中小企業診断士の光と影とは?
中小企業診断士になってもよいことばかりではありません。何事にも光の部分と影の部分があります。そのことについて、あらかじめ知っておいた方が良いかと思います。
今回は、中小企業診断士の光と影の部分について、書いていきます。
本記事を読むと中小企業診断士の光の部分だけでなく、影の部分についてもその一部がわかります。
Contents
中小企業診断士の光と影
記事の内容
中小企業診断士の光の部分(3あります) 中小企業診断士の影の部分(4つあります) |
本記事は私の中小企業診断士としての活動体験を元にして書いています。
中小企業診断士の光の部分
①マズローの言う自分自身の自己実現が図れる ②おもしろい仕事ができる ③単価が高い仕事ができる |
①マズローの言う自分自身の自己実現が図れる
- 中小企業診断士は非常に満足感が得られる資格です
中小企業診断士の資格は、一流企業の人は大体知っています。その中にはチャレンジした方も多くいます。チャレンジしても合格できず、あきらめた人も多いのです。
ですので、そのへんの事情をよく知っている人には、中小企業診断士の資格を持っていると言うと、一応は認めてもらえます。自分自身のプライドを持つためには良い資格です。
マズローの欲求階層説の「他人から尊敬されたい、自分が優れていいると認められたい」、という自我の欲求を満たすことができます。
またその上の段階である、自己実現の欲求(自分の持っている力や能力を実現したいという欲求)も満たすことができます。
要は、ある程度社会的にも認められ、自分も満足できる環境というのを手に入れることができるのです。
単なる自己満足ですが、でも考えみれば、オリンピックでメダルを取るというのも同じようなものだと思います。(努力が実り、メダルを取り、自分自身も満足でき、他人からも認められる、という点では同じではないでしょうか。)
②おもしろい仕事ができる
- いろいろな仕事や非定型的な仕事を体験でき、面白い
中小企業診断士の仕事はいろいろバラエティに富んでいて、楽しめるのも特徴です。セミナーや研修のような話す仕事、執筆の仕事、アドバイスをする仕事など様々です。
非定型的な仕事が多く、飽きてしまうということはありません。常に異なる問題点や課題がでてきます。
一つの会社にいると、いつも同じ人たちの顔を見て過ごすことになりますが、中小企業診断士になると様々な人と出会い、異なった環境で仕事をすることができます。
マンネリ化することもありません。
自分が合わない仕事は別にしなくても良いので、精神衛生上にも良いのです。
また、人間的に自分と合わない人と仕事をする必要もありません。私が定期的に訪問する企業の方は、皆私と波長が合う人達です。
③単価が高い仕事ができる
- 中小企業診断士の仕事は単価が高い仕事が多いです
私が経験した中小企業診断士の仕事で一番安い単価は、講師の仕事で、90分授業で5,000円ぐらいだったと思います。ただ、週に2回程度あったので一月4万円ぐらいになりました。
専門家派遣事業では、一回一時間5,000円というのが最も安い仕事です。ただ、終わったら報告書の作成が義務付けられていて、それを考えると、一時間2,500円程度の感覚です。
普通の専門家派遣事業は時給にすると1万円ぐらいが多いです。
中小企業診断士になっている今では、上記の仕事は安い単価と感じていますが、考えてみるとサラリーマン時代には総支給一ヵ月30万円ぐらいで、26日出勤、一日11時間ぐらいの勤務だったので、時給的には1050円といったところです。それと比べると高いと言えます。
中小企業診断士の仕事で高い時給だと、講師の仕事で一時間10万円ぐらいのものも経験しています。
中小企業診断士の影の部分
①自分で仕事をゲットしない限り、仕事はない ②常に勉強が必要となる ③実力がないと稼ぐことはできない ④関わった中小企業が全てうまく行くわけではない |
①自分で仕事をゲットしない限り、仕事はない
- 仕事は自然に湧いてきません
仕事は自分で取りに行く必要があります。私がサラリーマン時代には極端に言えば、会社に行って与えられた仕事をこなすだけでよかったのですが、中小企業診断士になって独立するとそういうわけにはいきません。
なんとか仕事が自分に来るようにしていかないといけません。営業をしたり、ホームページ作ったり、SNSを利用したり、自分のできるやり方、合ったやり方で仕事が来るようにしていく必要があるわけです。
優秀な中小企業診断士はうまく仕事が来る仕組みを作っています。ビジネスをうまく運営していくには仕組み作りが大切なのです。
②常に勉強が必要となる
- 中小企業診断士は立ち止まっていたら死にます
