中小企業診断士の視点:経済対策108兆円の実質はたった16兆円

経済対策108兆円の実質は16兆円

政府は今回の緊急経済対策は事業規模108兆円になるとの発表をしました。

しかし、元財務官僚、経済学者の高橋洋一氏によれば、実際に日本のGDPを上げる、いわゆる真水は16兆円程度だということです。

今の日本の状況を乗り越えていくのは、まったく足りないとも言っています、

今回はその話です。

この記事を読むと、今回の緊急経済対策では到底足りないことがわかります。

また、今後どう展開してくのかわかるようになります。

 

経済対策108兆円の実質はたった16兆円

記事の内容

  • 髙橋洋一氏の動画を参考
  • 108兆円とGDPは直接関係がない
  • 実質16兆円の根拠
  • どの程度足りないのか
  • 今後の展開

この記事は、高橋洋一氏のユーチューブ動画を参考にして書いています。

髙橋洋一氏の動画を参考

  • 高橋洋一氏がわかりやすく解説する動画

今回の記事は、高橋洋一氏のユーチューブ動画「【緊急経済対策】高橋洋一が「真水」をわかりやすく解説!「真水」が足りないとこうなります…」を参考に書いています。

次の動画です。

髙橋洋一氏の【緊急経済対策】の動画

 

108兆円とGDPは直接関係がない

  • 政府の発表には違和感

今回の財政支出に民間や地方自治体の支出も合わせた緊急経済対策の事業規模は108兆円に上りました。これを受け安倍首相は国内総生産(GDP)の2割に及ぶ世界的にみても最大級の経済対策だ」と言っています。

確かに日本のGDPは約530兆円なので、間違いではないのです。

ですが、高橋氏によれば、事業規模とGDPは全く関係のない話で、次元が違うことだしています。

例えていうなら、事業規模は、企業でいえば売上のようなもので、GDPは利益のようなものだと言っています。

そもそも次元が違うことなので、比較すること自体がナンセンスということです。

 

実質16兆円の根拠

  • 政府予算の仕組みを知らないとだまされる

国家予算の話は、その仕組みを知っていないとその正確な意味はわかりません。

髙橋氏によれば、今回の緊急対策の補正予算は以下のようになっています。

髙橋洋一による今回の補正予算の仕組み

上の表の説明

①政府は財政支出は39兆円になると発表しました

②しかし、そのうち10兆円分は2019年度の未執行分です。従って残りは29兆円です。

③予算には3つの区分があり、12.5兆円は財政投融資(つまり返済しないといけない支出)で、結局返済しなくてよい支出は16.5兆円ということです。

⑤の政府関係予算については動画の中で触れておらず、不明です。

 

つまり、真水(GDPを押し上げる効果がある、返済の必要がない資金)は16兆円程度だというのです。

 

どの程度足りないのか

  • 約34兆円足りない

髙橋氏によれば、消費増税でGDPは1年ではならせば、4%程度マイナスになるということです。またコロナの影響とオリンピック延期で更に4%程度GDPはマイナスになるとしています。

ざっくりいうと、合計で約10%程度GDPはマイナスになるというのです。

 

金額にすると、日本のGDPを約500兆円と考えると、約50兆円マイナスになります。その分を政府がお金を出す必要があるのです。今回の16兆円では到底足りないということです。

足りない額は34兆円です。

 

今後の展開

  • 6月以降に一波乱

16兆円では足りないので、6月頃に予算は追加補正ということになっていきます。

安倍下ろしの動きがでてくることが予想されます。

夏のオリンピックが延期になることで、政治スケジュールが空きます。ひょっとして夏ごろ何か動きがあるかもしれないということです。

 

まとめ

経済対策108兆円の実質はたった16兆円

記事は髙橋洋一氏の動画を参考にしています。

  • 108兆円とGDPは直接関係がない

事業規模とGDPは全く関係のない話で、次元が違う話です。

  • 実質16兆円の根拠

政府予算の仕組みを知らないとだまされてしまいます

  • どの程度足りないのか

約34兆円足りない

  • 今後の展開

6月以降に一波乱あるかもしれません

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。