中小企業診断士の視点:2020年の日本のGDPの現状

2020年の日本のGDPの現状

GDP最悪 年27.8%減」という見出しで地元新聞に記事が載っていました。

内閣府によると、2020年の日本のGDP(国内総生産)は最悪で、速報値は物価変動を除く実質で前期比7.8%減少ということです。

このペースが1年間続くと仮定した年率換算は27.8%減少となるそうです。

年率換算の数値が新聞の見出しになっているのです。

記事そのものを読んでいくと前期比、年率換算値、寄与度などの数値が混在していて、実体はどうなのかいまいちよくわかりません。

そこで、実際の数値をもとに前期比に絞って計算してみました。

この記事を読むと、2020年の日本のGDPが2019年のGDPと比較してどうなのかわかります。

GDPの個々の構成要素の比較もできます。

関心のある方はご覧ください。

 

2020年の日本のGDPの現状

本記事の内容

  • 4半期ごとのGDP
  • GDP 2019年と2020年との比較
  • 民間設備投資は更に減少するのが確定的
  • この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
  1. KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
  2. 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。

 

4半期ごとのGDP

  • 2020年の4-6月期のGDPは118兆5800億円と130兆円を大きく下回っています

まず、GDPについての基本は当ブログ記事「中小企業診断士の視点:日本のGDPの推移とその構成要素」に書かれています。

興味のある方はご覧ください。

その上で、読んでいただくと理解が深まると思われます。

内閣府の資料をもとに2019年と2020年の4半期ごとに区分されたGDPの表を作成してみました。実質原系列のGDPを元に作表しています。

国内総生産(支出側)実質原系列 (単位:10億円)

※純輸出は輸出から輸入をマイナスした数値です。

2019年のGDPを見ると、どの4半期も130兆円を超えていることがわかります。

また、意外とどの期もGDPそのものは同じような数値が並んでいることもわかります。

しかし、2020年の4-6月期のGDPは118兆5800億円と130兆円を大きく下回っているのがわかります。

民間最終消費支出はこの4半期だけでも前年同期より約8兆減少し、輸出は約5兆円減少していることもわかります。

 

GDP 2019年と2020年との比較

  • 2020年4-6月期のGDPは前年同期比で0.9倍

GDPを2019年と2020年との比較した表を作ってみました。

2019年を基準にした比率となっています。

GDP国内総生産(支出側・実質原系列) 2019年と2020年比較

4-6月のGDPを比較すると、2020年は2019年の0.9倍となっています。

2019年のGDPは約533兆500億円だったので、0.9倍が続くと今年のGDPは480兆円ぐらいになってしまうかもしれません。

2019年より約50兆円GDPが減少するということです。

 

また、1-6月までのGDPの要素ごとでは、民間最終消費支出が前年比0.93、輸出の0.86というのが目立ちます。

民間最終消費支出(個人消費)と輸出の面で何か対策をとる必要があることがわかります。

 

民間設備投資は更に減少するのが確定的

  • 日本政策投資銀行が5.8%減少すると発表

これは別記事ですが、日本政策投資銀行が企業の設備投資計画調査を実施し、大企業の2020年度の国内設備投資額が前年度実績比5.8%減少となると発表しました。

これにより、GDPの10%弱を占める民間企業設備の部門で、GDPを押しあがることはできないことがほぼ確定しました。

5.8%減少となる理由は、新型コロナウイルス感染症の拡大で需要が急減した自動車や航空関連の投資が低迷し、東京オリンピックの集客を見込んでいた不動産投資も一服するからだとしています。

 

まとめ

2020年の日本のGDPの現状

  • 4半期ごとのGDP

2020年の4-6月期のGDPは118兆5800億円と130兆円を大きく下回っています。

  • GDP 2019年と2020年との比較

2020年4-6月期のGDPは前年同期比で0.9倍

  • 民間設備投資は更に減少するのが確定的

日本政策投資銀行が5.8%減少すると発表しました。

  

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。