資本性借入金(資本性劣後ローン)
KAZUTOYOが中小企業診断士として独立し、ある程度時間が経ったころ経営改善計画策定の話がきました。
引き受けたのですが、提出する書式の中に「資本性借入金」というものがありました。
資本性借入金とはなんだろう、当時のKAZUTOYOには初耳でした。
ということで、今回は資本性借入金の話です。
この記事を読むと、資本性借入金(資本性劣後ローン)についてわかるようになります。
Contents
資本性借入金(資本性劣後ローン)とは
本記事の内容
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- この記事は、中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
- KAZUTOYOは中小企業診断士になる前、家電量販店店員(パソコン売り場も担当)として10年以上働いた経験があります。
- パソコン売り場にいたこともあり、IT関連の知識も多少あります。
- 中小企業診断士としての活動歴も10年以上です。
経営改善計画書に「資本性借入金」という用語
- 意味がわからず、困惑
経営改善計画書について興味がある方は、「経営改善計画書」で検索してもらえれば、どなたでもダウンロードできます。
さて、当時経営改善計画書をダウンロードして眺めていたら、あるページに「資本性借入金」という用語がありました。
「資本性借入金」という用語をみたのはその時が初めてでした。中小企業診断士の勉強をしていたときには出てこなかったと思います。
意味がわかりませんでした。
資本は資本で、借入金は負債になります。そう勉強してきました。
ですから、「資本性借入金」と書かれていても何を意味するのかまったくわからなかったのです。
サラリーマン経験では出会わない
- 実務の経験がないと出会わない用語
KAZUTOYOはもともと家電量販店で働いていて、それから中小企業診断士になりました。
サラリーマンの経験しかなかったのです。
一介のサラリーマンでしかなかったので、金融機関の人と融資の話などしたこともなく、そもそも付き合いもなかったのです。
財務・金融関連の実務経験はまったくなく中小企業診断士の勉強で得た知識が全てだったのです。
そんな生活の中では、「資本性借入金」に出会うこともなかったのです。
資本性借入金((資本性劣後ローン)とは
- 金融機関が資本と考えることができる借入金
資本性借入金についてわからなかったので、ネットで検索して調べてみました。
ただ、当時はあまりわかりやすく説明しているサイトが少なく、複数のサイトをあさっているうちになんとなく、イメージが出来上がってきました。
また、資本性借入金のことを資本性劣後ローンとも書いている理由についてもわかってきました。
資本性借入金は、償還日(5年超が多い)まで借入金の元本返済がない借入金のことです。ですので資金繰りの改善には有利となります。その分月々の支払利息の利率は高くなるようですが。
「劣後」とは、他の特定の債権または一般の債権より返済順位が劣る(後になる)ことです。
(ですから劣るというのは、金融機関かの視点です。借りる側の視点ではありません。)
会社が倒産した場合などは、その会社の資産整理を行います。残った資産は債権者全員に分配されるわけではなく、債権の種類によって優先順位が決まっているのです。従業員の給与などは優先される債権で、その支払いを優先させます。
資本性借入金の場合は返済順位が低いので返済されない場合もあるのです。
(この点で、金融機関はリスクを負うことになります。ですから、金利設定が高くなっているのです。)
企業が倒産した場合は、ほぼ資金の回収できない点で株式会社の株と似たような性格のため、資本的な性格を持つ借入金ということで「資本性借入金」というのです。
「資本性借入金」は金融機関が企業の財務状況等を判断するに当たって、負債ではなく、資本とみなすことができる借入金となります。
資本性借入金の事例
新型コロナウイルス感染症で影響を受けている中小企業者に対して、日本政策金融公庫では「新型コロナ対策資本性劣後ローン」を取り扱い、中小企業を支援しています。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/shihonseiretsugo.pdfより
まとめ
金融機関が資本と考えることができる借入金のこと |