安倍首相辞任、アベノミクスの結果は?
昨日、安倍首相は体調悪化を理由に、総理大臣辞任の発表を行いました。
持病を薬で押さえつつ、ここまできたのですが、今年に入って新型コロナウイルス感染症拡大などの問題もあり、ストレスが相当あったのだと推察します。
そのせいで薬も効かなくなったしまったのかもしれません。
ともかく長い間、お疲れ様でした、と言いたいと思います。
さてその安倍首相ですが、やった政策はアベノミクスといわれます。
アベノミクスとはいったい何だったのでしょう。
そしてアベノミクスは効果があったのでしょうか。
今回は、そんなことを考えながらブログを書くことにしました。
この記事を読むと、アベノミクスとその結果について、第三の矢以外についてはある程度わかるようになります。
Contents
安倍首相辞任、アベノミクスの結果は?
本記事の内容
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- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴は10年以上です。
アベノミクスとは
- 大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本柱
アベノミクスは大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の柱からなります。三本の矢と言われるものです。
それぞれの矢の内容について、書いていきます。
大胆な金融政策(第一の矢)
- 無制限の量的緩和
第一の矢は大胆な金融政策です。
金融政策とは、市場(金融機関)にお金を供給することです。
2%のインフレを目標に市場にお金を供給していきました。
なぜ、そんなことをやったのかというと、日本がデフレ(商品サービスの価格が下がっていく状況)だったからです。
お金がじゃぶじゃぶになれば、お金の価値が下がり、結果として相対的に商品サービスの価格が上がると考えたからです。つまりインフレになると考えたのです。
(そのように考える偉い経済学者さんの意見を取り入れたのです。でも経済学者が考えていたようにはなりませんでした。ですからこの件については安倍さんが悪いというわけではないと思います。)
金融政策のやり方は、金融機関が保有している国債を日銀が買い取るというものです。
この結果、金融機関では国債保有が減少し、かわりにお金が増えていくということになります。お金がじゃぶじゃぶな状態ということです。
機動的な財政政策(第二の矢)
- 大胆な公共事業
第二の矢は機動的な財政政策です。財政政策とは、政府がお金を支出して事業を行うことです。ようするに公共事業をじゃんじゃんやっていって、お金を回していきましょうというこです。
デフレで民間最終支出や設備投資は冷え込んでいるので、政府が積極的にお金を使って、経済を回す発火装置になろうとしたののです。
民間投資を喚起する成長戦略
- 成長産業への投資など
第三の矢は成長戦略です。これから成長が見込まれる成長分野に積極的に投資を促していこうというものです。
具体的には健康長寿社会から創造される成長産業への投資、一億総活躍社会を目指すための成長戦略、女性が輝く社会を目指しての投資などです。
アベノミクスの効果
大胆な金融政策(第一の矢)の効果
- 目だった効果は見られなかった。
アベノミクスの大胆な金融政策(第一の矢)の効果はほとんど見られなかったといえると思います。
理由は、単純です。
金融機関にお金がじゃぶじゃぶになっても、それがどうしたということです。
誰も借りて使ってくれなければお金が回る訳はないからです。
デフレなので、企業は設備投資をする意欲はありません。
設備投資をしても儲からないとわかりきっているからです。金融機関にお金がありあまっていてもそんなのは関係ないのです。借りることはないのです。
デフレは社会全体で見れば、供給能力が需要を上回っている状態のことです。
モノ余りの状態ということです。
だから企業は少しでもモノを売ろうとして価格を下げていき、価格競争になっているわけです。企業は儲からないので従業員の給料も増えず、マクロで見れば結果として民間最終消費支出も伸びていかないのです。
設備投資は供給能力を更に高めることです。
そんなことをしたら、需給ギャップはさらに大きくすることになります。更に安売りの圧力が高まります。企業がそんなバカなことをするわけはありません。
ということで、結果として金融機関のじゃぶじゃぶのお金はじゃぶじゃぶになったままということになりました。
日銀は金融機関から国債を買い取っていったので、国債を多く持つことになったのです。(そのようにして、お金を金融機関に供給していったわけです。)
ただそれだけのことです。
別にデフレが解消されたわけではありません。
令和元年12月末の国債保有状況(日銀が国債を多く持っていることがわかります)
出典:政府資料https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf
機動的な財政政策(第二の矢)の効果
- 大胆な公共事業はやっていません
アベノミクスの第ニの矢は大胆な財政政策でした。
財政政策の代表は公共事業です。
ですが、大胆な公共事業は特にやっていません。
それは、GDPの推移を見ればあきらかです。(公的固定資本形成というのが公共事業にあたります。)
アベノミクスは2006年頃から言われ始めたのですが、公共事業は増えていません。ずっと同じぐらいの支出を続けているだけです。むしろ2000年以前のほうが多く支出しています。
GDP推移の状況
※内閣府のGDP統計をもとに中小企業診断士KAZUTOYOが作成
やっていなければ、効果が出るはずはありません。
公共事業をきっかけにお金が回っていって、景気がよくなりデフレが解消されるということもなかったのです。
民間投資を喚起する成長戦略(第三の矢)の結果
- わかりません。m(__)m
第三の矢は成長戦略ですが、この分野での効果については勉強しておらずわかりません。
申し訳ありません。
まとめ
安倍首相辞任、アベノミクスの結果は?
アベノミクスは大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の柱からなります。三本の矢と言われるものです。
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