日本のGDPの推移とその構成要素
地元新聞に日本のGDPが最悪、年27.8%減という記事が掲載されていました。
ただそうは言われてもGDPって何?と思う方もいるでしょう。
また、どんな構成要素から成り立っているのかわからない方も多いでしょう。
ということで、今回は日本のGDPについて書きたいと思います。
この記事を読むと、GDPの意味や日本のGDPの推移、GDPの構成要素などについてわかるようになります。
Contents
日本のGDPの推移とその構成要素
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。
GDPって何?
- 付加価値の合計で、国内総生産のこと
GDP はGross Domestic Product の略で,日本語では国内総生産といいます。
GDP は、国内で生産されたものの金額を合計して求めますが、「生産されたもの」というのは「生み出された価値」のことで、この生み出された価値のことを「付加価値」と言います。
農家を例にあげます。
果物の種を買ってきて土に植えて育て実になって出荷します。
種は買ってきているので、それにはすでに価値があることになります。
例えば10円で種を買ってきて、果物に育ち110円で売れたとします。
農家の人は自分が働くことによって10円の種に更に100円の付加価値をつけたことになります。
この場合付加価値の合計は110円ということになります。
このように付加価値を合計したものがGDP になります。
名目GDPと実質GDP
- GDPには名目GDPと実質GDPがあります。
名目GDPはその数量に市場価格をかけて生産されたものの価値を算出し、すべてを合計することで求めます。 実質GDPはここから物価の変動による影響を取り除いたものです。
2019年度の日本の実質GDP額
- 日本のGDPは533兆5千億円
2019年度(2019年4月~2020年3月)にかけての日本の実質GDPは533兆4918億円です。
GDPの構成要素
- 8つの要素から構成されます
GDPは支出の面で統計に表されますが、その構成要素は次の8つです。
- 民間最終消費支出(個人消費)
- 民間住宅(住宅建設)
- 民間企業設備(企業の設備投資)
- 民間在庫変動(在庫投資額)
- 政府最終消費支出(公務員の給料など)
- 公的固定資本形成(公共事業など)
- 公的在庫変動(コメの在庫投資など)
- 財貨・サービス純輸出(輸出額から輸入額をマイナスした額)
ただし、公的在庫変動は額が小さいので民間在庫変動に入れてしまい、7つの要素とする場合もあります。
2019年度の日本の実質GDPは以下のようになっています。
- 民間最終消費支出(個人消費)が半分以上を占めます。
2019年度日本の実質GDP

※内閣区のGDP関連のページ https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html の数値をもとに作成しました。
上にも書きましたが、2019年度(2019年4月~2020年3月)にかけての日本の実質GDPは533兆4918億円です。
そして、グラフを見ていただくと一目瞭然、日本は民間最終消費支出(個人消費)がGDPの半分以上を占める内需の国だといえます。
日本ではGDPを増やすには民間最終消費支出を増やす政策を実行するのが、もっとも効果が高いとわかります。
日本のGDPの推移
- 成長率がかなり低い
日本のGDPの推移をグラフにしてみました。
以下のようになります。
日本のGDPの推移

※内閣府のGDP関連のページ https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html の数値をもとに作成しました。
伸びが緩慢で、成長率がかなり低いことがわかります。
2008年~2009年に落ち込んでいますが、ちょうどリーマンショックがあったのがこの年です。
直近では0.2%程度の伸びしかなく、他の先進国と大きな開きがあります。

日本のGDP成長率が低い理由は当ブログ記事「中小企業診断士の視点:日本の失われた30年の本当の理由」にそのヒントがあります。
興味のある方は、お読みください。
まとめ
日本のGDPの推移とその構成要素
付加価値の合計で、国内総生産のこと
構成要素は8つです。
成長率がかなり低いと言えます。 |