漁業者の減収対策基金が枯渇?
自然を相手にしている農業や漁業には常にリスクがつきまといます。いつ不作や不漁になるか予測するのは難しいですし、その原因となる事象も様々です。
こうしたリスクに備えて、漁業では減収対策のための基金を設けています。
この基金があるので、リスクがあってもなんとか続けていけるのです。
ですが、この基金が現在枯渇するかもしれない状況になっているというのです。
今回は、この話です。
この記事を読むと、漁業者の減収対策のための基金のこと、その基金が枯渇の危機にあることがわかります。
Contents
中小企業診断士の視点:漁業者の減収対策基金が枯渇する?
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
漁業者の減収対策の基金とは?
- 名称は「積立プラス」
業業者の減収対策のための基金の名称は「積立プラス」と言います。
財源は国が3/4、漁業者が1/4負担することになっています。
基金の目的は、漁業者が減収となったときに、漁業共済の補填に上乗せする形で補償を与えることです。
支給の基準は、原則として漁業者の収入が平年の9割を下回った時としています。
基金枯渇危機の理由
- 不漁が原因
秋サケやサンマ、イカなどの漁獲量の減少、のりの不作で、漁業者の収入が減ったことです。それにともなって基金からの支出が急増したことが原因となっています。
2015年度末時点で635億年あった国の拠出分の基金残高は、18年度末に312億円までに急激に減少しています。
18年度には、国の拠出分からの支出が前年度より約5割多い266億円に拡大し、19年度もこれを上回る勢いで支出が見込まれ、基金残高がさらに減少するものと推測されています。このままだと、基金が枯渇するのも時間の問題となっています。
政府は、基金の追加財源経費として19年度補正予算案と20年度予算案に合計で353億円を計上しましたが、それでもまだ、不安は残ったままです。
基金が枯渇したらどうなるのか?
- 国からの補填が満額出ない
基金が枯渇すると、漁業者が減収となっても国からの拠出金が満額支払われないことになります。
このため、水産庁は支出を抑制するため、現行の制度を見直したいと考えていますが、それは補償の基準を切り下げることにつながり、(例えば、現行の支給の基準では収入が平年の9割を下回った時ですが、それを8割にするなど)、すんなりとはいかないと考えられます。
まとめ
業業者の減収対策のための基金の名称は「積立プラス」と言います。 財源は国が3/4、漁業者が1/4負担することになっています。
秋サケやサンマ、イカなどの漁獲量の減少、のりの不作で、基金からの支出が急増したことが原因となっています。
基金が枯渇すると、漁業者が減収となっても国からの拠出金が満額支払われないことになります。 |