白物家電は変化しています
白物家電が実用本位、機能本位の家電から新たな価値を生みだす家電に変化していることです。
白物家電というのは、冷蔵庫や洗濯機のように日常の生活を便利にする家電のことです。これらの家電は昔、色が白い製品がほとんどだったので、白物家電と言われています。
これらの白物家電が最近は実用的な家電というだけでなく、新たな価値を生み出しているように感じています。
そのことについて書いていきたいと思います。
この記事を読むと、白物家電が変化していることがわかります。そのことによって、どんな現象が起きているのかわかります。
Contents
中小企業診断士の視点:白物家電の変化
記事の内容
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私は、中小企業診断士の資格を取得して独立する前は、家電量販店で店員をしていました。その経験も記事の内容に反映しています。
従来の趣味的な家電
①映像商品
②音響製品 ③パソコン |
①映像商品
- テレビ、カメラ、映像記録製品
テレビ、カメラ、映像記録製品は趣味的な要素がもともとかなり強い商品です。
機能を果たすだけなら安い商品でもよいのですが、高額商品もありました。これらの商品群を好きで、なかば趣味にしている人は、高額商品でも気にせず購入していました。
頻繁に使うわけでもないのに、プロ仕様のビデオカメラを購入する一般の方もいました。
また、別に今持っている製品が壊れたわけでもないのに、新商品が出ると、それらを待ちかねたように購入する人もいました。従来の白物家電にない購買行動が、これらの商品群にはあったのです。
生活必需的な家電の購入では価格にこだわる人でも、趣味的な家電の購入には、価格にこだわらず、高額商品を購入することはよくあります。
②音響製品
- スピーカー、アンプ、プレーヤーなどいわゆるステレオです
スピーカー、アンプ、プレーヤーなどのステレオは、趣味の家電です。日常生活でなくても困らない製品です。精神的に生活に潤いを与える、といったたぐいの商品です。
完全に趣味の家電製品です。
昔は、このような趣味の製品に大金を投じて購入していた人も多かったのです。
いまでも、富裕層ではこのような趣味にお金をかけている人もいます。
ユーチューブでケンリックサウンドという業者の動画をたまに視聴しますが、安いイヤホンでも素晴らしく良い音を再現していて、感動します。富裕層はこのようなところでオーディオ機器を購入していることがわかります。
うらやましいですね。(音声注意)
③パソコン
- パソコンは仕事用、趣味用の商品です
パソコンは、仕事でも使いますが、極めて趣味性が高い商品です。普通の事務的な仕事に使うのなら、高くても20万円程度のもので十分なのですが、もっと高いパソコンも売れています。
昔はゲームを快適にしたいと目的があり、そのためには性能が良い高額なパソコンが必要ということもありましたが、最近はゲームだけでなく、動画を編集するという目的も理由になっていいます。
パソコンの表示画面もどんどん高画質化していて、動画も高画質のものが増えています。パソコンの性能もそれに対応するために、今後も高性能・高価格の製品が低価格品とともに売れていくと考えられます。
実用本位だった白物家電が新たな価値を生み出す時代
①掃除機
②洗濯機 ③炊飯器 |
①掃除機
- 掃除機も新たな価値を生み出している家電です
「ルンバ」の登場以来、ロボット掃除機が世の中に定着してきていると感じます。ルンバの後追いですが、日本の家電メーカーもロボット型掃除機を開発し販売しています。
従来の掃除はそれほど価格が高くはなかったのですが、ロボット型掃除機の登場は、今までの掃除機の価格のイメージを変えてしまいました。高額でも購入されるようになってきています。
ロボット型掃除機は、今までの実用重視路線から、見て楽しむような価値も加わった印象があります。
新たな価値が加わることによって、価格が高くても購入する人が増えてきたということです。
