6年間で売上を13倍にしたクリーニング店の戦略
6年間で売上を13倍にしたクリーリング店があります。東田ドライという会社です。
テレビでどんなやり方で売上を上げたのか放送していましたので、興味深く見ました。
今日は、その話です。
この記事を読むと、6年間で売上を13倍にしたクリーニング店の戦略がわかります。
Contents
中小企業診断士の視点:6年間で売上を13倍にしたクリーニング店の戦略
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
東田ドライの従来のサービス
- 無料サービスが特徴
東田ドライは1963年に創業しています。50年以上の歴史を持ち、現在の社長は3代目です。
そんな東田ドライですが、50年前から続いている無料サービスがありました。
その無料サービスとは
- 毛玉とりサービス(服の表だけでなく裏側も行なう)
- ズボンなどで尻に穴が開いていたら繕う
- ボタンがとれていたら似たようなボタンをつける、とれそうだったらつけなおす。そのために多くの種類のボタンを用意いているとのことです。
こうした無料サービスを全て、約6000着になるそうですが行っているということです。
- 染み抜きも行います。
染み抜きはその道のスペシャリストでもある会長が午前2時から行っているそうです。午前2時から行う理由は、朝から始まる選択に間に合うようにするためです。1日に300着以上の染み抜きをするそうです。
同社のこれらの無料サービスは自然発生的に行われていて、約50年前から続けています。
強みであることを確認
- 社長は気が付いた
現社長は、こうした無料サービスこそが東田ドライの強みではないかと気が付きました。
つまり、自発的に行う無料のサービスが売りではないかということです。
現社長はこの無料サービスを「東田おせっかいサービス」とネーミングし、アピールすることにします。
ホームページをリニューアル
- 強みと特徴を情報発信
東田ドライは、5年前から宅配クリーニングを始めていて、商圏的には全国規模になっていました。
東田ドライの強みに気が付いた現社長は、ホームページをリニューアルすることにします。
約50年前から続く「おせっかい品質」を売りにしたホームページにしたのです。
無料検品サービスや優れた技術もわかりやすく書くことにしました。
KAZUTOYOもホームページを拝見しましたが、「熟練の職人による手間ひまをかけた高品質なクリーニング」、
「8つの無料おせっかい」などと特徴やサービス内容がわかりやすく表現されています。
このホームページは同業他社との差別化にもなります。
ホームページをリニューアルしたところ、注文が殺到し、現在の好業績につながったようです。
※https://rinavis.com/より切り抜き
まとめ
数々の「おせっかいな」無料サービスが特徴
現社長は、こうした無料サービスこそが東田ドライの強みではないかと気が付きました。
強みと特徴をわかりやすく情報発信しました。 |
東田ドライ成功の理由
東田ドライの成功の理由は次の3つだと考えます
- 自社の強みに気が付いたこと
無料サービスは50年前から同社では自然に行っていることで、当たり前のことでした。それが他社との差別化につながる自社の強みであるとは考えていなかったのです。
でも現社長は、それこそが強みであると思い至ったのです。
自社の強みに気が付いたことが成功への第一歩です。
- おせっかいサービスとネーミングした
自社が行っている無料サービスをブランディングするために「おせっかいサービス」と名付けたことが2つ目のポイントです。
無料サービスという名称だとあまりにも一般的なので、インパクトがないのです。そこで無料サービスにわかりやすい名称をつけることにしたのだと思います。それが「おせっかいサービス」というネーミングです。
- ホームページで外部に情報発信
自社の特徴や強みを情報発信して、外部に伝える努力をしたのです。
東田ドライは5年前に宅配クリーリングを始めていて、商圏的には全国対応の準備はできていました。
その時に、タイミングよくホームページをリニューアルすることで、自社の強みや特徴がわかりやすく外部に伝わり宅配の仕組みがうまく回るようになったのです。
それまでは、東田ドライのこうしたサービスは過去に利用したことがあるごく一部の人達にしか知られていなかったのですが、ホームページによる情報発信で全国にいっきに知られるようになったのです。
ホームページによる情報発信がいかに大切かということがわかる事例だと思います。
これはまさにマーケティングの力です。
会社の強みを再確認し、それを誰でもわかるような表現で伝え、ネーミングを工夫し、そのコンセプトをホームページで情報発信するという、一連のマーケティング活動を行った結果だと考えます。