変な中小企業診断士の視点:握手券商法はだめなのか?

握手券商法はダメなの?

握手券商法というのがあります。アイドルのCDを購入したら、アイドルと握手できるという商売のやり方です。

 

CDを購入して音楽を聴くことよりも、アイドルと握手できることが目的となり、一人の人が同じCDを何枚何十枚も、いやそれ以上購入するようになり、果たしてそれが商売といえるのか、という論議もされています。

 

そのことについてちょっと考えてみました。

 

変な中小企業診断士の視点として、ご容赦ください。

 

この記事を読むと、変な中小企業診断士の握手券商法の視点がわかります。

 

変な中小企業診断士の視点:握手券商法はだめなのか?

記事の内容

  • 握手券商法のメリット(3つあります)
  • 握手券商法のデメリット(3つあります)

握手券商法のメリット

①演者の頑張りが評価される

②CDが売れない世の中なのにCDが売れる

③CD制作関連業界が儲かる

①演者の頑張りが評価される

  • 演者の頑張りがCDの売上を左右する

今までは、楽曲が良ければその音楽を聴きたいということで、多くの人がCDを購入するということになり、その結果ヒット曲になるというのが、普通だと思っていました。ですが握手券商法はその常識を覆しました。

 

楽曲は並みでも、好きなアイドルと握手をするためにCDを購入するということになったのです。

 

CDの購入目的が、音楽を聴きたいことから好きなアイドルと握手をしたい、というように変わったのです。

 

ここでアイドル(演者)の頑張りが評価されるようになりました。アイドルの頑張り次第でCDの売れ行きが変わってくるからです。

 

ファンの数がCDの売れ行きに大きく左右するようになりました。

 

ファンが多いアイドルはCDを多く売れるということになります。グループアイドルは自分の歌・ダンスのスキルを高め、ファン対応を良くすると、自分のファンが増え、CDも売れるということになります。

楽曲提供者の能力よりもアイドル個々のファン獲得能力がCDの売れ行きに直結することになります。

 

つまり、演者の頑張りがCDの売上を左右するようになったのです。

 

②CDが売れない世の中なのにCDが売れる

  • 配信サービスが主流となっているのにCDが売れる

音楽を購入する際、最近は機器をインターネットに接続した上で、データの形でダウンロードする、というのが主流となりつつあります。

 

CDを購入することは少なくなっているはずです。

 

ですが、握手券商法では、CD購入数がアイドルとの握手回数になるため、CDが大量に売れることになります。

 

CDが売れない世の中なのにCDが売れることになります。

これは、特に悪いこととは言えないと思います。

 

③CD制作関連業界が儲かる

  • CD制作から販売に関わる事業者が儲かる

CDが多く売れると、CD制作に関わる業者、流通業者など関与している業者は全て利益の配分にあずかことになります。それ自体は悪いことだとはいえません。WIN-WINの関係になるからです。

 

握手券商法のデメリット

①資源の無駄遣い

②勘違いするファン

③ヒットしなくても枚数ははける

①資源の無駄遣い

  • ほとんど廃棄することになる

少数のファンが個々に同じCDを大量に購入することになり、ほとんどは廃棄することになります。資源の無駄遣いということも言えます。

資源は限られているから有効に使わないといけないという考え方からすると良いとは言えません。ですが、私は結構その考え方を疑っています。

 

良い例が石油枯渇説です。子供の時から、石油はそのうちなくなるとよく言われてきましたが、現在もなくなっていません。

 

一方、経済面で考えると、お金がいろいろな事業者間をそれぞれ利益を出しながら循環していくので、経済的にはかなり役立っていると言えます。

 

②勘違いするファン

  • 勘違いするファンもいる

アイドルはファンを獲得するために、握手会などのときにはファンには良い対応をするのが普通です。でもそれはビジネスとしてやっている面もあるのです。

 

それをわからないで、ストーカーになってしまうファンもいるようです。

まあ、ある意味しようがないと思います。

昔も今もアイドル稼業とはそういうものです。

 

③ヒットしなくても枚数ははける

  • 多く売れる=ヒット曲ではない

昔は大ヒット曲というと、本当に誰しも知っている曲でしたが、最近はそうでもありません。昔は50万枚以上売れたような曲は大体聴いたことがある曲でしたが、今はそうではありません。

 

少数の人が大量に購入しているために、枚数こそ売れていますが、知らない曲も多いのです。多く売れればヒット曲というのは昔の話で、今は多く売れてもヒットしていない曲も多いのです。

 

多く売れるのは、アイドル(演者)が頑張って自分のファンにCDを買ってもらっているおかげです。

 

昔は立場的には

楽曲提供者>>>演者 だったと思いますが、

 

今は、商売的には

演者(アイドル)>>>楽曲提供者 の立場になっていると思っています。

 

また、「ヒットしなくても枚数ははける」をデメリットにしていますが、必ずしもそれが、悪であるとは私は思いません。

 

まとめ

握手券商法のメリット

  • 演者の頑張りが評価される

演者の頑張りがCDの売上を左右する

  • CDが売れない世の中なのにCDが売れる

配信サービスが主流となっているのにCDが売れる

  • CD制作関連業界が儲かる

CD制作から販売に関わる事業者が儲かる

 

握手券商法のデメリット

  • 資源の無駄遣い

ほとんど廃棄することになる

  • 勘違いするファン

勘違いするファンもいる

  • ヒットしなくても枚数ははける

多く売れる=ヒット曲ではない

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。