中小企業診断士の妄想:破綻したレナウンには中国資本の影響がある?

破綻したレナウンには中国資本の影響がある?

昨日、経営破綻したレナウンの経営分析をしたのですが、収益性や成長性に問題はあるものの意外に良好な経営状態であったことがわかりました。

詳しくは「大手アパレルレナウンが経営破綻【簡易経営分析しました】」をご覧ください。

安全性に至っては、かなり良い指標の数値が並んでいます。

KAZUTOYOからすると、レナウンはあっさり万歳してしまった印象です。

普通はなんとかしようと、例えば大塚家具のようにいろいろ手を打ち、破綻しないようにいろいろもがくはずです。

また、民事再生法を申請したのは、レナウン本社ではなく子会社の「レナウンエージェンシ―」であることも不思議に思いました。

自社ではなく、なんで子会社が申請するだろうと思いました。

なんとなくもやもやしていました。

ということで、今回は破綻したレナウンについてちょっと時系列で調べてみたことを書いていきたいと思います。

KAZUTOYOの妄想も書きますが、あくまで妄想です。

破綻したレナウンには中国資本の影響がある?

本記事の内容

  • 時系列で見たレナウンの出来事

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

  1. KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
  2.  中小企業診断士としての活動歴10年以上の経験があります。

 

①2010年 中国の「山東如意」と資本業務提携

  • 中国資本の子会社になります

2010年にレナウンは中国の繊維大手「山東如意」と資本業務提携し、その後子会社となります。

しかし当初構想していたシナジー効果が得られず、主力販路である百貨店の低迷とともに苦戦が続くことになります。

また、レナウンは山東如意のサポートを受けて何度か中国出店に乗り出したものの、商習慣や嗜好性の違いからうまくいかず、あえなく撤退となります。

KAZUTOYOの妄想
弱ったところに手を差し伸べて、入り込んでいく手法は中国企業の得意技?

 

②2018年 事業年度を親会社の山東如意に統一

  • 事業年度を変更

レナウンの事業年度は毎年3月1日から翌年2月末日だったのですが、親会社である山東如意科技集団有限公司と決算期を統一することにします。

目的は経営計画の策定や業績管理など経営及び事業運営の効率化を推進することです。

レナウンも事業年度を毎年1月1日から12月31 日に変更します。

KAZUTOYOの妄想
親会社の計画をちゃくちゃく進めているような気がします。

 

③2019年の決算は大赤字

  • 67億円の純損失

2019年12月期連結業績(決算期変更に伴う10カ月の変則決算)は、売上高が502億円、営業損益が79億円の赤字、純損益が67億円の赤字でした。

近年の営業損益は本業のアパレル低迷によって、わずかな黒字と赤字を行ったり来たりする状況が続いていましたが、67億円もの多額の最終赤字はレナウンでは初めてのことです。

直接の原因は恒成国際発展有限公司の売掛金約53億円の未回収によって貸倒引当金を計上したためです。

 

恒成国際発展有限公司とは

恒成国際は山東如意の子会社で香港にあります。

レナウンは世界中から仕入れた羊毛や綿花を恒成国際に販売し、恒成国際はそれを中国のアパレルなどの取引先に収めるビジネスを行っています。

KAZUTOYOの妄想

恒成国際発展」って「山東如意」の子会社なんだね。レナウンも「山東如意」の子会社だから、いとこのような関係だよね。それでも払ってくれないのか。

それにしても、53億円の売掛金って1回や2回の取引ではないよね。ずっと何年も継続的に掛けで売ってきていて、それが積もり積もって53億円になったのではないかな。

 

親会社が約束を守らない

恒成国際に支払い能力がなければ、親会社の山東如意が肩代わりする取り決めになっていたそうです。それも実行されていないということです。

KAZUTOYO
日本の会社は約束を守るのが常識で、相手もそうだと考えてしまいますが、日本の常識はよそでは通用しないということですね。

親会社が約束を守ってくれないなんて、信じられません。

 

④2020年3月レナウン社長神保氏は売掛金問題は解決できると説明

当時レナウンの社長であった神保佳幸氏は、今年3月2日の会見で53億円の売掛金問題は「必ず解決できる」と説明しています。

当社には山東如意から取締役も入っており、3月26日の取締役会の中で解決できると見ている」と言っています。

KAZUTOYOの妄想
親会社の山東如意としては、この頃にはもう踏み倒すことに決めているような気がします。

 

⑤2020年3月26日神保佳幸氏社長解任

  • 動議によって、社長解任です

3月26日に行われたレナウンの株主総会で、親会社の中国・山東如意科技集団からの動議によって社長の神保氏と会長の北畑稔氏の続投が否決されるという異例の事態になります。

神保氏は社長就任1年足らずで親会社から切られたのです。

 

この結果神保氏が相談役に、会長の北畑氏が顧問に退き、取締役上席執行役員だった毛利氏の社長に昇格する人事が決まりました。

株式の53%を持つ山東如意の邱亜夫(チウ・ヤーフ)董事長が、北畑氏に代わって会長に就くことになります。これでレナウン=山東如意 ということになりました。

KAZUTOYOの妄想

もはや既定路線のような気がします。意向にそわない日本人は排除し、言うことを聞く人だけ残す。神保氏は何とか53億円の売掛金を回収しようと努力していたのですが、それが親会社にとってはうるさい奴だと映ったのでしょう。

これで名前だけは日本の企業ですが中身は立派な中国企業の出来上がりです。

 

⑥2020年5月レナウン民事再生法申請で破綻

  • 上場企業で今年初の破綻

不思議なことに子会社のレナウンエージェンシーによって民事再生法の申請が行われました。

上場廃止となります。負債総額は138億7900万円です。

KAZUTOYO
民事再生法で経営陣はそのまま残れるし、債務は免除。レナウンの名は残せる。

さすが中国企業はしたたかだなあ。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。