レバノンが財政破綻
カルロス・ゴーン氏の逃亡先で知られる、レバノンが財政破綻の危機に直面しています。
この状況をはたから見ていると、レバノン政府がゴーン氏をかくまっているのは、ゴーン氏のお金をあてにしているのかな、と勘繰ってしまいます。
ということで、今回はレバノンが財政破綻の危機に直面しているという話です。
この記事を読むと、レバノンが財政破綻する理由などについてわかるようになります。
ゴーン氏逃亡先のレバノンが財政破綻(デフォルト)
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
レバノンが財政破綻
- 外貨建て国債支払不可能
現在、レバノンは深刻な財政危機に陥っています。そんな中、レバノンのディアブ首相は7日の演説の中で外貨建て国債12億ドル(約1260億円)の支払いを留保する、と発言しました。これ以上の経済の消耗を防ぎ、国益を守るためには返済を延期するしかない、とのことです。
外貨建て国債12億ドルの償還期限は9日と迫っていました。
これは、レバノン政府が債務不履行(デフォルト)に陥ったということです。
国債は、政府が信頼できる状態なら、償還期限がきても借換で対応できます。レバノンでは政府が借換で対応することができなかったということです。債権者が借換でなく、現金での支払いを求めたということです。
政府に信用がないことの証です。
財政破綻する理由
- 外貨建て国債だから
国債の支払ができない根本的な理由は、レバノンが発行する国債は自国通貨建てではなく、外貨建て国債だからです。
自国通貨建ての国債なら、償還期限がきたら自国のお金を刷って債権者に支払えば良いのですが、外貨建てだとそうはいきません。他国のお金を勝手に刷ることはできないからです。
そしてついにディアブ首相は、外貨準備高が「危機的な状況にある。」と、演説で言ったのです。
要するに、外貨がないので返せませんということです。ない袖は振れない、つまりお手上げ、つまりデフォルトということです。
財政破綻の背景
- 社会的な混乱状態が続いている
レバノンの経済成長は、2011年から始まった隣国のシリア内戦や近年の原油安による湾岸経済の低迷などで失速しています。
また、レバノンでは昨年から大規模な反政府デモが続いていて、外貨不足が起きています。そんななかで、起きた今回のデフォルトです。政治や社会の混乱が一段と加速することが予測されています。
今後の見通し
- 債権者と交渉し債務削減を目指す
ディアブ首相は、レバノンの政府債務が900億ドルと国内総生産(GDP)の170%に達し、2020年中に計46億ドルの債務と利息が返済期限を迎えると明らかにし、深刻な財政難に直面していると説明しています。
今後については、約9か月をかけて債権者の大部分を占めるレバノン国内の銀行と、債務削減に向けた交渉を行っていくこととしています。
デフォルトとなれば、海外からの支援は受けにくくなります。今後レバノン政府の財政はさらに厳しくなるものと予想されます。
まとめ
レバノン首相が外貨建て国債12億ドル(約1260億円)の支払いを留保する、と発言しました。
根本的な理由は、レバノンが発行する国債は自国通貨建てではなく、外貨建て国債だからです。
レバノンの経済成長は、2011年から始まった隣国のシリア内戦や近年の原油安による湾岸経済の低迷などで失速し、昨年から大規模な反政府デモが続いていて、社会が混乱しています。
債権者の大部分を占めるレバノン国内の銀行と、債務削減に向けた交渉をしていくようです。 |