中小企業診断士の視点:企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしている

企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしている

内緒のことですが、企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしています。

中小企業診断士になって、独立して初めて実感としてわかるようになりました。

それまで、そんなことを考えたことがなかったからです。

KAZUTOYOが普通のサラリーマンを続けていたら、ずっとわからなかったと思います。

ということで、今回は企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしている、という話です。

この記事を読むと、見方によってサラリーマンは決して得な生き方でない、ということがわかります。

でも、あまり人に言わないでください。

企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしている

記事の内容

  • 企業サラリーマンのリスク(3つあります)
  • 企業サラリーマンが損な理由(3つあります)

この記事は長年の企業サラリーマン経験がある中小企業診断士のKAZUTOYOが体験を元に書いています。

企業サラリーマンのリスク

  1. 社長に人生を預けている
  2. 業種によって給料はだいたい決まっている
  3. 外でも通用する技能やスキルを身に着けないとあとで悲惨

①社長に人生を預けている

  • 他人に人生をまかせきりにするのはリスクがある

企業サラリーマンのリスクは、まずこれです。サラリーマンになるということは、社長に自分の人生を預けることになります。

社長が超優秀だったら良いのですが、そんなことは普通ないからです。

最近は環境の変化も激しくなっているので、その環境の変化に社長の頭がついていけるかも重要です。

(KAZUTOYOのもといた会社も結局倒産しました。)

人に自分の人生をまるっきり預けてしまうのは、やはりリスクがあるのです。

最もかつての本田宗一郎さんのような、カリスマ性があって、この人ならついていきたいと思わせるような社長ならしかたないかもしれないですが。

でも、その場合でも、その会社に入社したこと、その社長についていくのはあくまで、自分の責任なのです。

もっとも本田宗一郎さんは自分が時代についていけなくなったと悟ったら、自ら退きましたが。そのへんはさすがだと思います。

②業種によって年収はだいたい決まっている

  • しっかり研究することが大切です

業種によって年収はだいたい決まっているというのは、長年生きてきた人ならなんとなくわかっていると思いますが、KAZUTOYOが大学卒業時は全く考えていませんでした。

まあ、ろくに研究をしなかったKAZUTOYOがアホだっただけなのですが。

小売業界に入ってみて始めて、小売業界は一般的に給料水準が低いことがわかったのです。

業種によって、年間の所得にだいぶ開きがあることなど、当時のアホなKAZUTOYOは考えていなかったのです。

ただ、中小企業診断士になって企業規模の小さい企業の実態を知ると、確かに有名な大企業と比較すれば、給料は低かったのですが、それでも恵まれていたと思うようになりました。(KAZUTOYOは小売業でしたが、当時の年収は450万円~500万円ぐらいでした)

③外でも通用する技能やスキルを身に着けないとあとで悲惨

  • スキルや技能を身につけることが重要

サラリーマンでも在職中になんらかのスキルや技能を身につけておくことが大切です。

でないと、リストや会社の倒産などによって、いきなり放り出されるとその後悲惨なことになります。

良い例がKAZUTOYOです。KAZUTOYOは家電の小売業出身でしたが、特に何の技能やスキルも身に着けていませんでした。

そして、その状態で会社を去ることになるのですが、何のスキルや技能もない中年のおっさんが再就職するのは困難です。経験のある家電の小売業だったら、どこか拾ってくれるところもあったかもしれませんが、もう十分、お腹いっぱいの気持ちで、同じ業界に戻る気持ちはありませんでした。

となると、雇ってくれるところなどどこにもないのです。

外でも通用する技能やスキルを身に着けておくことがいかに大切か身に染みてわかったのです。

企業サラリーマンが損な理由

  1. 費用を計上できない
  2. 固定資産を減価償却できない
  3. 特別控除枠がない

①費用を計上できない

  • サラリーマンには費用計上と考え方はありません

KAZUTOYOはフリーランスの中小企業診断士です。自営業者というわけです。

自営業者は、年度末に所得を税務署に申告する必要があります。

その際、業務用として使ったお金は費用として、所得から差し引くことが許されています。税金は得られた所得に対して一定の税率でかかってきますので、費用が大きくなると納税額は低くなります。

一方、サラリーマンは違います。何に使おうが普通費用にはできません

そもそもサラリーマンの税金は給料天引きでごそっと抜かれていて、手出しはできません。

年末調整で、多少もどってくるだけです。(KAZUTOYOもサラリーマン時代が長かったので経験しています)

でも自営業のKAZUTOYOの場合、ノートやペン、コピー用紙などは経費なので、使った分は所得から差し引くことになります。

プリンタ―のインク、その他パソコン用のパーツ(例:マウス、SDカード・・・)なども仕事用なので経費です。

その他、携帯などの通信費、車のガソリン代なども経費になります。

これらは費用なので、所得から差し引くことができるわけです。当然税金も低くなります。

一方サラリーマンは費用を計上して、納税額を低くすることはできないのです。

(副業している人は別です)

②固定資産を減価償却できない

  • でっかい買い物も費用にできます。

自営業者の場合、高額な買い物も減価償却ということで、費用化できる場合があります。

例えば、自動車やパソコンなどです。簿記では固定資産になります。

一定のルールはありますが、固定資産を購入したらその額のうちの何割かは費用にできるのです。

例えば、200万円の自動車を購入したとして、仕事で使う割合が90%であれば、180万円分は仕事用ということになり、残存価額1割とすると162万円程度を費用にできます。(年割など複数年にわたって費用化していくことになります)

パソコンも同じことがいえます。

ということは、それだけ納税額も低くすることができます。

よく開業医の先生が高級車に乗っているのを目にしますが、あれも節税です。

1000万円の車でも90%は仕事用だと言い張れば、固定資産の減価償却として毎年の費用になって納税金額を低く抑えることができるのです。

そんなことは自営業になって始めて知りました。サラリーマン時代には想像もできませんでした。

サラリーマンは損しているなあ、と思います。

③特別控除枠がない

  • 正規の簿記でちゃんと申告するご褒美です

自営業者が税務署への納税申告で、ちゃんと簿記の技術で帳簿を作っている場合、税金の特別控除が受けられます。

青色申告特別控除という制度です。

来年度から制度が少し変わるようですが、青色申告特別控除だと65万円の税額控除になるのです。

ということは、それだけ節税効果があるのです。

サラリーマンには関係ない話です。

実際の話、自営業者の年間所得500万円と額は同じでもサラリーマンの年収500万円の生活レベルはまったく違います。

自営業の人はいろいろ費用を差し引かれての所得が500万ですが、サラリーマンの年収の500万円は差し引かれる前の金額だからです。

そうそう、今思いだしましたが、車の車検も自営業だったら費用です。そのような費用が差し引かれての結果が自営業の場合、所得になるのです。

まとめ

企業のサラリーマンにはリスクがあるし、損もしている

企業サラリーマンのリスク

  • 社長に人生を預けている

人に自分の人生を預けてしまうのは、やはりリスクがあるのです。

  • 業種によって年収はだいたい決まっている

これから就職・転職を考えている人はしっかり研究しましょう。

  • 外でも通用する技能やスキルを身に着けないとあとで悲惨

KAZUTOYOの二の舞にならないようにしましょう

企業サラリーマンが損な理由

  • 費用を計上できない

サラリーマンには費用計上と考え方はありません

  • 固定資産を減価償却できない

自営業だとでっかい買い物も費用にできます。

  • 特別控除枠がない

自営業は正規の簿記でちゃんと申告するとご褒美があるのです。

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。