NTTの「ハローページ」が終了
NTT東日本とNTT日本は、今まで発行してきた「ハローページ」を2021年10月以降、順次終了すると発表しました。
長らく継続してきましたが、ついに終了となるのです。
ということで、今回はNTTの「ハローページ」の発行が終了するという話です。
時代の流れ、時代の変化、文化の変化を感じます。
この記事を読むと、「ハローページ」の発行を終了する理由についてもわかります。
Contents
NTTの「ハローページ」が終了
本記事の内容
|
- この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは家電量販店店員(サラリーマン)として10年以上の経験があります。
- 中小企業診断士としての活動歴も10年以上です。
NTTの「ハローページ」とは
- 名称を変えて存続し、約70年の歴史
NTTの「ハローページ」は昭和26年(1951年)から名称を変えて69年続く50音順電話帳です。
この年に電話帳が職業別と人名別(50音別)の2冊に分かれましたが、50音の人名別電話帳が、1984年に「ハローページ」という名称になり、継続して発行されてきたのです。
職業別の電話帳は「タウンページ」という名称になりましたが、「タウンページ」については発行を終了させるわけではなく、今後も続いていきます。
ちなみに「タウンページ」、「ハローページ」という名称については一般公募により決められたそうです。
「職業別電話帳」、「人名50音別電話帳」のほうがわかりやすいと思いますが、当時は多少わかりにくくても堅いイメージの名称よりも柔らかい印象を与える名称にしたかったのだと思います。
そのような時代だったのでしょう。
「職業別電話帳」、「人名50音別電話帳」は聞けばすぐに理解できますが、「タウンページ」、「ハローページ」という名称だと、一回頭の中で意味を変換する作業が必要です。
わかりににくくなるのでKAZUTOYO的には、わざわざ名称を変える必要はなかったような気がします。
「ハローページ」発行終了の理由
|
「ハローページ」発行終了の理由は主に3つあります。それぞれについて見ていきます。
①発行部数激減
- 「ハローページ」発行終了の直接的な理由は発行部数の激減です。
「ハローページ」は個人名偏と企業名変編の2種類があり、全国を900の地域に分けて発行しています。2020年の発行部数は計120万部となっていて、ピーク時の6500万部(2005年)の1.8%しかありません。
まさに激減です。この発行部数激減が発行終了の直接的な理由です。
②携帯電話の普及
- 携帯電話の契約数が固定電話を超えた
それでは、「ハローページ」発行部数激減の理由は何だったのかと言うと、それは移動電話(携帯電話やスマートフォン)の普及がまず挙げられます。
次のグラフは総務省の平成27年度版「情報通信白書」の通信サービス加入契約者数の推移を示したものです。
通信サービス加入契約者数の推移
出典:総務省https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc111220.htmlより
移動電話の契約数が固定電話を超えたのが2000年から2001年あたりです。
だんだんと家の固定電話にかけることが減り、個人の携帯電話にかけることが増えていったと考えられます。この結果、固定電話の電話帳の必要性が薄れていったと推察されます。
③個人情報保護への意識の高まり
- 電話帳に電話番号を掲載しないようになった
個人情報保護の意識が高まり、個人情報保護法が2003年に成立し、2005年に施行なっています。
その後、個人情報保護法は改正されて現在も運用されています。
最近は、自宅の固定電話の電話番号や住所を電話帳に掲載しない方が多くなっています。
氏名や電話番号、住所を掲載する個人名偏の掲載件数はピークの1990年度の2600万件から2020年度には1100万件と半分以下になっているのです。
昔は、電話を備えたら電話帳に掲載してもらうというのが常識だったですが、時代も変化し人々の考え方も変わったのです。情報をさらすことのリスクを考えて電話を入れても情報の掲載をしない選択をする方が増えていると言えます。
まとめ
NTTの「ハローページ」が終了
NTTの「ハローページ」は昭和26年(1951年)から名称を変えて69年続く50音順電話帳です。
3つあります。 ①発行部数激減 「ハローページ」発行終了の直接的な理由は発行部数の激減です。 ②携帯電話の普及 携帯電話の契約数が固定電話を超えたことも要因です。 ③個人情報保護への意識の高まり 電話帳に電話番号を掲載しないようになったことも要因です。 |