中小企業診断士の視点:日本のGDPの推移と主要国GDP成長率

日本のGDPの推移

先日、当ブログ「日本のGDPがこのままだと年6.3%減少」の中で、日本のGDPについて書きました。

その件に関連して、ちょっと日本のGDPについて調べてみました。

今回はその話です。

この記事を読むと、日本のGDPの推移と主要国のGDPの成長率がわかります。

また、今後日本の国がどのような政策をしていけばよいのかわかります。

中小企業診断士の視点:日本のGDPの推移と主要国GDP成長率

記事の内容

  • 日本のGDPについて(3つあります)
  • 世界のGDP成長率との比較(2つあります)
  • 日本の対応策(2つあります)

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

日本のGDPについて

  1. 日本のGDPの推移
  2. 2019年の日本のGDP
  3. 2019年の日本のGDPの構成割合

①日本のGDPの推移

  • 極めて低成長

1994年から2019年までの日本の実質GDPの推移は以下のようになっています。

GDPは以下の項目の合計です。

  1. 民間最終消費
  2. 政府最終消費支出
  3. 民間住宅
  4. 民間企業設備
  5. 公的固定資本形成
  6. 在庫変動
  7. 財貨・サービスの純輸出

2019年の日本の実質GDPは536兆5241億円です。

ですが、グラフを見ると日本のGDPはほとんど伸びていないことがわかります。ちなみに2018年から2019年の伸び率は0.7%です。

この数字は、後からまた書きますが諸外国と比べてかなり低いといえます。

少しでも伸びていればまだ良いのですが、先日のニュースでは2020年は伸び率がマイナス6.3%になると大きく取り上げられていました。

このままでは、日本はマイナス成長の貧しい国になっていくということです。

※上のグラフは内閣府のホームページのデータを参考にKAZUTOYOが独自に作成しています。

※2の政府最終支出は公務員の給料や公共教育支出、医療保険や介護保険の政府負担分です。

※5の公的固定資本形成は、公共投資です。公共事業等に支出されたものです。

※7の純輸出は輸出総額から輸入総額を差し引いたものです。

②2019年の日本のGDP

  • 日本は内需の国

2019年の日本の実質GDPは以下のようになっています。(単位:10億円)

円グラフを見ると民間最終消費支出がGDPに占める割合が高いことがわかります。日本は内需の国だということが改めて確認できます。輸出額から輸入額を差し引いた純輸出はマイナスです。貿易では儲かっていないということです。

民間最終消費支出が大きい分、消費増税はGDPに大きなマイナスの影響を与えることになります。

開差(国内総生産(支出側)と国内総生産(支出側)の内訳項目計には多少の差があること)のため、グラフの各要素の数値を合計しても、国内総生産の数値とは合致しません。

詳しいことは、内閣府 国民経済計算(GDP統計)をご覧ください。

※円グラフは内閣府 国民経済計算(GDP統計) https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.htmlの資料を基にKAZUTOYOが加工して作成しています。)

③2019年の日本のGDPの構成割合

  • GDPの55%は民間最終消費支出

2019年の日本のGDPの構成割合は以下のようになります。

GDPの55%は民間最終消費支出です。よく、やり玉にあげられる公共事業などを指す公的資本形成はGDPの5%に過ぎないことがわかります。

世界のGDP成長率との比較

  1. 主要国のGDP成長率
  2. GDP成長率の高い国の特徴

①主要国のGDP成長率

  • 日本はほとんど成長していない

次に経済産業省 通商白書2019から主要国のGDP成長率を見ていきます

以下のようになっています。

日本は、先進国の中で最低の成長となっています。イタリアよりも成長していないのですそして2020年はマイナス成長になる見込みなのです。

これに反して中国はかなり成長していることがわかります。インドも成長しています。

※表は経済産業省 通商白書2019より切り取っています。

②GDP成長率の高い国の特徴

  • 発展途上国が成長している

表をみると、先進国の成長は低く、発展途上国が成長していることがわかります。

アセアン5は中国やインドと並んで経済成長していることがわかります。

日本の対応策

  1. 公的資本形成を増加させる
  2. 消費増税の撤廃

①公的資本形成を増加させる

  • 公共投資の実施

GDPの円グラフを見ると、公的資本形成の割合が低いことがわかります。またGDP推移のグラフを見ると、公的資本形成に支出する額は、最近はかなり低く抑えられているようです。

民間に元気がないなら、政府がお金を支出して経済を活性化させる必要があります。1年単位の短期的ではなく長期的な公共工事を計画して実施することが望まれます。

民間も今後10年間程度仕事があるとなれば、自ら設備投資するようになります。民間の設備投資を呼び込むような公共事業を実施することが望まれます。

更に政府の赤字が増えることになりますが、それで良いのです。

政府の借金が増えると、すぐにハイパーインフレになるとかいう人がいますがそんなことはないのです。

この件については、当ブログページ「中小企業診断士の視点:ハイパーインフレって何?」に書いています。興味がある方はご覧ください。

②消費増税の撤廃

  • 消費増税がGDP急減の引き金

KAZUTOYOは、昨年10月の消費増税が、GDPの成長の足を引っ張っている一番大きな理由と考えています。

ここは、いったん消費増税を撤廃することが望まれます。

まとめ

日本のGDPの推移と主要国GDP成長率

日本のGDPについて

  • 日本のGDPの推移

極めて低成長

  • 2019年の日本のGDP

日本は内需の国

  • 2019年の日本のGDPの構成割合

GDPの55%は民間最終消費支出

世界のGDP成長率との比較

  • 主要国のGDP成長率

日本はほとんど成長していない

  • GDP成長率の高い国の特徴

発展途上国が成長している

日本の対応策

  • 大胆な公共事業の実施

公的資本形成を増加させる

  • 消費増税の撤廃

消費増税がGDP急減の引き金だかから

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。