売り場経験で感じたパナソニック成功の秘訣
国内の家電メーカーは、現在海外勢に押されている状況です。
パナソニックも苦しい立場にあるのですが、なんとか踏ん張っているようです。
KAZUTOYOは過去に、家電量販店で家電販売に従事していました。
今回はその経験を踏まえ、家電メーカーの商品戦略について書きたいと思います。
この記事を読むと、KAZUTOYOが感じたパナソニックの戦略についてわかるようになります。
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この記事は、元家電量販店店員の中小企業診断士、一級販売士のKAZUTOYOが経験を元に書いています。
シャープ、ソニーの商品戦略
- 両社とも独自の商品作りが特徴
シャープ
シャープは家電メーカーの中では、一流というイメージはなかったのですが、独自な技術があり特徴のある商品を作っていました。
パソコンでは、NECや富士通と並んで人気のある商品を作っていました。
特にわりと高額のX68000シリーズは、パソコンに詳しい若いマニア層にはコアな人気がありました。
その他、電子手帳やポケットコンピュータも人気がありました。
また、映像機器では日本で初めて液晶モニターを採用したビデカメラ、液晶テレビ、シロもの家電ではウォターレンジヘルシオ、両開き冷蔵庫など、独自な技術が光る特徴ある製品を多く作っていたメーカーです。
最近の「お茶プレッソ」なども特徴ある商品です。
他社にない製品を先駆けて作ることにシャープの特徴があったと感じています。
ソニー
ソニーは、映像音響の専門メーカーで、やはり独自の技術が売りのメーカーです。
KAZUTOYOが高校生の頃に買ってもらったステレオもソニー製でした。
後年、ウォークマンの登場には衝撃を受けたものです。
家電量販店に入ってみて、世間にはソニーファン、ソニー信者がいて、映像音響製品はソニーで揃えている人も多くいることがわかりました。
テレビがブラウン管であった時代には、ソニーのテレビは確かに鮮やかでくっきり画像を実現していて、他社と比べるとやはり違いがわかりました。人気もありました。
ただ、同じ型の他社の製品よりも重量が重かったため、配達する人は大変だったと思います。
パナソニックの商品戦略
- 画期的な商品はない
パナソニックの商品で、独自な商品、画期的な商品というのはあまりなかったような気がします。
ただ、音響ブランドであるテクニクスのブランドイメージは高かったと思います。音響ブランドのテクニクスはいつの間にかパナソニックブランドに集約されていきますが、レコードプレーヤーに関しては、テクニクスブランドをつけて今でも販売しています。
- パナソニックの商品作りに関しては以下のような感想を持っています
- とりあえず作ってみるのではなく、売れる見込みのある商品をつくる。
- 購入後不満がおこらないような商品を作る
- 壊れにくい商品を作る
1に関しては、手堅い商品を作るメーカーといえますが、面白みがあまりないメーカーということにもなります。この辺はシャープと違います。シャープはけっこう冒険して商品を作るイメージがあります。画期的な商品もこうした冒険の結果だと思います。
2に関しては、他社の商品をよく研究して作っているというイメージがあります。でも一回購入すると、意外と良いとわかるので、次もパナソニックを購入しようということになるのです。
3に関して、反対に思い浮かぶのはソニーです。ソニーは良く壊れるという印象がありました。ソニーはメカニック的に凝った商品が多かったこともその理由だと思っています。
パナソニックは壊れやすいという印象がなかったメーカーでした。
ゲーム機発売でで大失敗
1994年にパナソニックは、「3DO REAL」という5万円ぐらいするゲーム機を発売しました。
ゲーム機としては価格が高いとは思いましたが、商品的には良いものだと思いました。
メーカーではかなり力を入れて販促をしていました。
お金をかけたと思われる専用の展示台も、メーカーから提供されました。
量販店のような店には全店提供したはずですから、相当販促費がかかったと思います。
でもたいして売れもせず、終わりました。
パナソニックとしては、画期的な商品だったのですが失敗に終わったということです。
誰が責任とったのか心配になります。
その半年後に、ソニーがプレイステーションを発売して、こっちは大人気になりましたから、それと比べると本当に対照的な話です。
マーケティングがうまかったパナソニック
- マーケティングがうまく扱いやすい商品作りが特徴
では、パナソニックの何がよかったかというと、マーケティングではないでしょうか。
他社の商品を研究して商品を作っていた、というのもマーケティングの結果です。
また、画期的というわけではないのですが、わかりやすく扱いやすい商品を作っていた印象があります。
これもマーケティングの結果です。
- KAZUTOYOがパソコンOAフロアーを担当していた時の話です。
その頃は、ワードプレッサーが人気でした。ワードプロセッサーというのは、文書作り専用の機械です。形は今のノートパソコンに似ています。
当時、各社からいろいろなワードプロセッサが発売されていました。
- NECは文豪ブランド
- 東芝はルポブランド
- 富士通はオアシスブランド
- シャープが書院ブランド
- パナソニックがスララブランド という具合です。
その中で、一番使いやすいと感じたのがパナソニックのワープロです。
詳しい説明書を読まなくても、なんとなく操作できるような商品でした。
操作する人にとって、扱いやすい商品でした。画期的な商品でないですが、お客様にはお勧めしていました。
扱いやすい商品作りはお客様の視点です。これもマーケティングといえいます。
- 珈琲メーカーを購入した話
また、KAZUTOYOはパナソニックのコーヒーメーカーをずいぶん昔購入しました。
購入のきっかけは、パナソニックのこのページを見たからです。
※https://panasonic.co.jp/ism/idea/09/のページを切り抜き
ずいぶん昔の話なのに、まだページが残っていて驚きました。
このページを読んでいて、欲しくなったので購入したのです。
これもマーケティングです。
- 水戸黄門のスポンサー
テレビでは、視聴率の高かった「水戸黄門」のスポンサーに長い間なっていました。これにより、ブランドイメージの向上と定着につながったのだと思います。
これもマーケティングです。
まとめ
独自の商品作りが特徴
とりあえず作ってみるのではなく、売れる見込みのある商品をつくる。 購入後不満が起きないような商品を作る
マーケティングがうまく扱いやすい商品作りが特徴と感じます。 |