中小企業診断士の視点:上場企業が大不振(2020年1月~3月業績)

上場企業が大不振(2020年1月~3月業績)

2020年1月~3月にかけて上場企業の業績をSMBC日興証券が集計した結果がわかりました。

大不振だったようです。

昨年10月の費増税と新型コロナウイルス感染症拡大のダブルパンチの影響が原因と考えられます。

今回は、2020年1月~3月にかけて上場企業の業績が大不振であったという話です。

疑問に思う人
上場企業の業績が悪かったの?
KAZUTOYO
そうです。東日本大震災を上回る不振だったようです。

この記事を読むと、2020年1月~3月にかけて上場企業の業績がどの程度振るわなかったのかわかります。

 

上場企業が大不振(2020年1月~3月業績)

本記事の内容

  • 集計した事業者
  • 上場企業の1月~3月にかけての純損益合計
  • 業績不振の度合い
  • 製造業・非製造業に分けると
  • 不振が目立つ会社はどこ

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

  • 中小企業診断士として10年以上の中小企業支援の経験があります。

 

集計した事業者

  • SMBC日興証券

集計したのはSMBC日興証券です。東証市場に上場している3月期決算の上場企業で、5月末までに号業績を開示した1428社が対象となっています。東証市場に上場している96.7%に当たります。

 

調査内容

SMBC日興証券では、3月期決算の上場企業の2020年1月~3月にかけての四半期(一年を3ヵ月ごとに4等分した期間)の純損益合計を集計しました。

 

上場企業の1月~3月にかけての純損益合計

  • 1兆473億円の赤字

3月期決算の上場企業の2020年1月~3月にかけての四半期の純損益合計は、1兆473億円の赤字になったことがわかりました。

全33業種のうち、自動車産業など輸送用機器など15業種が赤字になっています。

昨年4月からの1年通期で見ると、純利益合計は前期比27.2%の大幅減少となっています。

 

業績不振の度合い

  • 東日本大震災を上回るが、リーマンショック時よりはまし

今回の不振を過去の事例と比較すると、東日本大震災を上回ることがわかりました。

東日本大震災が起きた2011年1月~3月期の赤字額合計は約5千億円だったらからです。

最も赤字額が大きかったのは、リーマンショック後の2009年で、この時の1月~3月にかけての赤字額合計は約8兆5千億でした。

 

製造業・非製造業に分けると

  • 製造業では輸送機器や鉄鋼、石油が赤字

製造業

製造業では、自動車を含む輸送機器や鉄鋼、石油が赤字になっています。

工場停止などが影響しました。

電機や化学は大幅な減益です。

 

非製造業

非製造業では陸上運送、航空運送、情報通信、小売りなどで純損益がマイナスとなっています。

移動制限や外出自粛が影響しました。

 

不振が目立つ会社はどこ

  • ソフトバンクグループと日産自動車

ソフトバンクと日産自動車の不振が目立ちました。

2020年3月の通期の最終損益でソフトバンクグループは9615億円の赤字日産自動車は6712億円の赤字となっています。

 

ソフトバンク、日産といった巨大企業の不振が、上場企業の純損益合計を押し下げた理由ともなっています。

 

まとめ

上場企業が大不振(2020年1月~3月業績)

  • 上場企業の1月~3月にかけての純損益合計

1兆473億円の赤字でした。

  • 業績不振の度合い

東日本大震災を上回るがリーマンショック時よりはましでした。

  • 製造業・非製造業に分けると

製造業では輸送機器や鉄鋼、石油が赤字です。

  • 不振が目立つ会社はどこ

ソフトバンクと日産です。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。