中小企業診断士の視点:コンサル失敗の理由

コンサルティング失敗の理由

中小企業診断士として、中小企業のコンサルを行ってもうまくいかない場合があります。

今回はその話です。

この記事を読むと、中小企業診断士がコンサルを行っても、必ずしもうまくいくわけではないことがわかります。

中小企業診断士の視点:コンサル失敗の理由

記事の内容

  • コンサルタント・中小企業診断士に能力がない時
  • 中小企業者が望んでない場合(3つあります)
  • せっぱつまった状況になっている時(3つあります)

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが自分の経験をもとに書いています。

コンサルタント・中小企業診断士に能力がない時

  • 能力がないとうまくいかない

あたりまえですが、コンサルタント・中小企業診断士に能力がない時には、コンサルはうまくいきません。

例えば、KAZUTOYOは製造業のことはよくわからないので、製造業のコンサルには自信を持てません。やってもうまくいかない可能性もあります。

コンサルタントにも自信を持てる分野・自信がない分野等があるのです。

コンサルにはいろいろな能力が必要です。

コミュニケーション力、現状を正しく分析できる力、問題点を見つけ出す力、適切な改善策を提案できる力、業界の知識などいろいろです。

中小企業診断士は、中小企業診断士になってからもこうした能力を磨くためにも勉強は欠かせないのです。

環境変化が激しい時代なので、昔の知識は通じないこも多いのです。ですので日頃の勉強は欠かせないことになります。

中小企業者が望んでない場合

  1. 金融機関が融資の継続のために行う時
  2. 中小企業者自身に勉強が必要な時
  3. 投資が必要な時

①金融機関が融資の継続のために行う時

やらされ感が強いと難しい

金融機関が融資のために行う場合、コンサルがうまくいかない場合があります。

中小企業者が必ずしも、自らコンサルを望んでいない場合もあるからです。

金融機関から、融資を継続するためにどうしてもコンサルを受けてくれということになって、コンサルが始まります。ですが、中小企業は融資を引き出したいだけで、コンサルを受けたいわけではないのです。

中小企業診断士が行って、あれこれ経営に口出しされるのは嫌だと内心で思っている場合もあります。

お金を借りるためにしかたなく、コンサルを受けるのです。

となると、もともと話を聞く気もないですし、アドバイスをされたことも実行する気がないので結果的にうまくいかないことになるのです。

とはいっても、そのような中小企業だけではありません。

やる気になってくれる中小企業もあります。そのような中小企業だとうまくいきます。

②中小企業者自身に勉強が必要な時

  • 勉強が必要な場合も難しい

変化に対応するには勉強が必要です。古いやり方を継続しているだけだと、環境の変化についていけずに経営が傾くことがあります。

コンサルでも中小企業者に新しい取りくみを勧める場合があります。その際には、勉強してもらわないといけない場合があります。

例えば、情報発信していない中小企業は多くあります。そのような中小企業に対して、情報発信をしてもらうようにアドバイスします。

具体的にはホームページの公開やブログでの情報発信です。

でも、やったことがない人にとってはハードルが高いのです。

自分で勉強してもらうことや取り組んでいかないといけないことが多くあります。

でも、今までと異なることをやりたがらないのが人間です。勉強から逃げて、いっこうに進展しません。理由をきいても忙しくて手がつけられない、と言います。

結局、昔のやり方をずっと継続するだけの毎日がまた始まります。となるとそれが原因で経営が傾いているので経営が改善することはないのです。

③投資が必要な時

  • お金がないと思い切ったことはできない

最低限の投資が必要な場合もあります。でもそれができないこともあります。

例えば、店舗施設等で老朽化が激しく、入りたいとは思わない店もあります。

看板も色がはげていて見すぼらしいものをそのままつけている場合もあります。

店舗などは見た目・第一印象が大切です。第一印象を良くするためにも、最低限の投資が必要な場合があります。

でも、資金難でできない場合もあります。

となると、短期的には経営の立て直しをすることは困難になります。

店舗の場合、ITをつかった情報発信や、POP広告などを楽しいものを書くことができる人だったらまだ良いのですが、そのようなこともやりたがらない場合は、長期的に見ても立て直しは困難となります。

せっぱつまった状況になっている時

  1. 中小企業者に精神的余裕がない
  2. 中小企業診断士がなんとかしてくれると思っている
  3. 意識改革ができない

①中小企業者に精神的余裕がない

  • 頭がいっぱいの状態

中小企業診断士がコンサルに入っても、中小企業者が追い込まれている時には効果は見込めません。

例えば、資金繰りできゅうきゅうとしている時などです。資金繰りのことで頭がいっぱいで、中小企業診断士のいうことなど、右から左に抜けていきます。

明日の支払、明後日の支払をどう乗り切ろうかなどで頭がいっぱいなのです。

そんな時に、コンサルをしても効果がないのです。

中小企業者は経営が上手く行っている時には、コンサルを依頼することは多くありません。せっぱつまった状態でなってから、いよいよ危ないとなってから依頼することが多いのです。

残念ながら、手遅れの時も多いのです。

②中小企業診断士がなんとかしてくれると思っている

  • コンサルに依存している

中小企業診断士に依存し、中小企業診断士がなんとかしてくれると思っている中小企業者もいます。そんな場合もコンサルはうまく行かないことが多いのです。

理由は、実行するのは中小企業者で中小企業診断士ではないからです。

主体は中小企業者自身です。

中小企業診断士やコンサルタントはアドバイスはしますが、それを実行するのは中小企業者自身です。自分が動く必要があるのです。

でも、依存体質の中小企業者は、全部中小企業診断士やコンサルタントがやってくれると思っています。

そんな場合、コンサルはうまいきません。

③意識改革ができない

  • 現状は過去の蓄積の結果です

経営を立て直すには意識改革をする必要があります。

なぜなら、経営がうまく行ってないのは過去の自分の考え方や行動の結果だからです。

それが、自分自身でわかる必要があります。うまくいかないようなことを繰り返してきたので、結果的にうまくいっていないのです。

でも切羽詰まった状況だと、客観的に考えることができません。変な方向に進んでしまうこともあります

例えば、業績が悪いのを自分のせいと思わずに、社会のせい、世間のせいにしている場合などです。

自分は悪くない、世間が悪い、などど考えているうちは、業績は上がりません。

この考え方でいくと、商品が売れないのはお客に見る目がないからだ、となっていきます。売れないのはお客のせい、ということになるのです。

こうなってしまうと、考え方・意識を変えない限り、永久に業績は上がることはないでしょう。

まとめ

コンサル失敗の理由

コンサルタント・中小企業診断士に能力がない時

中小企業者が望んでない場合

  • 金融機関が融資の継続のために行う時

やらされ感が強いと難しい

  • 中小企業者自身に勉強が必要な時

勉強が必要な場合も難しい

  • 投資が必要な時

お金がないと思い切ったことはできない

せっぱつまった状況になっている時

  • 中小企業者に精神的余裕がない

頭がいっぱいの状態だと何も吸収しない

  • 中小企業診断士がなんとかしてくれると思っている

実行するのは中小企業者で中小企業診断士ではないからです。

  • 意識改革ができない

経営がうまく行ってない現状は過去の自分の考え方や行動の結果で、意識改革が必要です。

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。