②洗濯機
- ドラム型は洗濯機業界を変えました
従来の洗濯機は縦型洗濯機です。このタイプの売れ筋は3万円~7万円程度ではないでしょうか。ところがドラム型洗濯機の登場は、その価格のイメージを覆しました。
20万円ぐらいの洗濯機でも売れています。縦型の洗濯機しかなかった頃には考えられないことです。
もう一つの特徴はデザイン性やファッション性です。昔、縦型洗濯機でデザイン性やファッション性はそれほど問題にはされませんでした。はっきりいってそこにこだわる人はほとんどいませんでした。
デザインがお洒落だからこの洗濯機を購入したという人はほとんどいなかったはずです。ですが最近のドラムタイプの洗濯機は、デザインや見た目が決めてで購入に至ったという話をよく聞きます。
実用本位、機能本位だった生活家電が、消費者の志向と共に変化してきたと言えます。
③炊飯器
- 独自の工夫でおいしさを追求
炊飯器も、高価格帯の製品が売れています。各社、釜の材質、炊き方など独自にいろいろ工夫して、少しでもおいしいごはんが炊けるように開発努力を続けています。
5万円以上の製品も売れています。
ある会社の炊飯器開発の様子をテレビで見たことがありますが、努力していることがよくわかりました。開発陣もやりがいを感じているように感じました。
日本人の心の中には、なにか一つのことをとことん「追及」していきたい、という心理があるように思います。
開発してできた製品で炊いたご飯が「うまい」という評判になれば、開発者も嬉しい気持ちでしょう。開発者冥利につきるということです。
白物家電が新たな価値を生み出すことでいえること
①低価格競争からの脱却
②こだわりがなかった家電からこだわる家電に |
①低価格競争からの脱却
- 新たな価値を生み出すことにより、低価格競争から脱却できます
例えば、最初にロボット掃除機のルンバが出たとき、確か10万円程の価格だったと思います。掃除機としてはものすごく高額な商品です。しかし、徐々に売れていきました。
結局国内メーカーも似たような商品を開発・販売するようになり、いまでは、ロボット掃除機という一つのジャンルを形成するまでになっています。
価格も、昔の掃除機と比べると高いのですが、ロボット掃除機は従来の掃除機とは棲み分けができていて、安い掃除機と価格では競合しない商品群になっています。
②こだわりがなかった家電からこだわる家電に
- こだわる家電に変化
従来、白物家電は購入に際し、こだわりが少ない商品でした。機能さえちゃんとしてれば、極端にいえば、あとはどうでも良かったのです。
洗濯機は洗えれば良い、冷蔵庫は冷えれば良い、という意識でしかなかったのです。このあたりは、趣味の家電と多いに違います。趣味の家電は、購入時、「このメーカーのこの機種が欲しい」というように、ものすごくこだわりがあったのです。
ですが、白物家電の場合、例えば、洗濯機が壊れて買いに来た方が「私はこのメーカーのこの機種でないと買わない」という人はいません。日立だろうが、東芝だろうが、三菱だろうが、何でもよかったのです。
従来、白物家電はこだわる家電ではなかったのです。
ですが、最近はそうではなくなっています。炊飯器を購入するときも、昔は何でもよかったものが、いまでは、「〇〇メーカーの〇〇炊きというのがおいしいということなので、これが欲しい」というように変化しているのです。
白物家電もこだわりがなかった家電からこだる家電に少しづつ変化しているのです。
まとめ
従来の趣味的な家電
テレビ、カメラ、映像記録製品
スピーカー、アンプ、プレーヤーなどいわゆるステレオです
パソコンは仕事用、趣味用の商品です。 実用本位だった白物家電が新たな価値を生み出す時代
掃除機も新たな価値を生み出している家電です
ドラム型は洗濯機業界を変えました
独自の工夫でおいしさを追求しています 白物家電が新たな価値を生み出すことでいえること
新たな価値を生み出すことにより、低価格競争から脱却できます
白物家電もこだわる家電に変化 |