中小企業診断士の視点:大卒の3年以内離職率

大卒の3年以内離職率

地元新聞に大卒の3年離職率に関する厚生労働省の調査結果が掲載されていました。

今日は、その話です。

この記事を読むと、大卒の3年以内離職率についてと、産業別の離職率などがわかります。

 

中小企業診断士の視点:大卒の3年以内離職率

記事の内容

  • 大卒の3年以内の離職率
  • 大卒の3年以内の離職率の推移
  • 産業別の離職率
  • 規模別の離職率

この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。

 

大卒の3年以内の離職率

  • 大卒の3年以内離職率は32.0%

厚生労働省の調査によると、2016年の大学卒業者のうち、3年以内に仕事を辞めた人の割合は32.0%であることがわかりました。

これは前年比0.2%増加です。

 

大卒の3年以内の離職率の推移

  • 推移について調べました

新聞には今年の離職率についてだけが記載されていましたが、いったい過去はどうなんだろうと思い厚生労働省のサイトを探していたら、見つけました。

それによると、32.0%の離職率はそう高い数値ではないことがわかりました。

36%近い年もあります

過去の推移を知らないと、離職率が高いものと勘違いしてしまいます。

厚生労働省のホームページの該当ページを参考に過去の離職率の推移を調べた表を以下に掲載します。

卒業年 離職率(%)
2003年 35.8
2004年 36.6
2005年 35.9
2006年 34.2
2007年 31.1
2008年 30
2009年 28.8
2010年 31
2011年 32.4
2012年 32.3
2013年 31.9
2014年 32.2
2015年 31.8
2016年 32

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html

厚生労働省ホームページの上記ページを参考に作成しました。

 

産業別の離職率

  • 宿泊業・飲食サービス業が最も高い

産業別の離職率上位5産業を見ると、高い順に

  1. 宿泊業・飲食サービス業:50.4%
  2. 生活関連サービス業・娯楽業:46.6%
  3. 教育・学習支援業:45.9%
  4. 医療・福祉:39.0%
  5. 小売業:37.4%

となっています。

 

中小企業診断士KAZUTOYOの視点

離職の原因はいろいろあります

接客接遇を伴い、不特定多数の人と接する仕事はストレスがたまります。宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業や小売業はストレスが多い仕事といえます。

それが、原因で辞める人も多いと思われます。

 

また、教育・学習支援業では、親御さんの問題もあろうかと思います。モンスターペアレントの存在はよく言われていることです。

 

医療・福祉系は、仕事はきついかもしれないですが、やりがいがあると感じて勤めるものの、給料がかなり安いという話も聞きます。(医者や看護師の給料は安くはないと思いますが、介護やリハビリ系の職種の人はかなり給料が安いと聞きます。)

 

また、小売業の給料水準も一般的にそう多くないのは、自分の経験からもわかります。また、休日は出ないといけないですし、休みも少ないことが多いです。

 

職場の人間関係もありますが、早期に離職するのは、給料面と仕事自体の問題(きつい、ストレスが大きい)、休日(年間労働時間)などの面が大きいと考えています。給料が低くてストレスが多くきつい仕事は、「あわない。やってられない」と思うのが人情です。

 

製造業もラインでの流れ作業などは仕事もきつそうで離職率が高いように思われがちですが、上位5産業にははいっていません。製造業は不特定多数の人と接する仕事ではないため、接客業と比較すれば精神的にはまだストレスが少ないこと、給料面が低いとはいえなこと等が理由かなと考えます。

 

KAZUTOYOは中小企業診断士になる前、大手メーカーの工場で派遣社員として働いたことがありますが、

精神的には、小売業と比べ楽だと感じました。まあ、派遣ということで、責任を負うことがなかったのもあります。

 

 

規模別の離職

  • 小規模ほど離職率が高い

企業の規模別では、従業員5人未満の離職率が57.7%と高く、従業員1000人以上は25.0%となっています。

 

小規模の企業ほど、離職率が高い理由について考えてみました。

中小企業診断士KAZUTOYOの視点

小規模の企業ほど、離職率が高い理由

まず一般的に小規模の企業は、1000人以上の企業と比べれば給料も低く、福利厚生や待遇面も良くないことが考えられます。

また、年間の休日にも差があると考えられます。

ですから離職率も高まるものと考えられます。

 

また、小規模企業に勤務の場合、同程度の企業規模への再就職は、それほど困難ではないと考えているかもしれません。だから以外と簡単にやめる決心はつくのです。

ですが、従業員1000人以上の企業に勤めていた人は、辞めてまた同程度の企業に再就職できるかというと、それは簡単にはいかないと考えるのではないでしょうか。だからそう簡単にはやめる決心はつかないのです。

 

まとめ

  • 大卒の3年以内の離職率

大卒の3年以内離職率は32.0%

  • 大卒の3年以内の離職率の推移

36%近い年もあります。32%は高いとはいえません。

  • 産業別の離職率

宿泊業・飲食サービス業が最も高く50.4%です。

  • 規模別の離職

小規模ほど離職率が高い

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。