戦略と戦術の違いって何?
私が中小企業診断士の勉強を始めた頃、戦略と戦術の違いがよくわかりませんでした。
でも、意識して良く観察すると、様々なビジネス書籍のタイトルでも戦略と戦術の違いを分かっていてつけているとは思えないようなものが多々ありました。
何でも最後に「〇〇戦略」とつければ、それらしい感じになるものです。
そして「戦略」のほうが「戦術」よりもかっこよい感じがするのは私だけでしょうか。
同じ内容の本でも「売れる接客戦略」のほうが「売れる接客戦術」や「売れる接客術」よりもよいように感じてしまうのです。
ということで、今回は「戦略」と「戦術」の違いについて書いていきたいと思います。
中小企業診断士の勉強を始めて間もない方や、あまり詳しくない方向けの内容となります。
参考にしていただければ幸いです。
中小企業診断士の視点:戦略と戦術
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戦略とは
戦略はもともと軍事用語ということはよく知られています。戦略は英語でStrategyと言います。Strategyも最近ではカタカタでよく使われるようになっています。「●●ステラテジー」と書かれたものは良く見られるようなっています。
戦略という言葉を調べていくと、以下のような語句がその特徴を表現するものとして見つかります。
- 長期的
- 総合的
- 大局的
また、複合的な言葉として
- 目標達成のシナリオ
- 将来の方策
また、辞書で調べると
「戦いに勝つための大局的な方策」とあります。
これらの語句から「戦略」とは
「長期的、総合的、大局的に考えた目標達成のための方策・シナリオ」と言うことができそうです。
といっても、ただ特徴を並べただけですが。
ですから、上で書いた「売れる接客戦略」というのは、顧客管理等までを含めたものであれば良いのですが、その場限りの「接客の会話方法・テクニック」などについて述べたものであれば、「売れる接客戦術」、「売れる接客術」というのが、正しい「戦略」、「戦術」の使い方だと考えます。
戦術
戦術ももともと軍事用語ということはよく知られています。戦術は英語でtacticsと言います。
tacticsもタクティクスというカタカタでたまに見られます。子供の頃、パソコンが普及する前、なんとかタクティクスというボードシミュレーションウォーゲームを友達といっしょにやったことがあります。当時はサイコロなんかも使ってやっていました。
パソコンでシミュレーションゲームができるようになった時には、「パソコンは凄い」と思ったものです。
同じように、戦術という言葉を調べていくと、以下のような語句がその特徴を表現するものとして見つかります。
- 方策
- 具体的手段
- 実践的計画
複合的な語句として
- 戦闘の具体的な術策
- 戦略に対してより実際的な部分のこと
- ある目的を達成するための具体的な方法・手段
これらの語句から「戦術」とは、複合的な語句の最後に書いた
「ある目的を達成するための具体的な方法・手段」が適切な意味あいになると考えます。
戦術が戦略に影響を与える
- 普通は戦略から戦術だが、逆もある
普通は戦略が上位で下位に戦術があります。
まず、戦略を考えてから、それから具体的な方策ということで戦術を考えていくのです。
ですが、逆もあります。
例えば、昔は会社のホームページを作るというのは、広報の一環で明らかに戦術レベルのものでした。
ですが、最近は変わってきています。
ネットショップが良い例です。
現在はサブ的なネットショップと本格的なネットショップが共存しています。
実店舗を持つ店が、ネットショップをサブでやってみるのは戦術的な考え方です。店主が空き時間にやるという考え方です。実店舗の延長という意味あいが強いのです。ヤリと刀で戦っていたのが、弓矢も使うようになった感じです。
ですが、現在は実店舗がない企業がネットシショップをやる、ということになっているのです
アマゾンや衣料品のZOZOTOWNが良い例です。
実店舗を持たずにネットショップだけでやっていくというのは、戦術ではなく戦略です。
そこにほとんどの経営資源を投入していくわけだからです。
昔はプロモーション戦略の一要素だった戦術レベルの技術がいつのまにか異常に発展し、その技術をもとに戦略を考えるようになっているのです。
まとめ
インターネット関連の技術は戦略にも大きな影響を与えています。 |