中小企業診断士の視点:プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の考え方

製品ライフサイクルとは?

マーケティングを勉強していると、必ず出てくるのがプロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)です。

このブログを読んでいる方は、すでに知っている方も多いと思います。

分かり切っていると思う方は読まなくて結構です。

 

復習したい方、初めて聞くという方は目に通すと良いかもしれません。

 

ライフサイクルの段階によって、最適なマーケティング方法も変化していきますのでそれについても書いていきます。

参考になれば幸いです。

 

この記事を読むと、プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)についてわかります。

また、ライフサイクルの段階に応じた、最適なマーケティング方法の概略がわかります。

 

中小企業診断士の視点:プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の考え方

記事の内容

  • プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)とは
  • プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の各段階におけるマーケティング戦略

この記事は、中小企業診断士のKAUTOYOが書いています。

 

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)とは

  • 製品の誕生から死までのサイクルが製品ライフサイクル

製品にも、人間と同じように誕生から死にいたるまでの一生があるとする説です。

製品のステージを4つの段階に分けて捉えるのが一般的で、マーケティング4P(マーケティングミックス)を構築する際に参考となる考え方です。

 

段階は導入期、成長期、成熟期、衰退期で区分するのが一般です。

次のような図が、プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)を示すものとしてよく利用されます。

縦軸に売上・利益、横軸は時間の経過を意味します。

製品ライフサイクルの段階を示す図

導入期の特徴

この段階のマーケティングの目的は市場を創造し、自社ブランドを確立することです。

消費者は商品のことをよく知らないため、マス広告によって知名度を高めることに主眼が置かれます。

(ちょっと前の空調服のようにです)

店舗にも商品を置いてもらうようなプロモーションをしていきます。そのため費用もかなりかかることになります。

市場規模は小さく競合ブランドも少ないので、競争も激しくありません。

商品開発にお金をつぎ込んだ分とプロモ―ションコストがかかるため、この段階では赤字になるのが普通です。

 

空調服ついては当ブログ次のURLのページをご覧ください。

https://kazutoyoblog.com/it-takes-time-to-succeed/ 

 

成長期の特徴

売上が急速に伸びてくるのがこの段階の特徴です。

市場規模も大きくなっていきます。

この様子を見て、他の企業も類似商品を市場に投入していきます。

この段階のマーケティングの目的は、ブランドロイヤルティを確立していくことです。激しい競争が展開されていきます。

空調服は、今この段階だと筆者は判断しています。

 

成熟期の特徴

売上高の伸びが鈍化してくるのがこの段階です。

商品のことは十分浸透していて、必要な人は既に手に入れている段階です。したがって購入動機も新規需要ではなく、買い替え需要が主流となる段階です。

 

競争は一層激しくなっていきます。

 

自社の商品の売上を上げるには、他社のシェアを奪わないといけない段階となります。この段階では商品の機能的な差はほとんどなくなってきています。従って、自社の商品を多く売るには、副次的な要素で差別化を図るようにしていきます。(デザインを良くするなど)

 

衰退期の特徴

売上高と利益が急激に減少する段階です

携帯電話がスマートフォンの登場によって急激に売れなくなったように、多くの場合、消費者ニーズに合致したより使いやすく高性能の代替製品が登場することによって昔の製品は衰退していくことになります。

 

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の各段階におけるマーケティング戦略

プロダクトライフサイクルの各段階の特徴と、マーケティングへの活用は以下のようにまとめることができます。各段階に対応したマーケティングミックスを考える必要があります。

 

プロダクトライフサイクル(製品ライフサイクル)の各段階における特徴・目的・マーケティング戦略

プロダクトライフサイクルの各段階に対応したマーケティング4Pを設定する

 

 

導入期

成長期

成熟期

衰退期

特徴

売上

急成長

ピーク

低下

コスト

平均

利益

マイナス

上昇

低下

顧客

イノベーター

初期採用者

大衆

採用遅滞者

競争者

ほとんどなし

増加

安定

減少

マーケティング目的

知名とトライアル

シェアの最大化

利益最大化とシェア維持

支出削減とブランド収穫

戦略

製品

ベーシック商品

製品拡張、サービス、保証

多様なブランド、モデル、

弱小アイテムカット

価格

コストプラス法

浸透価格

競争者対応

価格切り下げ

広告

初期採用者とディーラーへの知名

大衆への知名と関心喚起

ブランドの差別的優位性の強調

コア顧客維持必要水準まで削減

販促

トライアルを目指し集中実施

消費者需要が大きいため削減

ブランドスイッチを目指し増加

最小限に削減

表の出所 マーケティング戦略(有斐閣アルマ) 和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦著 P262より

 

製品ライフサイクルの各段階のマーケティング目的

製品ライフサイクルの段階に応じて、マーケティングの目的は変わってきます。このことを念頭にマーケティング戦略を考えていくことが重要です。

  • 導入期:知名度アップとトライアル購入           
  • 成長期:市場における自社シェアの最大化
  • 成熟期:利益最大化とシェアの維持(ブランドロイヤルティを高める)
  • 衰退期:支出削減とブランド収穫

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。