東日本大震災に関連した企業倒産数
東日本大震災で倒産した企業は多いはずです。
しかも、震災の影響はまだ続いているのです。
つい最近も、大震災がきっかけで倒産した会社があったとのことです。
震災から既に9年経っていますが、そのダメージはまだ完全にはいえていないのです。
この度、帝国データバンクが東日本大震災に関連した企業倒産に関しての発表を行いました。
今日はその話です。
この記事を読むと、企業が震災などで大きなダメージを受けると、長期にわたってその傷をいやせぬまま、結局は倒産に至ってしまうことがあるとわかります。
Contents
長期で見た東日本大震災に関連した企業倒産数
記事の内容
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この記事は、BCP作成支援の経験も多くある中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
9年間での東日本大震災に関連した企業倒産数
- 9年間で2021件
帝国データバンクによると、東日本大震災に関連した企業倒産(負債額1千万円以上)数は2020年2月末までの約9年間で2021件となったそうです。
負債総額は1兆7048億円とのことです。
倒産数の推移
- 減少傾向だったが、最近は再び増加
倒産数は復興が進むにつれて減少していのですが、今年2月末までの最近1年間では9件増加し、50件となったそうです。
日本大震災から既に9年経っていますが、企業には依然として建物損壊や取引先減少といった震災の影響が残っているのです。
企業は大きなダメージがあると、立ち直るのはなかなか大変であることがわかります。
東日本大震災に関連した業種別倒産数
- サービス業が最多で447件
9年間での東日本大震災に関連した企業倒産数を業種別に見ると次のようになっています。
- サービス業 447件
- 製造業 416件
- 卸売業 408件
特にサービス業ではホテル・旅館の倒産が125件と突出しています。
東日本大震災以降、震災地域には放射能の問題もあったため観光客が訪れることが減ったことが大きな要因だと考えられます。
東日本大震災に関連した地域別倒産数
- 地域別では関東が最多で973件
9年間での東日本大震災に関連した企業倒産数を地域別で見ると次のようになっています。
- 関東 973件
- 東北 419件
- 中部 224件
- 九州・沖縄 116件
被災地東北の最近1年間の倒産数は24件で、これは全体の半分近くを占めているとのことです。被災地ではいまだにダメージがかなり残っていることがわかります。
北海道、北陸、近畿、中国、四国での倒産はいずれも100件未満となっています。
東日本大震災に関連し、最近倒産した会社の特徴
- 金融機関が支援しても倒産
東日本大震災に関連し、最近倒産した会社の特徴は、金融機関の支援があったにもかかわらず、結局倒産に至っていることです。
震災後、金融機関の支援がなくて、資金がショートして倒産というわけではないのです。
例えば、ヤマニシは東北最大規模の造船会社でした。ヤマニシは金融機関からの支援がありながら再建できずに経営に行き詰って倒産しています。
BCPなどの事前対策が必要
- 過去から学び、BCPを策定しておく
以上、企業の倒産について書いてきました。確かに東日本大震災で倒産した企業もあります。
でも倒産を回避できた企業も、数多くあるのです。
その理由を分析してみることも必要かと思います。
天災は忘れた頃にやってくると言います。
東日本大震災での体験を生かすことを目的に作られたような動画もあります。
このような動画を見て、過去から学ぶことも大切です。
その上で、今後は中小企業といえどもBCPを作っておくことが必要だと改めて感じました。備えあれば憂いなし、ということです。
まとめ
9年間で2021件、いまなおダメージから完全には回復できていません。
サービス業が最多で447件、ホテル・旅館の倒産が125件と突出しています。
地域別では関東が最多で973件
金融機関が支援しても倒産に至っています。
過去から学び、今後は中小企業といえどもBCPを作っておくことが必要だと改めて感じました。 |