民間企業設備が大幅に減少することを示しています
2.個人消費が速報値と変化なし
⇒GDPの構成要素である民間最終消費支出は変化しないことを示しています
3.公共投資は上方修正
⇒GDPの構成要素である公的固定資本形成が増加することを示しています
次に記事を詳しく見ていきます。
企業の設備投資が大幅減少によりGDPが減少
設備投資は1.5%増から0.2%増と大幅に下方修正したとのこと。これが大きかったようです。
理由としては、米中貿易摩擦による景気減速の懸念から、製造業を中心に設備投資を控える動きがあったためとしています。
個人消費は速報値と変化なし
個人消費は速報値と同様0.6%増となっています。令和になったことと大型連休の効果で一時的に消費を押しあげた、としています。
公共投資は上方修正
公共投資は18年度の補正予算の事業が進み、1.0%増から1.8%増に上方修正された、としています。
まとめ
GDP年1.8%増から1.3%増に下方修正 【理由】
GDPの構成要素である民間企業設備が大幅に減少することを示しています
GDPの構成要素である民間最終消費支出は変化しないことを示しています
GDPの構成要素である公的固定資本形成が増加することを示しています |
GDP年1.8%増から1.3%増に下方修正ということは、景気がそれほど良くなっていないということです。
10月からの消費増税は、GDPの半分以上を占める個人消費を減少させることになるので景気は更に悪くなることが予測できます。
ただ、東京オリンピックの開催は個人消費も増加させ、GDPを増加させるはずなので、その効果は少なからずあると思います。
昨日の記事にも書きましたが、東京オリンピック後が課題ではないでしょうか。