中小企業診断士ってどんな仕事をしてるの?
「中小企業診断士ってどんな仕事をしてるの?Ⅱ」で商工調停士のことについて書きました。
商工調停士といってもやっていることは、中小企業者の相談業務という内容でしたが、わかりづらい部分もあるかもしれないので、もう少し詳しく書いてみたいと思います。
この記事を読むことで、中小企業診断士が商工会議所で行っている商工調停士の仕事の内容がわかるようになります。
Contents
中小企業診断士ってどんな仕事をしてるの?Ⅲ
- 商工調停士の仕事の概要(3つあります)
- 商工調停士の仕事内容(3つあります)
ある商工会議所の商工調停士を努めて、もう10年程度経ちます。その経験を踏まえてこの記事を書いています。
商工調停士の仕事の概要
①どんな機関で行う仕事なのか? ②対象者は誰か? ③仕事の流れ |
①どんな機関が行う仕事なのか?
- 各市にある商工会議所で行っています
前提として、商工会議所には経営安定特別相談室(室といっても制度・事業の名称です)とか経営特別相談事業というものが制度としてあります。
経営安定特別相談室では『中小企業の倒産に係る諸問題の円滑な解決のための相談・指導』を行っています。その責任者が「商工調停士」です。
商工会議所と商工会はよく混同されますが、違う組織です。商工会議所は各市にひとつずつある中小企業支援組織です。
各県に商工会議所連合会があり、そこが各市の商工会議所の上部組織です。でも各市の商工会議所は独立性が高い組織となっています。
商工会は、多くは昔の町村ごとに設置されていた中小企業支援組織です。商工会は各県ごとに〇〇県商工会連合会あり、そこが束ねています。
②対象者は誰か
- 中小企業者が対象
対象は商工会議所の会員になっている中小企業者で、業種を問いません。中小企業者が自ら商工会議所に経営相談をしに行って案件が発生したり、もしくは商工会議所の職員が、会員事業所を訪問した際に、案件が発生することになります。
商工会議所の職員が中小企業診断士が関わったほうが良いと判断したときに、商工調停士である中小企業診断士が関わることになります。
③仕事の流れ
- 商工会議所の担当者からの連絡ではじまる
中小企業者の相談案件が発生し、商工会議所の担当者が中小企業診断士が関わったほうが良いと判断した場合に、担当者は中小企業診断士に連絡をします。
スケジュールを調整し、後日中小企業者の事業所に訪問し、話を伺って改善策を練る、ということになります。
中小企業者への訪問には、商工会議所の職員も同行します。
商工調停士の仕事内容
①商工会議所で事前ミーティング ②中小企業者への相談対応 ③報告書作成 |
①商工会議所で事前ミーティング
- 商工会議所に出向き、簡単なミーティングを行う
中小企業者への相談日になると、商工会議所に行って、商工会議所の担当者から相談案件の概要を再度聞きます。その際、必要に応じて決算書などの資料を確認することもあります。
また、込み入った案件の際には、資料を前もってメール等でもらうこともあります。
その後、担当者といっしょに中小企業者の事業所に出向きます。
②中小企業者への相談対応
- 中小企業者から話を伺い、改善策を考え、アドバイスします
商工会議所の職員といっしょに中小企業者から話を聞いていきます。実際に現場を見たほうが良い場合は、中小企業者の仕事現場の視察も行います。
ヒアリングを重ねつつ、問題点を洗い出し、改善策を考えていきます。
中小企業者ができそうなことをアドバイスしていきます。
訪問の時間は2~3時間程度です。
相談内容により、1回の相談で話が終わらないこともあり、その場合は再訪問することもあります。
③報告書作成
- 報告を作成し、商工会議所に送付します
商工会議所や商工会で何か仕事をした場合、その報告書の作成が必要になります。書式・様式はその組織ごとに決まっている場合が多いです。
あらかじめ、メールで書式を商工会議所が送付してくれますので、その書式にそってパソコンで相談内容の報告書を作成し、できるだけ早く返信します。私は、一週間以内には返信するようにしています。報告書を返信して、これで業務は終了となります。
報酬が気になる方もいるかと思いますが、中小企業者への相談対応時間で決まります。1時間1万円程度です。
事前のミーティングの時間や、報告書作成の時間は報酬にはなりません。
中小企業診断士ってどんな仕事をしてるの?Ⅲのまとめ
商工調停士の仕事の概要
依頼→事前ミーティング→中小企業者相談対応→報告書作成・送付 の流れとなります。 報酬は、1時間1万円程度です。 |