中小企業診断士は、常に泳いでいないと死ぬ魚のようなものです。常に勉強し、中小企業者の先を行っている必要があります。中小企業診断士はある意味、蓄えた知識を吐き出してお金をもらう商売です。
中小企業を取り巻く経営環境は変化していて、中小企業が生き残るためにはその変化についていく必要があります。
中小企業診断士は常に勉強し、環境の変化を察知して、中小企業に適切なアドバイスをすることで、中小企業が環境変化に対応し、生き残っていけるようにするのが仕事です。
例えば、最近はCDやDVDのレンタルをビジネスにしていたTSUTAYAが不振だそうです。
理由は簡単です。環境の変化です。消費者は音楽はCDではなくインターネットの配信サービスで手にいれ、映画などのDVD(BD)も借りずに、低額の動画配信サービスを利用することが増えているからです。
今後この傾向はますます高まっていくでしょう。TSUTAYAが今までのやり方を変えずにいたら、じり貧は目に見えています。
動画配信サービス会社ではないですが、私もいつのまにかアマゾンプライムに入っていて、映画はアマゾンプライムのサービスを利用して、たまに見ています。
このように環境はどんどん変わっていっています。環境の変化に対応するには、中小企業診断士も常に勉強が必要なのです。
③実力がないと稼ぐことはできない
- 中小企業診断士も二極化していきます
中小企業診断士は定型的な独占業務はありません。その分、実力のある人が生き残り、そうでない人はどんどん落ちていきます。完全な実力社会です。
とはいっても人が感じる実力は様々です。ちょっと前に経営コンサルタントの「ショーンK」という人がいて、テレビではかなりの人気でした。
経歴詐称がばれて、テレビの世界からは去りましたが、どこかで生き残っていると思われます。彼の特徴はしゃべり方で、声が良く品が良い語りで、あたりさわりがなく、なんとなくなく良いことを言っているように感じました。
顔も彫が深く、ハーフのような感じでイケメンでした。私もテレビで何度も見ましたが、話の内容については、ほとんど印象に残っていません。
ですが、否定的な印象は持ちませんでした。経歴詐称がばれる前は、彼のことを嫌いだった人は少なかったと思います。男女どちらからも好かれるような印象の人だったと思います。
何が言いたいのかというと、実力とはその人の持つ総合力です。ショーンKも経歴詐称をせず、もし中小企業診断士の資格をとって活動していたら、あの人気はずっと続いていたと思います。
その人なりの強みや特徴を生かしていけば、良いと思います。スマップの歌でないですが「世界の一つだけの花」ような存在になれば、中小企業診断士としてもうまくやっていけると思います。
④関わった中小企業が全てうまく行くわけではない
- なくなった会社もあります
中小企業診断士になると、非常に残念で悲しい現実にも遭遇します。一番は関わった会社が、いつの間にかなくなっている(倒産)ことに遭遇することです。
中小企業診断士が中小企業から相談依頼を受けるときは、その中小企業が何らかの課題・問題を抱えていて、うまく行っておらず、このままでいくと危ない、という理由がほとんどなのです。
絶好調の会社から、もっとよくしたいので相談に乗って欲しいという例は、なくはないですが少ないと思います。
ということで、中小企業診断士は課題・問題を抱えている中小企業の相談に乗るわけです。それが短期になるか長期になるかは様々ですが、とにかくその中小企業に関わっていくのです。
そこで、その中小企業が立ち直ってくれればいいのですが、そうでない時もあるのです。
結局、アドバイスをしても実行してくれなかったとか、従来のやり方を変えてくれなかった等があって、倒産してしまうことがあるのです。
その中小企業は環境変化に対応できなかったということです。時代はどんどん変化していきます。企業もその変化に対応していかないと生き残ることは困難なのです。中小企業も変革していかないといけませんが、トップが従来の考え方、やり方を変えずに変革できないことがあるのです。
そうなると、やはり生き残れなくなってしまいます。
アドバイスをして、相談にも乗りますが、それを受け入れて実際に実行するのは企業自身です。実行しないと始まりません。
実行しないと最終的には倒産に至ります。そのような悲しい現実にも遭遇します。社長はもちろん、奥さん、従業員の方はどうなってしまったのかな、と思ったりします。
まとめ
中小企業診断士の光の部分
中小企業診断士は非常に満足感が得られる資格です
いろいろな仕事や非定型的な仕事を体験でき、面白い
中小企業診断士の仕事は単価が高い仕事が多いです
中小企業診断士の影の部分
仕事は自分で取りに行く必要があります。
中小企業診断士は立ち止まっていたら死にます
中小企業診断士も二極化していきます
なくなった会社もあります。 |