石炭による火力発電が以外と多い
先日、梶山経済産業省大臣が、二酸化炭素を多く輩出する非効率な石炭火力発電所100基程度について、2030年度までに、段階的に休廃止することを表明しました。
このニュースを聞いたとき、「あれ、石炭ってまだ使われてるんだ」とちょっと驚きました。
恥ずかしながら、KAZUTOYOはいまだに火力発電の燃料として石炭をこれほど多く使っているとは思っていませんでした。
火力発電といえば、石油や液化天然ガスを使っていると勝手に考えていたのです。
あれだけ、地球温暖化とかCO₂削減だとか、いままで大騒ぎしていたのに、いまだに石炭を使っているとは想像だにしていませんでした。
それとも、これはKAZUTOYOだけの話で、多くの人は知っていたのでしょうか。
石炭というのは、今では蒸気機関車ぐらいでしか利用価値がなくて、古き良き時代の燃料だと思っていました。
蒸気機関車で利用する程度の量なら社会的にも許容されると思っていたのです。
ということで、今回は石炭での火力発電の話です。
この記事を読むと、日本ではいまだに火力発電の重要な燃料として石炭が多く使われていることがわかります。
Contents
石炭による火力発電が以外と多い
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが地元新聞記事を参考に書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(パソコン売り場も担当)として10年以上の経験があります。
- パソコン売り場にいたこともあり、IT関連の知識も多少あります。
- 中小企業診断士としての活動歴も10年以上です。
日本全体の発電の構成比
- 石炭火力が30%超
日本の電源構成の現状は以下のようになります。
2018年度の日本の電力構成
※地元新聞記事を参考にKAZUTOYOが作成(LPGは液化天然ガスのこと)
日本の電力は約75%以上が、火力発電によってまかなわれていることがわかります。
そして石炭火力は全体の30%以上を占めていて、重要な電力源となっています。
いままで、地球温暖化とかCO₂削減とかさんざん騒いできたのに、どうしたのでしょうか。
たぶんものすごい量のCO₂を出す発電所のことは、いままでマスコミなどで騒がれることはなかったように思います。
また、再生可能エネルギーが以外と多いとも感じました。
水力発電について
上のグラフを作ったあと、地元新聞記事のデータには水力発電がないことに気がつきました。
「変だな」と思い、ネットをググってみると次のように細かい部分までわかるグラフを見つけました。
参考のために貼り付けておきます。地元新聞記事では水力発電は再生可能エネルギーに含めているらしいことがわかります。
日本全体の電源構成(2018年)
出所:https://www.isep.or.jp/archives/library/11784(NPO法人 環境エネルギー政策研究所 のページより)
- 地元新聞記事ではなぜ水力発電を省いたのか?
なんとなく意図がわかるような気がしました。
印象操作ではないかと思います。
少しでも再生可能エネルギーによる発電の割合を増やしたかったからでしょう。
正直に細かく書くと、太陽光発電や風力発電がしょぼいことがわかってしまいます。
そのように思われることを避けたかったのだと思います。水力発電を再生可能エネルギーに含めることで、再生可能エネルギーが以外と多いという印象を読者に与えたかったのだと思います。
地元新聞も偏向していると感じました。
電力会社ごとの石炭火力の割合
- 電力の50%以上を石炭火力でまかっている発電所もある
次に、日本の発電所ごとに電力量に占める石炭火力の割合と石炭火力発電所の数(基)について見ると以下のようになります。
2018年度の発電電力量に占める石炭火力の割合
会社名 | 割合 | 数(基) |
北海道電力 | 52% | 7基 |
東北電力 | 37% | 5基 |
JERA(東京電力と中部電力の火力事業を統合 | 20% | 11基 |
北陸電力 | 50% | 6基 |
関西電力 | 10% | 2基 |
中国電力 | 47% | 6基 |
四国電力 | 48% | 3基 |
九州電力 | 25% | 5基 |
沖縄電力 | 60% | 4基 |
電源開発 | 非公表 | 14基 |
※地元新聞記事を参考にKAZUTOYOが作成
割合から見ると、石炭での火力発電は、今でも日本になくてはならないものと言えます。
石炭利用のメリット
- コストが低く電力を安定供給できる
電力会社が石炭を利用するのは、安価な資源だからです。電気料金も低く抑えることができます。
今後、石炭発電所を休廃止するとなると、石炭依存の大きい電力会社ほど影響を受けることになります。
電気料金の値上げにつながり、それは一般家庭だけでなく産業界にも影響を与えることになります。
また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー利用による発電は天候に左右され、電気の安定供給という面では弱点を抱えています。
これに比べて、石炭火力発電は電気を安定供給できるため、産業界でも安心して利用できるのです。
また、風力や太陽光などは蓄電することができれば良いのですが、できなくはないようですが、そのコストはまだまだ高いというのが現状です。どうしてもやるとなると政府の援助がなければ、高い電気料金を払わないといけないのです。
世界の流れ
- 流れは「脱炭素」
世界の流れは「脱炭素」です。
世界では、地球温暖化対策の枠組みである「パリ協定」に基づき、温室効果ガス排出抑制の動きが進んでいます。
地球環境に配慮するという考え方で世界は動いているのです。
その流れに日本だけ逆らうことはなかなかできません。
原発も止めているし、今後どうやっていくのか難しい問題です。
まとめ
日本では石炭による火力発電が以外と多い
石炭火力が全体の30%超となっています。
電力の50%以上を石炭火力でまかっている発電所もあります。
コストが低いことと、電力の安定供給に便利なことです。
流れは「脱炭素」です。 |