5GでNTTとNECが提携
NTTとNFCが5G移動通信システムなどの技術開発で資本業務提携すると発表しました。
今回は、5GでNTTとNECが提携するという話です。
この記事を読むと、NTTとNECが提携する理由、5Gをめぐる競争関係はどうなっているのかわかります。
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5GでNTTとNECが提携
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴も10年以上です。
- アマチュア無線2級を取得していて、電波についての知識も多少あります。
5Gとは何?
- 5Gとは「第5世代移動通信システム」を意味し、高速・大容量、低遅延、多接続を可能にします。
まず4Gや5GのGですが、これはGeneration(世代)の頭文字のGです。
5Gは5世代ということです。
スマホでLTEというのもよく聞きますが、LTEは4Gから5Gへの橋渡し的な規格でLong Term Evolution(長期的進化)の頭文字を取った略称です。実質4GとLTEは同じものとして考えても良いようです。
そして、今よく使われている4Gは、50Mbps~1Gbpsの通信速度です。
5Gは4Gに比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍となっています。
5Gの特徴は高速・大容量、低遅延、多接続ですが、もう少しわかりやすくいうと以下のようになります。
5Gの特徴
- 通信速度が今の20倍~100倍になる
- 多くの機器との同時接続が可能となる
- ギガが使い放題になるかもしれない
- 通信速度が速くなることでバッテリーも長持ちする
- 長い映画も数秒でダウンロードできる
- タイムラグも10分の1になる
車の自動運転なども、5Gにならないと難しいとされています。僅かなタイムラグ許されないからです。5Gになると実証実験も進展するはずです。
また、5Gは最近では効率的なエネルギー利用を可能にするスマートシティにも必要とされています。
5Gは今年3月にNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクがサービスを開始しています。
ビルの屋上などに設置する基地局はNTTドコモはNEC製などを採用しています。
NTTとNECの提携内容
- NTTがNECに出資
今回の提携は資本業務提携です。
NTTがNECの第三者割当増資を引き受け、約644億円出資します。
新型コロナウイルス収束後に世界ではデジタル化が大きく進むと考えられ、NECは調達した資金を5Gなど2030年頃までに進める次世代の技術開発に充てるとしています。
具体的には、5G基地局で使われる利便性の高い通信機器の開発への取組み、さらに両社の光・無線の技術を組み合わせて5Gの次世代規格となる6Gなどへの技術活用を目指します。
5Gをめぐる環境はどうなっているのか?
- 日本は遅れをとっている
5Gの競争では、日本勢は劣勢です。
5G通信に関する重要な技術の特許数では、中国・韓国、欧米の企業が上位に来ています。
また、世界での基地局の市場シェアも中国のファーウェイやエリクソン、ノキアの欧州勢が7割超を占めていて、NECや富士通は1%未満と大きく引き離されています。
1990年代初頭に日本ではバブルが崩壊し、それまでは日本の企業は好調だったのですが、それ以降の30年はずっと低空飛行を続け、ついにここまで落ちてきてしまったのです。
一つの製品をとってみてもそれはいえます。
例えばスマホなどでも、日本メーカー製のスマホはコストパファーマンスにおいて海外製品より劣ります。
日本の競争力がいかに落ちているのかわかります。
NTTとNECの連携を決めた理由
- 1社だと戦えない
今回の提携で、両者の社長は次のように言っています。
- NTT澤田社長「日本初の革新的な技術をグローバルに展開する」
- NEC新野社長「30年に基地局の世界シェアの20%をとっていきたい」
ただ、客観的に見れば、日本はこの市場で明らかに劣勢です。
先ほども書きましたが、特許数も少なく、市場シェアもごく小さいのです。
世界シェアの20%をとっていきたい、などというのも20%でさえ大きな目標と考えているために口からでたものと思います。
連携しないと、とても上位の企業とは競争はできないということでしょう。1社では勝負にならないのです。
国内においてはトップの2社ですが、世界の視点ではそうではないということです。
セキュリティ面
アメリカがセキュリティ面のリスクから、中国のファーウェイ製品を排除しています。
これは企業や個人レベルの話だけでなく、国家にも影響してきます。
日本の軍需製品を製造するメーカーがサイバー攻撃を受けた、というニュースは時々耳にします。
日本の安全保障やセキュリティ面を考えると、通信技術を自前で確保することは重要です。
なんでもかんでも輸入で済ませるわけにはいきません。
NTTとNECの今後の方向性
- 国内メーカーの連携がカギ
ファーウェイやヨーロッパの企業は基地局から通信ネットワークまでを1社単独で提供する方式で市場を拡大してきました。
ですが、日本では1社単独では世界と戦うことは困難です。
NTTとNECは他のメーカーや企業も巻き込んで、連携して世界に対抗していこうとしています。
仲間になる企業がどれだけ集まってくるかが今後のカギとなりそうです。
まとめ
5GでNTTとNECが提携
5Gとは「第5世代移動通信システム」を意味し、高速・大容量、低遅延、多接続を可能にします。
NTTがNECに出資し、資本業務提携をします。
5Gの競争では、日本勢は劣勢です。
1社だと戦えないからです
国内メーカーの連携がカギとなります。 |