ノジマとニフティのシナジー(相乗効果)の事例
以前、当ブログ記事「中小企業診断士の視点:家電のノジマがスルガ銀行創業家の株を取得、筆頭株主になる」でも触れましたが、@ニフティはノジマの子会社になっています。
KAZUTOYOは@ニフティを利用していますが、最近DMが送付されてきました。
ノジマの店頭に来てください、という内容です。シナジーの典型的な事例だなと思います。
ということで今回は、その事例を紹介することにします。
この記事を読むと、シナジーを生かす実際の方法とそのメリットなどについてわかるようになります。
Contents
ノジマとニフティのシナジー(相乗効果)の事例
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。
送付されてきたDM
- 実際のDM
KAZUTOYOの元に送られてきたDMです。
差出人は@ニフティですが、ノジマ店舗への来店を促すものとなっています。
@ニフティのメリット
①全国展開の家電量販店を取次店とすることができる ②客単価の向上が期待できる ③新規顧客の獲得が期待できる |
①全国展開の家電量販店を取次店とすることができる
- 実店舗がないのをカバー
@ニフティの弱点は、実店舗を持たないことでした。でもノジマの子会社になったことで全国展開の家電量販店の取次店を一瞬にして手に入れたことになりました。これは@ニフティにとって大きなメリットではないでしょうか。
ところで顧客獲得のための販売促進には、プッシュ戦略とプル戦略という分け方がありますが、@ニフティの場合は店舗がないため、プル戦略に依存していました。
ですが、全国展開の取次店を手に入れたことで、今度はプッシュ戦略も使えるようになります。
これは@ニフティのマーケティングにとっても大きな意味があることで、マーケティングのやり方が大きく広がるものと考えられます。
②客単価の向上が期待できる
- 新たなサービス提供でスマホを売る
DMを見ると、「Auスマートバリュー」に登録すると得しますよ、と言う内容です。
スマホがない方は、キャッシュバックがあるので購入すると得ということもわかります。これ見てスマホを購入する人がいれば、それは@ニフティにとっては客単価の向上になります。
更に永年割引で利用者の@ニフティ離脱を防止する意図もあるとわかります。
今回のDMは、@ニフティ利用者宛てです。ノジマへの来店を促すものですが、このDMを見てノジマに行く人は、「Auスマートバリュー」というものに興味がある人か、キャッシュバックに興味がある人と考えられます。
(ティッシュが3つもらえるので話だけでも聞いてみようという人もいるかもしれませんが。)
いずれにしても、店に行ってノジマ店員の話を聞いて契約する人もいるでしょう。
@ニフティにとっては客単価の向上につながるのです。
③新規顧客の獲得が期待できる
- ノジマの来店客を顧客にできる
ノジマの子会社になったことで@ニフティは全国規模の取次店を手に入れたことになります。ノジマに来店するお客がスマホを購入する際には、@ニフティを利用するように誘導することも可能になります。
ということは、ノジマの来店客を@ニフティの顧客にすることが可能となるのです。
今まで@ニフティは新規の顧客獲得戦略はインターネットマーケティングをメインにしていましたが(プル戦略)、これからはノジマの店舗を利用できることは大きなメリットです。(プッシュ戦略もとれる)
@ニフティは強力な販売チャネルをもう一つ持つことになり、いままで@ニフティと関わり合いがなかった顧客の獲得ができるようになるのです。
ノジマのメリット
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①新規顧客の獲得が期待できる
- ニフティの客をノジマに取り込むことができる
今回のDMは、@ニフティが@ニフティの利用者に送付したものです。
そして、ノジマに行くように誘導しています。
ということは、今までノジマとは縁がなかった@ニフティ利用者がノジマに行くように動機づけることになります。
ノジマの店の対応がうまくいけば、もともと@ニフティの利用者に過ぎなかった人をノジマの顧客としても取り込むことができるようになるのです。
ノジマとしては、新規顧客の獲得が期待できることとなります。
どんな店舗でも集客や顧客の獲得というのは経営上の大きな課題です。ニフティの既存客をノジマの家電の客としても獲得できるのは大きなメリットです。ノジマ本体の売上向上も期待できます。
②利益率アップが期待できる
- 手数料売上が増加するからです
ノジマの店舗で、@ニフティ関連の契約が取れれば手数料売上などが期待できます。
手数料は仕入を伴いません。ほぼ儲けです。ですから、利益率のアップが期待できます。
KAZUTOYOが昔家電量販店にいたとき携帯電話も売っていましたが、一台契約をとると数万円の手数料が入ってくるようになっていました。
携帯電話そのものは1円とかで売っていたのですが、それでも店としては十分おいしいビジネスになっていたのです。
契約をとるのは別に何かを仕入れるわけではないので、ほぼ100%粗利というわけです。ということは店舗全体でみると、利益率がアップするということです。
③長期的な戦略を構築できる
- 短期の利益が全てではない
ノジマは@ニフティの親会社です。
短期的な利益を狙った戦略だけでなく、将来を見通した長期の戦略も協力して構築できるようになります。ライフライムバリュー(顧客生涯価値)という考え方もあります。
長期に亘って顧客をつなぎとめておけば、ビジネスはやりやすくなるのです。
経営も安定します。
異なった会社同士の業務提携だと、お互いの会社の利益を追求することに目が行きがちですが、ノジマと@ニフティの場合は、短期的にはマイナスになることも投資と捉えてライフライムバリューなどの考え方を含む長期的な視点で戦略を考えることができるようになります。
これも大きなメリットです。
まとめ
中小企業診断士の視点:ノジマとニフティのシナジー(相乗効果)の事例 @ニフティのメリット
実店舗がないのをカバーできます
新たなサービス提供でスマホを売ることができます
ノジマの来店客を顧客にできます
ノジマのメリット
ニフティの客をノジマに取り込むことができる
手数料売上が増加するからです
短期の利益が全てではありません。 |