中小企業診断士の視点:サラリーマンも戦略的な生き方が必要な時代

サラリーマンも戦略的な生き方が必要

昔会社に就職した人は、ほぼ就社という意味でした。

いったん、就職したらよほどのことがない限り、その会社に定年になるまでずっといるという思いでいたのです。

 

でも、そんな時代は変わりました。

大会社といえども、未来永劫ずっと安泰ということはないのです。

 

1990年代前半のバブル崩壊以降、それまで一流と言われていた会社や金融機関が倒産、合併するのを数多く見てきました。

 

会社に入ったからといって、のほほんとしていられる時代は終わったのです。

 

サラリーマンといえども、今後は自分の人生はしっかり戦略的に考えていくことが必要な時代になったのです。

 

今日は、自分の人生を戦略的に考える枠組みでサラリーマン人生を考えていきたいと思います。

 

自分のことを客観的に見つめることは必要かと考えます。

 

この記事を読むと、サラリーマンといえどものんびりとはしていられないとわかるはずです。

 

中小企業診断士の視点:サラリーマンも戦略的な生き方が必要な時代

記事の内容

戦略を考える上での枠組みはいろいろありますが、ここでは話をわかりやすくするために、現状分析、課題・問題、対策という最もシンプルな3つの枠組みを使って考えていきます。

①現状分析

②課題・問題

③考えられる対策

上の枠組みで見ると、自分や会社のことを論理的に考えることができます。何も考えず、何も準備していないと、いざというときただ慌てるだけになってしいまいます。一度考えてみることをお勧めします。

 

架空のサラリーマンAさんをモデルに考えていきます。Aさんはある知人を頭に思い浮かべ、アレンジを加え設定しました。

 

戦略的に今後を考える

  • モデル例:サラリーマンAさん

現状分析

まず、自分や会社の現状を客観的に把握します

戦略を考える上で、環境分析は必須です。ここでは自分や会社のことを客観的に把握します

自分の分析

中高年に差し掛かっている。給料もそこそこもらっている。特にこれといったスキルはない。会社から放り出されたら、自分は通用しないかもしれない、と思っている。

会社の分析

今のところ、業績は横ばいである。競合会社はあるが、パイを分け合っている状態がずっと続いている。リストラも今のところない。

 

課題・問題

自分の分析

家のローンがまだ残っている。会社をクビになったら、ローンを返済できず、家を売るしかない。

子供の教育費でもまだ金がかかる。従ってリストラのことはあまり考えたくない。もしリストラになったら、クビをくくるしかない。

 

会社の分析

社長は高齢で、しかしこれといった後継者がいないのが現状。それが不安。社長でもっているような会社で、仮に後継者が見つかっても後継者が今の社長のようなことができるかわからない。多分、無理だと思う。取引先もほぼ現社長が開拓してきており、社長がいなくなったら今後の関係がどうなるのかわからない。非常に不安。

 

マクロの分析

経団連会長やトヨタ社長の発言により、一流会社でもそうなのだから、終身雇用が守れなくてもしようがない、という雰囲気になっている。

45歳でリストラされるというニュースも、繰り返し聞くようになった。少子高齢化により日本が弱体化していって経済力も弱くなっていくのではないか、それによって長期的には我が社も徐々に衰退していくのではないかという不安がある。

 

考えられる対策

自分の対策

  • 大きな目標:将来降りかかるかもしれないリストラに備えて、今のうちから準備しておく

副業を考える

会社は副業については特に禁止はしていない。副業をしていざとなったときでも全くの無収入にならないようにして、自分の身を守るようにする。

そのために、あまりお金がかからずリスクが少ない副業を探していきたい。

副業は土日など時間があるときにやっていきたい。

 

スキルを身に着ける

特にこれといったスキルがないので、スキルを身に着けるようにする。スキルはどこの会社にいっても通用するスキルを考えている。

 

会社に残れる資格を取得する

できれば、会社を辞めたくはない。そのためには会社にいて欲しいと思わせるような存在になることが必要だと思っている・

会社にとって必要な人材になるためのスキルを身につけるのが良いと思っている。資格でいえば、例えば社労士である。難関だが社労士の資格を取れば会社に残れる可能性が高いのではないか、と考えている。

 

会社の対策

自分の会社をコントールできる権限もないし、その地位・立場でないため、考えられない。

 

Aさんは以上のように考えました。

将来を見据え、優先順位を考えて実行していきたと考えているようです。

 

中小企業診断士の考え

サラリーマンはもはや安泰とはいえません。

大企業といえども、終身雇用は維持できなくなり、実際、大手企業が45歳でリストラを始める動きを見せています。それはマスコミのニュースでも取り上げられたので、多くの方はご存知かと思います。

 

サラリーマンでも会社が一生生活を保障してくれることは、もう期待できないのです。

自分の身は自分で守るしかありません。

 

私はBCP(事業継続計画)策定支援などにも携わっていますが、個人でもBCPを考えいかなくてはならない時代になったのです。もっとも個人の場合はBCPではなくLCP(人生継続計画)と呼ぶべきかもしれませんが。

 

いずれにしても、個々人が自分の人生を戦略的に考えていくことが必要になったと考えています。誰(何)かに身を任せていれば、安全ということはなくなったのです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。