小売りのアコーディオン理論とは何?

小売りのアコーディオン理論を知っていますか?

マーケティングを勉強していると小売りのアコーディオン理論という考え方が出てきます。

小売りのアコーディオン理論については知らない方もいるかと思います。

そんな方のために、今回は小売りのアコーディオン理論について書くことにします。

小売りのアコーディオン理論とは何?

記事の内容

  • 小売りのアコーディオン理論とは?
  • 小売りのアコーディオン理論の現在は

この記事を読むことで、「小売りのアコーディオン理論」について、わかるようになります。

小売りのアコーディオン理論とは?

  • 小売りのアコーディオン理論は小売業界の発展をアコーディオンの動きになぞらえて、説明する理論のことです

楽器のアコーディオンは伸縮を繰り返すことで演奏をします。小売のアコーディオン理論によると、小売業も伸縮を繰り返しながら発展するとしています。

何を伸縮するのかというと製品ラインです。小売業は製品ライン(品揃えの幅)を広げたり、狭めたりを繰り返して発展をしているという理論です。

品揃えの幅
品揃えついての考え方の詳細は当ブログ「中小企業診断士の視点:マーケティングとマーチャンダイジングの違い」のページ中マーチャンダイジングの部分でも触れています。よろしかったらご覧ください。

アメリカではまず、よろず屋的な店が出現し、その後製品ラインを広げた百貨店が表れ、しばらくすると製品ラインを絞った専門店が表れました。

その後、今度は再び製品ラインを広げた大型百貨店が登場し、成熟すると製品ラインを絞った高級専門店が出現してきました。

これらの発展してきた過程を小売りのアコーディオン理論として説明したのです。

小売りのアコーディオン理論の現在は

  • 仮想店舗でもこの理論は通用しているのでは

小売りのアコーディオン理論によれば、小売業は製品ラインを広げたり、狭めたりを繰り返して発展するいうことですが、それは現在にも当てはまるのか考えてみました。

実店舗については、現在でもその理論はほぼ当てはまっているものと思われます。

インターネット上の仮想店舗で考える

次にインターネット上の仮想店舗についてはどうでしょうか。

代表的なアマゾンでまず考えてみます。

現在まで、製品ラインをどんどん広げてきています。狭めたりはしていません。また、売れ筋の商品だけでなく、従来は商品ラインをかなり絞った専門的にしか置いていなかったような、あまり売れないニッチな製品も扱っています。

WEBマーケティングではこのような商品も扱うことをロングテール戦略と言っています。

製品ラインを広げながら、更にそのラインについても深い品ぞろえを実現しています。

販売士的には小売業の品揃えを「品揃えの幅」と「品揃えの奥行」の2軸で考えていますが、アマゾンは「品揃えの幅」もかなり広く、「品揃えの奥行」もかなり深いことになります。

資金・資本の限界もあることから、この2軸を広げ続けるのは困難と考えられますが、アマゾンはまだ2軸とも拡大しているように見えます。

アコーディオン理論によれば、次の段階として製品ラインを狭めた仮想店舗が登場するはずです。

ここでアマゾンの衣料品について考えてみます。アマゾンは衣料品も扱っています。

だだし、衣料品の分野で圧倒的な優位な地位であるかというと、それは違うように思われます。

他の仮想衣料品店で素人でも目に付くのは、最近話題になったZOZOTOWNです。ZOZOTOWNは衣料品に製品ラインを絞り、様々なブランドを扱うという意味で、奥行の深い品ぞろえを実現しています。また、価格帯もアマゾンと比較すれば、高いと感じます。

全体で見れば、アマゾンの圧倒的な優位は今も続いていますが、仮想店舗においても、一部アコーディオン理論で説明ができる展開が起こっていると私は考えています。

「小売りのアコーディオン理論」に関連して、次のような理論もあります。

興味がある方はお読みください。

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2019年6月3日

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まとめ

小売りのアコーディオン理論とは

  • 小売りのアコーディオン理論は小売業界の発展をアコーディオンの動きになぞらえて、説明する理論

小売業は製品ライン(品揃えの幅)を広げたり、狭めたりを繰り返して発展をしているという理論

  • 小売りのアコーディオン理論の現在

実店舗については、現在でもその理論はほぼ当てはまっていえます。インターネット上の仮想店舗も小売りのアコーディオン理論で説明できる発展形態が一部みられます。

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。