中小企業診断士の視点:電子出版市場が増加

電子出版市場が増加

疑問に思う人
コロナの影響で、多くの業界は打撃を受けているけど、何か良い面はなかったの?
KAZUTOYO
コロナがプラスに作用した業界も中にはあったようです。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、多くの産業はマイナスの影響を受けています。

でも、マイナスの影響を受けている産業だけではありません。プラスに作用した業界もあるのです。それが電子出版業界です。

電子出版の市場は昨年より増大していることがわかりました。

今回は、新型コロナウイルス感染症の影響で、電子出版市場が伸びたという話です。

この記事を読むと、電子出版市場がどの程度伸びたのかがわかります。また、電子出版で何が読まれているのかわかります。

ニュースなどでは、新型コロナウイルス感染症の影響ではマイナス面が多く報道されますが、プラスなった業界も結構あるとわかります。

例えば、Zoomなどの利用者が増加し、企業でリモートワーク(テレワーク)の導入が進んだことや通販市場が伸長したことなどもそうです。

プラスになっている業界もあるということです。

 

電子出版市場が増加

本記事の内容

  • 電子出版市場が増加
  • 電子出版市場の内訳
  • 電子出版市場が伸長した理由
  • この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
  1. KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
  2. 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。

 

電子出版市場が増加

  • 前年同期比28.4%増加

全国出版協会・出版科学研究所(東京)の発表によると、今年上半期の電子出版の市場規模(推定販売金額)は1762億円ということです。

この金額は、前年同期比28.4%の増加です。

紙の出版物を含めた出版物市場全体の金額は7945億円で、電子出版の1762億円は全体市場の22.2%になります。

電子出版が出版物市場全体の2割を超えたのは、統計を取り始めた2014年以来初めてのことだそうです。

電子出版物はスマホなどで読んでいる方が多いはずです。ですのでスマホの普及が電子出版の伸びに大きく影響していると考えられます。

一方紙の出版物(書籍・雑誌)は前年同期比▲2.9%の6183億円となっています。

紙の出版物は前年比マイナスでしたが、電子出版市場が伸びたので、市場全体としては伸びたことになっています。

 

電子出版市場の内訳

  • コミックが一番多い

電子出版の内訳を見ると次のようになっています。

  1. コミック(1511億円、前年同期比33.4%増)
  2. 書籍(191億円、前年同期比15.1%増)
  3. 雑誌(60億円、前年同期比17.8%減)

コミックの売上が大きいのは「鬼滅の刃」の爆発的なヒットが影響しているということです。

コミックも電子書籍で読む人が多いことは、KAZUTOYOおじさんには一つの発見となりました。

 

電子出版市場が伸長した理由

  • 書店の休業や時短営業

電子出版市場が伸長した理由としては、多くの書店が新型コロナウイルス感染症拡大防止のために休業したことや営業時間を短縮したことを挙げています。

書店が利用できないので、電子出版を利用したということでしょう。

ただ、アマゾンなどでは電子出版物だけでなく、紙の書籍も販売しています。

書店が利用できないだけなら、アマゾンなどで紙の書籍を購入することもできます。

ですから、人々の書籍を読む方法が変化していることが、電子出版を利用する人が多くなっている本当の理由だと考えます。

つまり、本当の理由は、読書をする際、実物の紙の本を読むのではなく電子出版物をスマホなどの携帯端末で読む人の割合が以前より増加したからだと思います。

また、出版社が本を販売するとき、昔は紙の本しか販売しないことが多かったのですが、最近は紙の本と電子本を同時に販売することが多くなっています。

本を購入する際、紙の本と電子本を選択でき、電子本を選ぶ方が昔より増えていると考えられます。

 

このようなことも電子本の売り上げ増の理由といえます。

 

あと、多くの人々が外出を自粛し、長い時間を家で過ごすようになったことで「巣ごもり需要」の一部を読書が担ったためと考えます。

 

まとめ

電子出版市場が増加

  • 電子出版市場が増加

前年同期比で28.4%増加しています

  • 電子出版市場の内訳

コミックがダントツで最も多くなっています。

  • 電子出版市場が伸長した理由

巣ごもり需要の一部を担ったことと、紙の本を読むのではなく電子出版物をスマホなどの携帯端末で読む人の割合が増加しているからだと考えます。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。