景気循環とは
景気は波のように循環し、変動するものですが、今回は循環には当てはまらないようです。
さて、中小企業診断士は景気のことについても知っておく必要があります。
ということで、今回は景気循環の話です。
この記事を読むと、従来から言われていた景気循環の基本的用語がわかるようになります。
景気循環とは
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
景気循環とは
- 経済活動の上昇過程と下降過程の循環のこと
資本主義といわれる日本の現在の自由経済社会では、経済活動が上昇過程と下降過程を繰り返しています。
この過程を景気変動と呼びます。
景気は①不況、②回復、③好況、④後退の4つの局面を繰り返しているため、これを景気循環と呼びます。
景気循環の考え方は、1780年代末のイギリスの産業革命の頃から注目されるようになりました。
そして景気循環には、いまのところ4つの種類があります。
景気循環周期の長短により4つに分けているのですが、それぞれの種類には発見者の名前がつけられています。
コンドラチェフの波
- 50年から60年に及ぶ長期の景気の波
コンドラチェフの波は50年から60年に及ぶ長期の波の景気変動のことです。ロシアの経済学者N.D.コンドラチェフが唱えた説です。
コンドラチェフは1780年代末期を長期の波の出発点として、60年間を1つの波と捉えました。
景気のサイクルの要因を技術革新におき、第1波はイギリスの産業革命の時代としていて、この時期には紡織機や蒸気機関の発明もありました。
クズネッツの波
- 20年くらいの中期の景気の波のこと
クズネッツの波は約20年の周期の景気の波のことです。アメリカの経済学者サイモン・クズネッツが1930年に提唱しました。20年という周期は、商工業施設や住宅の建て替え・リフォームまでの期間に相当することから、建設需要に起因するサイクルと考えられています。
ジュグラーの波
- 7年から10年くらいの中期の景気の波です。
ジュグラーの波は主循環ともいわれ、7~10年くらいの中期の景気の波のことです。日本では中期循環または設備投資循環ともいいます。
フランスの経済学者、J.ジュグラーが提唱した説です。
日本では第2次世界大戦以前は、機械設備の経済的平均寿命が10年前後だったことから、約10年ごとに設備投資の更新が行われていました。この投資のサイクルを景気循環として捉えたのです。
なお、規則的な波として景気循環を捉えたのは、ジュグラーが初めての人です。
キチンの波
- 40ヶ月くらいを1周期とした短い景気の波のこと
キチンの波は40ヶ月くらいを1周期とした短い景気の波のことです。
小循環とも呼ばれる景気の波で、この短期波動は、在庫の増減のサイクルを1循環とみなすことから在庫循環ともいわれています。
アメリカの経済学者、J.キチンが提唱した説です。
まとめ
経済活動の上昇過程と下降過程の循環のこと
50年から60年に及ぶ長期の景気の波のこと
20年くらいの中期の景気の波のこと
7年から10年くらいの中期の景気の波のこと
40ヶ月くらいを1周期とした短い景気の波のこと |