中小企業診断士の視点:日本のGDPがこのままだと年6.3%減少

GDPが年6.3%減少

内閣府が2月17日に景気判断の重要な指標である日本のGDP(国内総生産)の発表を行いました。

その発表で日本のGDPが減少していることがわかりました。GDPの低下は予想されていましたが、予想を更に下回る結果となりました。

今日は日本のGDP減少の話です。

この記事を読むと、今後の日本が何もしなければどうなっていくのかわかります。

また、どうすれば良いのかわかります。

中小企業診断士の視点:日本のGDPがこのままだと年6.3%減少

記事の内容

  • GDPとは何?(3つあります)
  • GDP年6.3%減少の理由(4つあります)
  • 今後の予測
  • 今後の対応

この記事は、中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

GDPとは何?

  1. GDPは国内総生産のこと
  2. 名目GDPと実質GDP
  3. GDPの構成要素

①GDPは国内総生産のこと

  • GDP(国内総生産)は景気を表す指標の代表です

GDP(国内総生産)は景気を表す指標の代表で、その推移、成長率で景気の良し悪しが把握できます。

GDP(国内総生産)の増え方が早い場合、景気が良い状態となります。GDPの増え方が遅かったり、前年と比較してマイナスになっている場合は景気が悪化している状態と言えます。

GDPの推移をみれば、景気が良くなっているのか悪くなっているのかがわかるのです。

今回の内閣府の発表では、2019年10月~12月期の実質GDPを発表しています。この3ヵ月間の実質GDPは前期比▲1.6%で、このペースが1年継続すると仮定すると年率換算は▲6.3%になるのです。

マスコミでは、この▲6.3%の数字を大きく発表しているのです。

なにも手を打たなければ、それは実現すると思われます。

②名目GDPと実質GDP

  • 物価の変動による影響を排除したのが実質GDP

名目GDPはその時の金額でそのまま表したものです。実質GDPは物価の変動による影響を取り除いたGDPのことです。

農産物のように価格が大きく変動する商品などは、価格が2倍になった時、名目GDPも2倍になりますが、2倍消費したわけではありません。そのような物価の変動を取り除いたのが実質GDPです。

③GDPの構成要素

  •  GDPの構成要素は大きく分けて7つです

GDPの構成要素は次の7つに分けられます。

GDPの構成要素

  1.  民間最終消費支出
  2.   政府最終消費支出
  3.   民間住宅
  4.   民間企業設備
  5.   公的固定資本形成
  6.   在庫変動
  7.   財貨・サービスの純輸出

ちなみに2017年のGDPは以下のようになっています。

※円グラフは内閣府のホームページのデータを参考にKAZUTOYOが独自に作成しています。

2の政府最終支出は公務員の給料や公共教育支出、医療保険や介護保険の政府負担分です。

5の公的固定資本形成は、公共投資です。公共事業等に支出されたものです。

7の純輸出は輸出総額から輸入総額を差し引いたものです。

円グラフを見ると民間最終消費支出がGDPに占める割合が高いことがわかります。日本は内需の国だということです。

消費増税は、この民間消費支出に大きなマイナスの影響を与えます。

GDP年6.3%減少の理由

  1. 個人消費が減少
  2. 住宅投資が減少
  3. 設備投資が減少
  4. その他の理由

①個人消費が減少

  • 個人消費が2.9ポイント減少

地元新聞によると2019年10月から12月期で個人消費が2.9ポイント減少しています。個人消費というのは民間最終消費支出に該当します。日本は民間最終消費支出がGDPに占める割合が大きいため、ここがしぼむとGDP全体に大きな影響を与えます。

個人消費が減少した理由は消費増税の影響だと考えられます。

②住宅投資が減少

  • 住宅投資が2.7ポイント減少

地元新聞によると2019年10月から12月期で住宅投資が2.7ポイント減少しています。

住宅投資は民間住宅に該当します。

減少した理由は、消費増税の影響と、日本的経営の特徴であった終身雇用制と年功序列賃金制の崩壊を多くの人が自分のこととして捉えるようになったからだと思います。

いつ会社をリストラされるかもしれないのに、長期ローンを組むなど危なくなくてできないと考えるようになったからではないでしょうか。

③設備投資が減少

  • 設備投資が3.7ポイント減少

地元新聞によると2019年10月から12月期で設備投資が3.7ポイント減少しています。

設備投資の減少の理由は、企業が将来仕事が潤沢にあると考えていないからです。

企業が将来の仕事が多く見込んでいれば設備投資をするのですが、そう考えていないということです。

④その他の理由

  • 自然災害や暖冬の影響

地元新聞には、消費増税に加え、GDP減少となった理由がいくつか書かれています。

まず、

  • 暖冬による冬物商材の販売不振です
  • 次に、台風など自然災害も影響があったとしています。
  • また、消費増税に伴うシステム対応で一時的に増えた投資に反動がでた、としています。

今後の予測

  • 新型肺炎等の影響でさらにGDPが減少

地元新聞には、GDPの減少が今後も継続するとしています。

その理由は以下のようになります。

新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大の影響で、中国人観光客の減少がほぼ確実です。観光収入が減少し、それによりGDPも減少するのです。

新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大は中国の生産活動や消費にもマイナスに影響します。

それは日本企業の対中輸出や設備投資にもマイナスに影響するのです。当然GDPにも悪影響を及ぼします。

日本でも外出を控えるというムードが広がり、それは消費にも影響します。

上のように、新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大で個人消費や生産の落ち込みが予想され、さらにマイナス成長となる可能性があり、日本経済の低迷が長期化する懸念があるとしています。

今後の対応

  • 自己防衛をする

景気をよくするのに政府にはいろいろ手を打って欲しいとは思います。本当は、消費増税を撤回するのが良いのですが、まあ難しいでしょう。それができないなら大胆な財政政策をやるべきです。

民間が消費もしない、投資をしないのなら、政府がお金をだして経済を活性化させるべきだと考えるからです。

ですが、それは一個人ではできないことです。

自分は自分でできることをするだけです。

自分を守るために自分でできることをやっていくしかないのです。

具体的には副業をすることやスキルアップで将来のリスクに備えることです。

副業については当ブログの副業カテゴリーにいろいろ記事があります。

スキル関連についてはスキルカテゴリーの記事も参考になるかと思います。

よろしかったらご覧ください。

まとめ

日本のGDPがこのままだと年6.3%減少

GDPとは何?

  • GDPは国内総生産のこと

GDP(国内総生産)は景気を表す指標の代表です

  • 名目GDPと実質GDP

物価の変動による影響を排除したのが実質GDPです。

  • GDPの構成要素

GDPの構成要素は大きく分けて7つです

GDP年6.3%減少の理由

  • 個人消費が2.9ポイント減少しています。
  • 住宅投資が2.7ポイント減少しています。
  • 設備投資が3.7ポイント減少しています
  • 自然災害や暖冬の影響もありました。

今後の予測

  • 新型肺炎等の影響でさらにGDPが減少します。

今後の対応

  • 副業をすることやスキルアップで将来のリスクに備えることが大切です。

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。