中小企業診断士の視点:コロナが経済に与えた影響と政府に望む対応策

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コロナが経済に与えた影響と政府に望む対応策

疑問に思う人

コロナの影響でかなり経済にダメージがあるらしい。

どの程度のダメージなのかな。

政府に望む景気対策はどんなこと?

今回は、そんな疑問に応えます。

この記事を読むと、新型コロナィルス感染症拡大が経済に与えた影響と、政府に望む対策がわかります。

KAZUTOYO
今回はちょっと難しくなってしまったかもしれません。m(__)m

 

コロナが経済に与えた影響と政府に望む対応策

本記事の内容

  • コロナがGDPに与えた影響と政府に望む対応策
  • コロナがGDPに与えた影響
  • GDPの構成要素
  • 政府に望む対策
  • 日本に財政問題はない
  • 国債発行をコントロール

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

  1. 中小企業診断士としての活動歴は10年以上になります。
  2. 多くの中小企業の支援経験があります。

 

コロナがGDPに与えた影響

  • 1月~3月のGDP年3.4%減少

内閣府は2020年1月~3月期の実質GDPは前期比0.9%減、年率に換算すると3.4%減少となると発表しました。

GDPには実質GDPと名目GDPがあります。実質GDPは物価変動の影響を除いた実質のGDPです。名目GDPはその時の市場価格で評価したGDPとなります。

この実質GDPが年率換算すると、3.4%減少したというのです。

緊急事態宣言が行われたのは4月に入ってからなので、4月以降はもっと減少するはずです。

外出自粛や店舗の休業が本格的になったのは4月以降だからです。

※出典:政府資料より

グラフでは改善しているように見えますが、これは昨年の消費増税で10月~12月にかけて年率換算で7.3%減少しているからです。

 

GDPの構成要素

  • GDPのうち民間最終消費支出が55%を占める

GDPの構成要素のおさらいをしておきます。

2019年の日本の実質GDPは536兆5241億円です。

GDPは以下の要素によって構成されています。GDPは以下の項目の合計です。

GDPの構成要素

  1. 民間最終消費
  2. 政府最終消費支出
  3. 民間住宅
  4. 民間企業設備
  5. 公的固定資本形成
  6. 在庫変動
  7. 財貨・サービスの純輸出

 

2019年日本のGDP構成金額

 

2019年日本のGDP構成比率

 

GDPのうち民間最終消費支出が最も大きく55%を占めていることがわかります。次に政府最終支出、民間企業設備と続きます。

※上のグラフは政府の統計をもとにKAZUTOYOが作成しています。

政府に望む対策

  • 政府支出

GDPを減少させないために、政府による支出を増加させることが必要と考えます。

GDPが減少するということは、不景気になるということです。逆にGDPが増加すれば景気が良くなるということです。

政府に望む対策は、政府が国債を発行して国民の生活を守るために、現在行っているようにお金を給付することです。

さらに、企業の設備投資も減少していますが、それは将来の生産能力に大きく影響します。少なくとも生産能力を維持できるような対策も必要です。

企業を守ること、工場などの倒産防止対策が必要と考えます。

 

先日、日銀は国債購入上限を撤廃しました。これで必要に応じて国債を発行し、日銀に買い取らせて資金を支出できることになります。

 

消費税の減税また撤廃

  • 消費増税はGDPを低下させる

昨年10月の消費増税で、経済成長率はぐっと下がりました。消費増税は大きくGDPを低下させるのが明白になったわけです。

GDPで最も大きな割合を占めるのは民間最終消費支出です。ここを下支えるのが最も効果的です。ですから、GDPを回復させるには消費税の減税また撤廃が望まれるのです。

 

日本に財政問題はない

  • 日本は財政破綻しません

政府に望む対策は、

  1. 国民の生命・財産を守るために政府は国債を発行してお金を民間に支出すること
  2. 消費税の減税また撤廃をすること

です。

こんなことを書くと、財政破綻するとかハイパーインフレになるとかいう人がいまだにいますが、だんだんとそうはならないことがわかってきました。

その主な理由は次の3つです。

  • 国債はデフォルトしない。
  • 政府の借金は増え続けているが問題は発生していない
  • 日銀は政府の子会社

 

国債はデフォルトしない。

  • 財務省「日本国債のデフォルトは考えられない。」

財務省https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htmより

財務省が自ら日本の国債はデフォルトすることはない、と言っています。

 

政府の借金は増え続けているが問題は発生していない

  • 日本の負債と長期金利の推移のグラフ

2018年の政府の債務は1970年の152倍となっていますが、何の問題も発生していません。

また、長期金利は超低金利となっています。

 

日銀は政府の子会社

  • 日銀は資本金1億円の会社です。株の55%は政府所有です。

※出典:https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a12.htm/より

日銀は政府の子会社なので日銀と政府は一体のものと考えることができます。企業なら連結決算することになります。

政府が国債を発行し日銀に買い取ってもらうと、政府は日銀に負債を負うことになり、日銀は国債という資産を持つことになります。ですが連結すればチャラになります。

 

国債発行をコントロール

  • インフレターゲットを決めておく

国債発行量は、供給能力によって制約を受けます。

戦後日本が超インフレになったのは、日本の工場等が壊滅し、需要があっても生産できなかったからです。お金があってもモノが作れないから超インフレになったのです。

幸い、今の日本は工場などの供給設備は生きています。

需要と供給のバランスをうまくとりつつ、国債発行量を調整していけば良いと考えます。

 

インフレ率を指標にする

  • 指標となるのがインフレ率です。

現在の日本は、まだデフレ状態です。デフレというのは商品・サービスの価格が下がっていくことです。

多少インフレになったほうが経済は回りやすくなります。

インフレは、後で買うより今買った方がお得ということです。では今買おうということになります。

デフレはあとで買ったほうが得ということなので、すぐには買わないのです。

適正なインフレ率は2%前後と言われています。

例えば、インフレターゲットを2%に決めて、国債発行量を調整して金を支給すれば良いのです。

インフレ率が2%になったら国債発行をやめる、もしくは緊縮的な政策を併用していけば良いと考えます。

 

まとめ

コロナがGDPに与えた影響と政府に望む対応策

  • コロナがGDPに与えた影響

1月~3月のGDP年率換算で3.4%減少

  • GDPの構成要素

GDPのうち民間最終消費支出が55%を占めます

  • 政府に望む対策

政府支出です。GDPを減少させないために、政府による支出を更に増加させることが望まれます。

  • 日本に財政問題はない

日本は財政破綻しません

  • 国債発行をコントロール

インフレターゲットを決めておいてコントロールすれば良いのです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。