中小企業診断士の視点:顧客生涯価値LTV(Life Time Value)とは何か?

顧客生涯価値LTVとは?

最近、マーケティングの本を見ていると、顧客生涯価値(LTV)についてたいてい書かれています。

顧客生涯価値は、ビジネスを短期でなく長期的な視点で見る上で重要な考え方です。

今回は顧客生涯価値(LTV)について書いていきます。

この記事を読むと、顧客生涯価値の意味、重要性、考え方等についてわかるようになります。

中小企業診断士の視点:顧客生涯価値LTV(Life Time Value)とは何か?

記事の内容

  • 顧客生涯価値とは何か?
  • 顧客生涯価値の重要性
  • 顧客生涯価値をビジネスに生かす方法

この記事は中小企業診断士・一級販売士のKAZUTOYOが書いています。

顧客生涯価値とは何か?

  • 特定の店舗などでの一人の顧客の一生涯の購買額や利益額のこと

顧客生涯価値は英語ではLife Time Valueで、頭文字をとって、LTVと略されます。

意味は一人の顧客が一生涯に亘ってある企業で消費する金額の合計のことです。また金額ではなく利益の場合もあります。

一人のお客が、ある企業にとって生まれてから死ぬまでどれだけの価値(利益)をもたらすのか、といった視点で考えることです。

これは、ビジネスを短期でなく長期の視点で考えるようになってきたから、出てきた考え方です。

この生涯価値は、一般的には顧客の商品やサービスに対する愛着(顧客ロイヤリティ)が高い企業ほど高まりやすくなります。

つまり、一人のお客が何か物を買うときに、この商品だったらこの店というように、一生涯他の店舗に浮気をせず、同じ店で買い続けるようになったら、その店にとって顧客生涯価値は高くなるのです。

顧客生涯価値の重要性

  • 新規の顧客を開拓するのは大変だからです

小売業や飲食業の売上は客数×客単価で計算されます。

そして、更にお客は新規客と既存客に分けて考えることができます。

よく言われるのは、新規の客を開拓するは結構大変だということです。高級レストランなどをイメージするとわかりやすいです。

お客が全く行ったことがない高級レストランにいくのは、なかなか勇気がいるものです。新規の店というのは入店するのに一定のハードルが存在するのです。

ですが、お客が一回でも利用したことがある店というのは、そのハードルがぐっと低くなるのです。

また、新規のお客を集客するのにはかなりコストがかかります。

チラシをたくさん撒いても、実際来店するのはほんの少しということもよくあります。

一人当たりの集客コストはチラシの配布費用÷チラシを見て来店した客数ということになります。

一人当たり数万円のコストになることもあります。

ですが、既存客はどうでしょう。

DM一枚出せば再来店するかもしれません。

人は一回行ったことがある店だと、もう一回行くのにあまり抵抗はありません。

トータルで考えると、不特定多数に多額なコストをかけてチラシを撒くよりも、既存客あてにDMを出した方が集客も多いし、かつコストもかからないということがよくあるのです。

というようなことが、次第にわかってきたのです。

そこで、いったんお客になった人については、他店に流出しないように良い関係性を維持していくことが、最近のビジネスでは大切になってきています。

顧客生涯価値をビジネスに生かす方法

  • 顧客のABC分析などの利用が良い例です

ABC分析という手法があります。

まず顧客一人一人の一年間の売上額や粗利額を一位から順に並べていくのです。

エクセル等を使えば簡単にできます。

そして、上からABCという順番でランク分けしていくのです。

パレートの法則(もしくは20-80の法則)というのがあって、大体売上の70~80%は上位20%~30%程度のお客によって占めらているというのがあります。

そこで上位20%~30%のお客はAランク客として、特別プレミアムをつける等、他の店に浮気しないように顧客維持策を実施しきます。

また、Bランクに該当した人は、Aランクに入るようにしていきます。

よく、「あなたは現在〇〇ランクです。あと〇〇円購入すると▲▲ランクになります。▲▲ランクになりますと、◇◇の特典が受けられます」というような販促手法があります。

これは、店の売上向上と顧客のランクアップを同時に促進する手法でもあります。

他にもありますが、これらが顧客生涯価値を考えたマーケティング手法です。

まとめ

  • 顧客生涯価値とは何か?

特定の店舗などでの顧客の一生涯の購買額・利益額

  • 顧客生涯価値の重要性

新規の顧客を開拓するのは大変だからです

  • 顧客生涯価値をビジネスに生かす方法

顧客のABC分析などの利用が良い例です

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。