- 中小企業診断士に求められるものって?
中小企業診断士の資格を取って独立したいと考えているが、診断士に求められるものって勉強してきた以外にあるのかな。教えて欲しい。
これを読むと中小企業企業診断士として、独立する際に求められるものがわかります。
Contents
中小企業診断士に求められるものとは?【通常レベル編】
記事の内容
- 中小企業者が中小企業診断士に求めること(3つあります)
- 業界特有の知識・スキル・資格 (3つあります)
中小企業診断士として経験してきたことを元に書いています。
中小企業者が中小企業診断士に求めるもの
中小企業診断士は、受験勉強を通して多くのことを勉強しています。知識はあるのです。でも中小企業が現場で求めるものはそのようなことではないのが普通です。
実際3次実習でやるような本格的な診断実務は、多くの中小企業診断士は通常業務としては行っていないことが多いと思います。現場では、もっと具体的で現実的なアドバイスが求められます。
例えば、具体的には次のような案件がよくあります。
中小企業診断士になると、公的機関の専門家として登録します。ある日中小企業の相談にのって欲しいと、公的機関から依頼がきます。あなたはその中小企業を訪問します。
そこで求められるのは、次のようなことなのです。
これらに対応できるような中小企業診断士になることが必要です。
- 中小企業者が中小企業診断士に求めるもの
①具体的であること ②確実な効果が見込めること ③簡単にできること |
①具体的であること
- 抽象論ではなく具体的であること
最初は相手の話を聞いて、理解した上で、具体的なアドバイスができることが求められます。
相手の話を聞いて、問題の本質を理解した上で、それを解決できる具体的な方法を説明するのです。
中小企業者は抽象的な話にはあまり興味がないのです。
例:相手「物が売れないのでどうしたら良いですか?」 私「マーケティングの仕組みをつくりましょう」 相手「それって具体的にどうやるのですか、何をしたらいいのですか」
抽象論だとこういうことになるので、 私「では、まず〇〇をやりましょう。やり方はこうです。」 というようにするのです。 具体的な方法を示すことが必要です。 |
②確実な効果が見込める事
- 確実な効果が期待できること
効果が確実なことも重要です。効果が確実でないとなかなかやろうとはしません。やってみないとわからないことはまずやりません。
その時必要なのが成功事例です。その方法で成功している事例が集めておいて、それを示します。
成功事例があり、やれば成功するとイメージができると、やる気になってくれます。
③簡単にできること
- 難しいのはだめ、簡単なこと
成功事例を示し、いくら効果がでることがわかっても、難しいことはなかなかやってくれないのが普通です。ですから簡単にできることが実行の条件になります。中小企業者の立場に立って考える必要があるのです。
ただでさえ、中小企業は日常業務で忙しいのです。難しくて時間がかかりそうなことは、やったほうが良いとわかってはいてもなかなか着手してくれないのが現実です。
簡単にできるように、工夫していく必要があります。
例えば、情報発信のために、ホームページを作ったほうが良いですよ、とアドバイスをします。
相手もそんなことはわかっているのが普通です。ですが、自分でやるのは難しいと思っていて、業者に頼むとお金がかなりかかることになるので、やっていないのです。
最近は素人でもホームページを作ることができるシステムがあるので、それを紹介し、実際に一緒にやってみるようにします。
実際に一緒にやってみて、できそうだと感じれば、やってくれるようになります。
中小企業診断士は、適切なアドバイスをするのが仕事です。でも相手がやってくれないと成果はでません。実際にやるのは自分ではなく相手というのが難しいのです。
業界特有の知識・スキル・資格
業界特有の知識・スキル・資格を身につけておくことも必要です。
①業界特有の常識や知識 ②業界での経験 ③業界特有の資格やスキル |
①業界特有の常識や知識
- 一般的な知識では対応できないことがある
中小企業者の業界の常識や知識についても知っておく必要があります。
業界に関係なく共通する知識(上のようにホームページの作り方など)もありますが、中小企業者の相談内容により、業界のことをよく知っていないと対応できないケースもあります。
中小企業診断士の広く浅い勉強レベルではとても対応できないことがあるのです。
専門業界、専門分野を定めて、その業界・分野については深く勉強しておく必要があります。
そして、その業界でベンチマークとなる企業なども併せて研究しておくと、アドバイスの時役立つことがあります。
②業界での経験
- 業界での経験が大切
経験に勝るものはありません。
多くの中小企業診断士はどこかの業界で働きつつ資格をとっています。
中小企業診断士で独立したときは、その経験がバックボーンとなります。ですから、まわりを見渡すと、以前働いていた業界を専門業界と定めて活動している中小企業診断士が多いのです。
中小企業診断士の知識は実際の経験があると、知識だけのものよりもアドバイスや指導にも説得力が生まれます。
将来中小企業診断士になって独立しようと思っている方も、その業界での経験がバックボーンになることを考えて仕事をしていくことをお勧めします。例えば、意識して人脈を作っておくようにすると良いかもしれません。
③業界特有の資格やスキル
- 専門業界、専門分野の資格・スキルを取得する
あなたが所属している業界の資格やスキルがあったら取得しておくと、中小企業診断士として独立したときに役立つ可能性があります。
私は家電小売業界にいたとき、会社では販売士の資格取得が奨励されていました。
当時、私はそんな資格を取っても売れるようになるわけではない、という考えで販売士は取得していませんでした。
でも、現在では結局販売士一級を取得し、それが仕事になることもあります。
そのころ取っておいてもよかったかなあ、と思います。
また、家電小売業界にいたので、「家電製品アドバイザー」という資格も、中小企業診断士になったあと取得しています。
そのおかげで、大手家電量販店の店員を対象に「家電製品アドバイザー」講座の講師を努めたこともあります。
あなたの業界にもそのような資格があれば、取得しておくと良いかもしれません。
まとめ
中小企業診断士に求められるものとは?【通常レベル編】
①具体的であること ②確実な効果が見込める事 ③簡単にできること
①業界特有の常識や知識 ②業界での経験 ③業界特有の資格やスキル |
今回は【通常レベル編】ということで書いてみました。
いつになるかは言えませんが、高度編についてもそのうち書きたいと思います。