企業のBCP策定状況は?
中小企業診断士にはBCP策定の仕事もあります。
ですから、中小企業診断士としてBCPに関する情報には注目しています。
BCPは日本語では事業継続計画といいます。
企業が自然災害などによる被害を受けたときも、倒産することなく、一日も早く復旧できるようにあらかじめ立てておく計画のことです。
当然今回の新型コロナウイルス感染症の被害についても、今後はBCPで考えるべきことになってきます。
そのBCPですが、内閣府の調査で2019年度の企業の策定状況がわかりました。
また策定状況だけでなく、BCP策定のきっかけになったことなども調査しています。
今回はその話です。
ただし、今回の調査は2019年度のものなので、新型コロナウイルス感染症についてのことは含まれていません。来年には新型コロナウイルス感染症による被害を踏まえた2020年度分の調査結果が発表になるはずです。
今回はそんな疑問にお答えします。
この記事を読むと、2019年度の企業のBCP策定状況などについてわかります。
Contents
2019年度の企業のBCP策定状況は?
本記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士として10年以上の中小企業支援の経験があります。
- 多くの中堅企業、中小企業のBCP関連の支援業務を行っています。
BCPの策定状況
- 大企業と中堅企業とでは差があります。
BCPは地震や台風など自然災害などが発生した時でも、会社を倒産させないように会社の最低限の機能は維持し、1日でも早く復旧するためにあらかじめ立てておく計画です。
内閣府では、策定状況の把握にあたって企業を大企業と中堅企業とに分けて調査しています。
両者を分ける基準は資本金です。
資本金10億円以上を大企業(600社)、資本金10億円未満を中堅企業(500社)に分類して調査しています。
大企業のBCP策定状況
- 68.4%策定済み
BCPを策定した大企業の割合は68.4%でした。
前回17年度の調査から4.4ポイント増の結果となっています。
BCP策定中も含めると83.4%です。
中堅企業のBCP策定状況
- 34.4%策定済み
中堅企業ではBCPを策定した企業の割合は34.4%でした。
前回17年度の調査から2.6ポイント増の結果です。
BCP策定中も含めると52.9%です
将来の策定率
政府の策定目標は「2020年までに大企業でほぼ100%、中堅企業では50%」でしたが、この目標は達成できませんでした。
ですが上で書いたように、BCP策定中の企業は多く見られたため、将来の策定率は上昇することが見込まれています。
BCP策定のきっかけ
- 危機管理の一環など
BCP策定のきっかけについても調査しています。きっかけには次のような項目が挙げられました。
BCP策定のきっかけ
- 危機管理の一環
- 過去の災害、事故の経験
- 企業の社会的責任
- 親会社などの要請
東日本大震災など相次ぐ大規模災害がBCP策定のきっかけになったことがうかがえます。
新たに取り組みたい災害対策
- 代替施設の確保など
今後、新たに取り組みたい災害対策について尋ねたところ、次のような項目が挙げられました。
取り組みたい災害対策
- 本社や営業所が被害にあった場合に使う代替施設の確保
- 防災関連の資格を取得する社員を対象とした補助制度の創設
広範囲で被害を受けることも想定した取り組みが必要であることが認識されてきたのだと考えます。
また、BCPは単に計画を立てるだけでなく、全社的に取り組むべきことだとわかってきた結果が表れていると思います。
まとめ
2019年度の企業のBCP策定状況は?
大企業68.4%策定済み、中堅企業34.4%策定済みとなっています。
東日本大震災など相次ぐ大規模災害がBCP策定のきっかけになったことがうかがえます。
代替施設の確保などです。 |
企業のBCP策定状況はどうなっているの? BCP策定のきっかけは何?