中小企業診断士の視点:規模の経済、範囲の経済とは?

規模の経済、範囲の経済とは?

中小企業診断士の勉強をしていると、規模の経済、範囲の経済という言葉を勉強します。

今回は規模の経済、範囲の経済について、簡単に復習をしていきます。

 

昔は、規模の経済で産業が発達してきました、今は範囲の経済で利益を出していかないとならない時代になっています。

 

この記事を読むと規模の経済、範囲の経済についてわかるようになります。

 

中小企業診断士の視点:規模の経済、範囲の経済とは?

記事の内容

  • 規模の経済とは
  • 範囲の経済とは

この記事は、中小企業診断士で1級販売士のKAZUTOYOが書いています。

 

規模の経済

  • 同じものをたくさん作って儲けよう

規模の経済は、少ない種類の製品を大量に生産・販売することにより費用を割安にして収益を増大させることをいいます。

少ない種類の製品を大量に製造するのですから、材料や部品も少ない種類のものを大量に仕入れることになります。

 

単位当たりの仕入価格が下がることになります。その結果仕入費用が割安になります。また、装置産業が典型的ですが、生産設備も稼働率を高くすることができ、生産にともなう費用も低く抑えることができます。

 

人件費についても、大量に生産することで効率化でき、生産単位あたりの費用を低く抑えることができます。

 

昔は、石油精製のような単純な大量生産による規模の利益を志向してきました。次の段階として上で述べた装置産業に見られるように、ある製品を専用の生産設備で大量生産することで製造にかかる費用を下げるという方法で規模の利益を実現してきました。

最近では単なる生産設備ではなく、技術革新を伴った設備投資により、生産に関わる費用を下げる規模の利益に主眼がおかれるようになっています。大企業の電子部品のICが良い例です。

 

範囲の経済

  • 多種の製品を作って儲けよう

多種の製品を1つの企業が同時に生産・販売することにより、少ない種類の製品を大量に生産・販売するよりも収益を増大させることを範囲の経済といいます。

規模の経済は少ない種類の製品を大量に生産・販売することにより費用を割安にして収益を増大させることをいうので、それとは反対の考え方です。

 

それは、時代が変化し、そのようなことが要求されるようになってきたことが背景にあります。

 

かつては多くのメーカーが規模の経済を追求していたのですが、現在は多角化などによる範囲の経済が重要視されるようになったのです。

 

  • 範囲の経済は以下の方法で実現できます。
  1. 1つの生産ラインで、製造用部品や材料を入れ換えたりするだけで複数の製品をつくります。すると全体としては製造にかかる費用が安くなります。
  2. 同じ材料、中間製品、廃材などを有効に利用します。

これらの方法を採用することで収益が上がります。

 

  • 範囲の経済の効果

複数の製品を作ることで消費者ニーズの多様化や高度化に対応できるようになり、市場に受け入れられやすくなります。

 

  • 中小企業にも適している

生産設備や装置に依存する大企業よりも、中小企業ほうが多品種少量生産に適している面があります。

ということは、中小企業でも範囲の経済が適用できることになります。

 

まとめ

  • 規模の経済

規模の経済は、少ない種類の製品を大量に生産・販売することにより費用を割安にして収益を増大させることをいいます。

  • 範囲の経済

多種の製品を1つの企業が同時に生産・販売することにより、少ない種類の製品を大量に生産・販売するよりも収益を増大させることを範囲の経済といいます。

中小企業にも適している面があります

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。