ニコンの業績が悪化しているらしい
今回はその話です。
この記事を読むと、キャノン、ニコンの業績の推移がわかるようになります。
また、カメラメーカーの最近の方向性についても理解できるようになります。カメラに興味がある方は既に知っていることだと思いますが、興味がない方は知る機会がないと思いますので、書くことにしました。
Contents
中小企業診断士の視点:ニコンの業績が悪化している。今後の戦略は?
記事の内容
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この記事は中小企業診断士のKAZUTOYOが書いています。
キャノン、ニコンの業績の推移
キャノンの業績
- 業績は悪くはない
キャノンの業績について調べてみました。
以下のようになっています。(クリックすると拡大します)
※出典:https://global.canon/ja/ir/finance/historical.htmlより
キャノンの業績は悪化しているとはいえません。
2018年の業績もまあまあです。
ニコンの業績
- 業績が長期的に悪化
ニコンについても業績を調べました。
調べたといっても、キャノンもそうですがニコンも同社のホームページに掲載されているので、誰でも簡単に調べることができます。
ニコンの業績は以下のようになっています。(クリックすると拡大します)
※出典:https://www.nikon.co.jp/ir/finance/performance/より
ニコンは業績が右肩下がりとなっています。
話は本当でした。
業績悪化の理由
- カメラが売れないから
キャノンもニコンもカメラメーカーです。
特にニコンはカメラやレンズ専業のイメージです。
ですから、業績が悪いのは市場でカメラの売上が悪いのではないかと簡単に想像できます。
と仮定して、調べてみるとカメラの販売台数の推移を調査したグラフを見つけました。
以下に貼り付けておきます。
※出典:https://www.bcnretail.com/market/detail/20191110_144957.htmlより
2018年のデジタルカメラ市場は2010年の約30%規模まで縮小していることが分かりました。19年は、さらに下回る可能性があります。
これだけ下がれば、作っているメーカーの売上が激減するのもわかります。
キャノンはOA機器部門やプリンター部門等でカバーできるのかもしれませんが、カメラ専業のニコンには、この影響が強く出たのではないでしょうか。
下に主要カメラメーカーの販売台数シェアのグラフを掲載しておきます。トップ2のニコンは3位のソニーとはまだ差がありますが、うかうかしてると追い抜かれるかもしれません。
主要カメラメーカーの販売台数シェア
※出典:https://www.bcnretail.com/market/detail/20190609_123343.htmlより
トップはキャノン、二位はニコンですが、ソニーも追い上げてきていることがわかります。
カメラが売れない理由
- スマホのカメラで十分だから
カメラが売れなくなってきているのは、スマホの影響が大きいと考えます。
世界的に多くの人がスマホを使うようになっています。
スマホにはカメラがついていて、手軽に写真撮影ができるようになっています。
最近は内蔵カメラの性能も良くなってきていて、別にカメラを購入しなくても、スマホで十分だと考える人が多くなっているのではないでしょうか。
また、カメラを別に用意するとなると荷物になるというのもあります。スマホと比べるとカメラは厚みがあり、がさばります。
KAZUTOYOも入門機の一眼レフカメラを持っていますが、よほどのことがない限り、荷物になる一眼レフカメラを持って出かけるのは避けたいと思っています。
普通の人はそう考えるのではないでしょうか。
最近のカメラの特徴
- 動画が撮影できる
最近は、高級カメラであっても動画が撮影できるようになっているのがほとんどです。
でもKAZUTOYOが2007年頃購入した一眼レフの入門機には動画を撮影できる機能はありませんでした。静止画オンリーです。
ここ10年ぐらいの間に、購入者のニーズが変化し、それに伴ってカメラも変化したのです。
今は、スチル型のカメラであっても動画撮影の機能は必須なのです。
動画と言えば、ユーチューブ動画がすぐ思い浮かびますが、有名なユーチューバーも従来の一眼カメラのような形のカメラで動画を撮影しています。そのような動画が多くユーチューブにアップされています。
もう、下のような縦長のカメラを使っているユーチューバーはほとんど見かけません。
今後の方向性
- 動画がきれいに撮れる製品でお手頃価格のもの
現在一眼カメラでも、動画撮影は常識になっています。今後もその傾向は継続するでしょう。
でも、今までのスチルカメラの形態のものは、動画の撮影時間が30分未満と制限がありました。
今年の2月頃から、その縛りがなくなったそうなので、今後長時間の動画撮影できるカメラが主流になっていくと考えられます。
それが、多くの人のニーズだからです。
そして、自撮りにも適したカメラもニーズがあります。下の写真のように写っている自分を確認できるようなカメラが多くの人が求める機能です。
価格について
価格は、本体10万円~20万程度が主流となると考えられるので、メーカーもその価格帯に力を入れていくのではないでしょうか。
理由は、販売台数的に主流になっていくのは、そのぐらいの価格帯だと考えられるからです。
もちろんいわゆる高級機やフラッグシップ機は必要です。
ただ、プロカメラマンかよほどのマニアか富裕層でもない限り、それらの製品群は購入しないはずです。高級機は少数派の製品群なのです。
本体10万円~20万程度の価格帯なら、カメラのことに詳しいインフルエンサーやユーチューバーが、製品を紹介する、もしくは実際に使うようになると、それに刺激されて購入する人もいると考えます。
それからいうまでもありませんが、スマホのカメラと比べて違いが明白でないと売れないでしょう。
まとめ
キャノンは悪くはありませんが、ニコンは右肩下がりとなっています。
カメラが売れていないからだと考えます。2018年のデジタルカメラ市場は2010年の約30%規模まで縮小していることが分かりました。
従来のスチル型のカメラでも動画が撮影できるのが特徴です。
動画がきれいに撮れる製品でお手頃価格のものが主流になっていくと考えられます。 |