ニーズとウォンツってどう違う?
よく、消費者ニーズに沿った品揃えをしようとか、ニーズに合致した商品を販売しようとか、ニーズという言葉を使います。
また、ウォンツという言葉も、ニーズほど頻繁ではありませんが使われています。
でもニーズとウォンツはどこが違うのでしょうか。
書籍によってはニーズもウォンツもほぼ同義の意味で使っている場合もあるようです。
私は、ニーズとウォンツは分けて考えたほうが良いと考えています。
今回は、ニーズとウォンツについてその違いと特徴について考えたことを書いていきます。
この記事を読むと、ニーズとウォンツの違いがわかり、ニーズ寄りの商品、ウォンツ寄りの商品があることがわかります。
少しでも参考にしていただけたら幸いです。
Contents
中小企業診断士の視点:ニーズとウォンツの違いと特徴
記事の内容
|
この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが執筆しています。
ニーズとは
- ニーズは必要ということ
ニーズは必要ということですから、ニーズのある商品というのは必要とされる商品ということです。必要な商品というのは人が生活する上でなくてはならない商品です。ないと困る商品です。生活にないと困るから購入するのであって、別に心の底から欲しいと思っているわけではないのです。
ニーズ商品の代表的なものが台所用品や洗濯用品などです。
これらがないと生活上困ります。生活に必要な商品です。
ウォンツとは
- ウォンツとは欲しいということ
ウォンツとは欲しいということですから、ウォンツのある商品とは欲しい商品ということです。趣味に関する商品は多くがウォンツの商品です。ウォンツのある商品は欲しいのですが、生活する上で必ずしも必要というわけではありません。例えば、魚釣りが趣味の人が使う魚釣りの道具です。趣味の釣り道具は生活する上で必要ではありません。なくて困ることもありません。
でも欲しいのです。生活上必要でなない。でも欲しい。このような商品がウォンツ商品です。
商品にはニーズ寄りの商品とウォンツ寄りの商品がある
- 商品にはニーズ寄りの商品とウォンツ寄りの商品があります。
商品にはニーズの要素が強い商品とウォンツの要素が強い商品があります。
例えば、自動車です。
高級外車はニーズよりもウォンツの要素が強い商品です。人や物を運ぶという必要を充たすだけなら、安い自動車で十分です。高級外車を選ぶ理由はそれがウォンツよりの商品だからです。また、ブランドへのこだわりも強くあります。
一方、スーパーマーケットで売っているような食材は、多くがニーズ寄りの商品です。今日の晩御飯はカレーにしようということで、カレールーを買うことにします。でもいつも購入する銘柄が品切れているとします。そのときはどうするでしょうか。他の銘柄のカレールーを購入するはずです。いつも食べている銘柄のカレールーを求めて他のスーパーまでいく人はそう多くはないでしょう。
この理由は、カレールーにはこの銘柄がいい、というウォンツもありますが、ニーズ寄りの商品だからです。
ニーズ寄りの商品は代替商品でも良いのです。
このように、商品にはニーズ寄りの商品とウォンツ寄りの商品があるのです。
ニーズ寄りの商品の特徴
- ニーズ寄りの商品はこだわりが少なく価格で他のブランドにチェンジする
ニーズ寄りの商品は購入する時、それほどこだわりがないというのが特徴です。先ほどのカレールーのようにもし在庫がなければ、他の代替商品でも良いのです。
ブランドチェンジするのにも抵抗はあまりありません。
そして、商品自体に強いこだわりがないので、価格の差で他の代替商品にチェンジすることもあります。いつも買うカレールーにしようと思ったが、特価商品のカレールーがあればそっちを購入することもよくあるのです。
ニーズ寄りの商品は価格の差で他のブランドの商品に簡単に転びます。
ウォンツ寄りの商品の特徴
- ウォンツ寄りの商品はこだわりが強く、価格で他のブランドにチェンジすることはない
ウォンツ寄りの商品は購入する際、こだわりが強いというのが特徴です。高級外車の購入動機が良い例です。購入したいと思っている車には思い入れがあり、こだわりを強く持っているのが普通です。
国産車で性能的には引けをとらない、もしくは性能的には良く、価格も安いのに国産車を買わないのにはこだわりがあるからです。こだわりの中にはブランドロイヤルティもあります。
価格の差などは小さなことなのです。
車に限らず趣味の商品は、価格は商品を購入する際の重要なポイントではありません。
高級外車や趣味の商品はウォンツ寄りの商品で、価格の差で他のブランドの商品に乗り換えることはほとんどありません。
仮にあったとしても、それは時間をかけての検討の結果で、決断には心の中に葛藤があるはずです。
まとめ
ニーズ寄りの商品はこだわりが少なく価格で他のブランドにチェンジします。
ウォンツ寄りの商品はこだわりが強く、価格で他のブランドにチェンジすることはほとんどありません |