BCPをご存知ですか?
BCPはBusiness continuity planningの頭文字をとったもので日本語では事業継続計画と言います。
中小企業診断士にはBCP策定の仕事もあります。中小企業診断士は企業経営に関わることはすべて守備範囲となるからです。
今回は、BCP策定について、さわりの部分と中小企業診断士に求められることをご紹介します。
この記事と読むと、BCP策定が中小企業にも求められていること、そして中小企業診断士にはBCPを策定する仕事があることがわかります。
Contents
中小企業診断士にはBCP策定の仕事もあります
記事の内容
BCPとは何ですか?(3つあります) BCP策定で中小企業診断士に求められること(3つあります) |
私は、中小企業診断士として複数の企業でBCP策定の支援をしてきました。そんな経験を元にこの記事を書いています。
BCPとは何ですか?
①BCPとは? ②BCP策定の目的は? ③BCP策定の効果は? |
①BCPとは?
- BCP (Business continuity planning)は事業継続計画のこと
BCP (Business continuity planning)は事業継続計画のことです。
企業にとって事業を継続していくことは、企業にとっても、企業で働く従業員にとっても、また企業から製品を購入したり、サービスの提供を受けたりしている顧客にとって大きな課題です。
その企業が何らかの理由で、突然事業を継続できなくなってしまうと、皆困ります。企業が継続しているということは何らかの形で、その企業は社会を支える役割を担っているからです。
小さな企業であっても、その企業にお客様がついていることは、社会の重要な一員ともいえるのです。
その企業が、何らかの理由で事業を継続できなくなってしまうと、困る人が多くいます。特にその企業で働く人にとっては、働く場がなくなってしまうということを意味します。
そのような事態を避けるために作るのが事業継続計画です。
②BCP策定の目的は?
- BCP策定の目的は、事業が継続できなくなる事態が発生しても、なるべく早く事業を再開できるようにすることです。
BCP策定の目的は、事業が継続できなくなる事態が発生しても、なるべく早く事業を再開できるようにして、企業・会社がつぶれてしまうのを防ぐことです。それは従業員の雇用を守ることにもなります。
なぜ、なるべく早く事業を再開できるようにするかというと、事業の中断が長引くと、その企業の取引先はその企業との取引をあきらめてしまい、他社と取引するようになってしまうからです。
いったんそうなってしまうと、取引を再開するのは難しくなり、それは収入がなくなることを意味し、会社の倒産につながります。
そのような、事態を避けるためにBCPを策定するのです。
BCP策定により、取引を継続できようになり、会社が守られ、従業員の雇用が守られ、従来のお客様を維持できるようになります。
③BCP策定の効果は?
- BCP策定は、経営を見直す良い機会ともなります。経営戦略を見直すことにもつながります。外部にも好影響を与えます。
BCPは策定にあたって、企業の経営資源を洗い出すことも行います。また、仕入先や取引先についても検討していくこととなります。それは企業にとって、自社の経営を見直すことにもつながります。
例えばアクシデントが発生し、多くの従業員が会社に出勤できなくなったら、できることが少なくなります。どんな事業を優先して行っていくのかを考えないといけません。自社の事業についても見直す機会にもなります。
自社の弱点、ボトルネックとなるポイントを見つけ出し、それを強化・修正するよい機会ともなります。
対外的にもBCP策定は、よいアピール材料となります。取引しても安心な会社だと思ってくれるようになるからです。
また、財務面でもBCP策定により、融資面などで有利になることもあります。
BCP策定で中小企業診断士に求められること
①BCPの知識 ②話す力 ③ファシリテーション力 |
①BCPの知識
- BCPの知識は必要です
BCP策定の書式は提供されていますが、策定支援にはBCPの知識が必須です。
中小企業のBCP策定については、書式が中小企業庁などで提供されていています。
このような書式類を利用すれば、漏れなくBCPが策定できます。BCP策定は会社独自の書式を利用してもかまいせんが、BCPに詳しい人が作ったものでないと漏れがあるかもしれません。ですからこのような書式を使った方が良いのです。
基本は、これらをまず読み込むことです。また、細かい点についての記述の仕方は企業が考えて書くようになっています。自由度が高い分、どんなことを書いて良いかわからない、ということになります。
中小企業診断士はその際、アドバイザーとしての役割になることも期待されています。
また、BCPは一度策定したら、終わりというのものではありません。どんどんバージョンアップしていくことが大切です。
立派な計画でも、実行できなければ意味がありません。実行性の伴う計画にすることも大切です。
例えば、大地震が来て津波が来たら会社がなくなる、では会社を津波の被害にあわない場所に移転しよう、ということにしてもよいのですが、それはすぐに実行できますか?ということです。
実行できないことを計画してもしようがなありません。将来の移転を視野に入れた上で、今できることを考えていくことが大切です。中小企業診断士はそのようなアドバイスができることも必要です。
②話す力
- BCP策定には、話す力も必要です。
BCP策定を始める前に、BCP策定の目的や手順をパワーポイントを使って説明しています。
その際には、話す力も重要になってきます。
中小企業者にBCPを策定しようという気持ちになってもらわないと先に進んでいきません。BCPの大切さや必要性をわかってもらえるように話すことも、中小企業診断士の重要な役割です。
知識がないと自信を持って話せないので、BCPの知識はその前提となります。
BCPは、これをやれば即儲かるというものではありません。中小企業者は売上アップや利益アップにつながることは、熱心に聞くかもしれないですが、BCPはそうではありません。
BCP策定しよう、という気持ちになってもらえるように話すことが大切です。
③ファシリテーション力
- ファシリテーション力も必要です。
会議やミーティングを脱線しないように調整し、本来の目的に沿うようにうまく運営していくのがファシリテーターの役目です。
中小企業診断士はこのファシリテーターの役目をうまく果たすことが重要です。
BCP策定は、中小企業診断士と社長が2人で作るものではありません。各部門の代表者が集まって共同で策定していくのです。中小企業診断士はその際、その話し合いがうまく進むようにファシリテーターの役割をはたすこになります。
BCP策定の主役は企業です。その企業の経営資源については内部の人しかわかりません。例えば、BCP策定では、材料の調達先についても検討します。対象を製造会社と仮定した場合、ある材料がないと製品を生産できないとします。
そして、現在はその材料を特定の一社で調達しているとします。その場合、その会社が何らかの理由でなくなってしまった場合、材料が入手できなくなります。すると製品を生産できなくなり、連鎖倒産するかもしれません。
BCPはそのような事態を避けるため、仕入先の検討も行うのです。
そのような事情は外部の中小企業診断士はわかりません。企業内部の人しかわからないのです。
ですから、BCPは各部門の代表者が集まって共同で策定していくのです。その際中小企業診断士はファシリテーターの役目をするのです。
中小企業診断士にはBCP策定の仕事もあります、のまとめ
BCPとは?
BCP策定の目的は、事業が継続できなくなる事態が発生しても、なるべく早く事業を再開できるようにすることです。それが自社を守ることにつながるからです。
BCP策定は、経営を見直す良い機会ともなります。経営戦略の一部ともいえます。外部にも好影響を与えます。
BCP策定で中小企業診断士に求められること
書式類は提供されていますが、BCP策定支援にはBCPの知識が必須です。
BCP策定には、話す力も必要です。BCP策定を始める前に、BCP策定の目的や手順をパワーポイントを使って説明しています。
ファシリテーション力も必要です。会議やミーティングを脱線しないように調整し、本来の目的に沿うようにうまく運営していくのがファシリテーターの役目です。 |