中小企業診断士の視点:Yahoo!がZOZOを買収した件

Yahoo!がZOZOを買収した件

9月12日や9月13日の新聞記事やニュースでは、Yahoo!がZOZOを買収したことが大きく報道されていました。

そのことについては、知らない人がいないくらい大きなニュースでした。

今回は、Yahoo!がZOZOを買収したことに関して記録の意味も込めて書いてみたいと思います。

この記事を読むと、Yahoo!がZOZOを買収した理由、できた理由がわかるようになります。

また、ZOZOの前社長の前沢氏が魅力的であったらしいことがわかります。

 

中小企業診断士の視点:Yahoo!がZOZOを買収した件

記事の内容

  • Yahoo!がZOZOを買収した背景にあったもの
  • Yahoo!とZOZOの企業情報
  • ZOZOの前社長前沢氏について

この記事は、地元新聞に書かれていた情報をもとに中小企業診断士のKAZUTOYOがまとめたものです。

Yahoo!がZOZOを買収した背景にあったもの

Yahoo!の背景

  • アマゾンや楽天の上位2社とYahoo!には大きな開き

Yahoo!の2019年3月期の商品取り扱い高は2兆3千億円で、国内最大とされるアマゾンや旅行事業などを含め取り扱い高3兆5千億円規模の楽天とは大きな開きがありました。また、物流機能に弱点を抱えていたようです。

 

ZOZOの背景

  • アマゾンの追い上げが厳しい

アマゾンはネット通販では巨大ですが、今まではファッション・衣料の面では強いとはいえませんでした。しかし、アマゾンも最近はファッション・衣料の分野に力を入れるようになってきていました。

世界最大級のファッション専用のスタジオを東京に設けて、アパレル製品を撮影できるようにしています。

 

また、有料会員向けに無料の試着サービスを提供するようになっています。

更に、サイト自体の使い勝手も常に進化し、より良いものになっています。

近年では、ZOZOの売上に肉薄しているという声もあります。(ファンション分野の話ですが)

 

こうした背景があり、前沢氏は自社の経営に危機感を抱いていたのだと推察されます。

 

また、ZOZO自体は女性客には人気が高いのですが、中高年や男性客の取り込みには課題を抱えていました。

 

両社の思惑が一致

  • 両社の思惑が一致しての買収劇

Yahoo!側の視点

Yahoo!はZOZOの売上を取り込むことができます。

(ZOZOの2019年3月期の売上高1184億円)

ZOZOを買収することで、少しでもアマゾンや楽天に近づくことが可能となります。また弱かった物流を強化できることにもなります。

 

ZOZO側の視点

ZOZO側にはアマゾンの追い上げにより、今後の成長が厳しくなってきたと思いがあったはずです。アマゾンの追い上げもあり、最近の売上も芳しくないため、会社自体がどうなるかわからない状況だったはずです。

 

将来的にも今後の成長のためには、中高年や男性客の取り込みが必要です。Yahoo!に買収してもらうことでそれが実現できるものと判断したのではないでしょうか。

 

Yahoo!とZOZOの企業情報

  • Yahoo!とZOZOの企業情報と両社の歩み

Yahoo!とZOZOの企業情報と歩みは以下のようになります。

  Yahoo! ZOZO
商品取扱高 2兆3400億円 3200億円
売上高 9547億円 1184億円
純利益 786億円 159億円
従業員数(単体) 6500人 550人
     
歩み Yahoo! ZOZO
1996年 Yahoo!設立。検索サイト「Yahoo!ジャパン」開設  
1998年   スタートトゥデイ(現ゾゾ設立)
1999年 インターネットオークションなど通販事業開始  
2000年   CD・レコードのネット通販開始
2003年 ネット決済事業開始。東証一部上場  
2004年   ファッション通販サイト「ゾゾタウン」の運営開始
2006年   通販用物流センター設置
2007年   東証マザーズに上場
2012年 アスクルと資本業務提携。ネット通販ロハコ事業開始  
2013年 通販事業を拡大させる新戦略を発表  
2018年 スマートフォン決済「ペイペイ」開始 プライベートブランド「ゾゾ」販売開始。ゾゾに社名変更
2019年 Yahoo!がゾゾ買収を発表。ゾゾ創業者、前沢友作氏が社長退任

 

ZOZOの前社長前沢氏について

  • 経営者の前はドラマー

ZOZOの前社長の前沢氏は、もともとバンドマンでドラマーだったそうです。プロデビューしたこともあるとのこと。音楽活動を通しての人脈も多いようです。

2000年にCD・レコードのネット通販を始めたのもこうした背景があったのです。

 

また、バンドマンだったとことも影響してか、「僕の経営手法は感性」と話しています。経営は自分の感性でおこなっていたようです。

また、「好きなことを突き詰めていたら、社長になっていた」とも言っています。

人間的にも魅力があったようで幹部も前沢氏を慕って集まってきていたようです。

前沢氏は会社に残らない意向で、こうして集まってきた幹部が、Yahoo!にそのまま残るのかはまだ不明とのことでそれが不安材料になっています。

 

まとめ

  • Yahoo!がZOZOを買収した背景にあったもの
  1. Yahoo!はアマゾンと楽天に追いつきたいという狙いがあった。また物流に弱点があり強化したかったことが挙げられます。
  2. ZOZOに関しては以前はアマゾンの衣料分野とは開きがあったが、最近は追い上げられていたこと。最近売上不振であったことがあり、自らYahoo!の傘下になることを望んだということが挙げられす。
  3. 前沢氏には、他にもやりたいことがあるようです。

 

  • ZOZOの前社長前沢氏について
  1. バンドマンで、ドラマーとのことで感性が豊かだったようです。
  2. 人間的にも魅力的な人だったようです。慕う仲間が集まって会社になっていった、という感じです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。