中小企業診断士の視点:金融庁の「年金頼み限界」報告書について

「年金頼み限界」ってどういうこと?

2019年6月3日に金融庁は、ついに「年金頼み限界」との内容の報告書を発表しました。

 

この報告書について、もう少し詳しく知りたい方もいるかと思います。

 

その内容について、6月4日に地方新聞の1面と3面に取り上げられていたので、その新聞記事の内容の一部を紹介していきます。

 

本記事を読むと、金融庁の「年金頼み限界」報告書の意図することがわかります。

 

中小企業診断士の視点:金融庁の「年金頼み限界」報告書について

記事の内容

  • 報告書のポイント(3つあります)
  • 私たちが自ら行う対応策(4つあります)
  • まとめ
  • 中小企業診断士の感想

 

この記事は、6月3日のある地方新聞の1面3面に書かれていた内容を元に、私の視点でまとめたものです。偏見もあるかと思います。その点をご理解の上、読んでいただければと思います。

 

報告書のポイント

①年金頼みは限界

②2000万円足りない

③自助努力が必要

 

①年金頼みは限界

  • 年金だけでは生活できない

年金だけでは、もはや高齢者は生活を維持できないという内容です。

 

まず、報告書の正式な名称は「高齢社会における資産形成・管理」と言います。報告書はPDFでインターネット上にアップされています。このタイトルでググってもらうとゲットできます。興味のある方はダウンロードしてみてください。

 

まず、男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の場合、年金収入だけでは月に5万円の赤字になるとしています。国民年金だけだとなおさらです。

 

私の両親は自営で国民年金を掛けていましたが、既に年金生活者です。母親が先に亡くなり父親の年金だけでは生活できなくなっています。自営でしたから退職金もありません。

 

年金は月に6万円だと聞いています。当然生活できないので、兄弟で援助しています。

 

②2000万円足りない

  • 95歳まで生きると、2000万円足りない

男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の場合、年金収入だけでは月に5万円の赤字になると書きましたが、この夫婦が20年生きると1300万円、30年生きると2000万円不足になるということです。

 

また、老後の生活資金の柱だった退職金も、直近は大学卒で平均2000万円程度となっていて、ピーク時から3割から4割程度減っていて、今後も減少傾向が続くだろうとしています。

 

そして今後の見通しですが、少子高齢化で年金の給付水準が更に下がり、不足額は更に拡大するだろうとのことです。

 

③自助努力が必要

  • 公だけでは無理、自助努力してください

数値の推移を客観的に見ていくと、もう無理です。ということを言いたいわけです。あとは自分で何とかしてください、ということです。

 

この報告書とは別に、安倍政権は「生涯現役社会」を目指す施策を打ち出していますが、そのようにしていかないと社会は成り立たなくなっているからです。

 

私たちが自ら行う対応策

①現役時の対策

②リタイア前後の対策

③高齢期の対策

④資産形成を支援する制度

 

①現役時の対策

  • 自助で現役時から行う対策は3つ
  1. 将来の人生設計や資金計画を検討すること
  2. 少額でも積立、分散投資による資産形成に着手すること
  3. 長期的に取引する金融機関を選ぶこと

 

②リタイア前後の対策

  • リタイア前後から行う対策は3つ
  1. 退職金の使い道や資金計画を再検討すること
  2. 金融資産の目減り抑制や収支を見直すこと
  3. 中長期的な資産運用を継続すること

 

③高齢期の対策

  • 高齢期の対策は3つ
  1. 資産を計画的に取り崩すこと
  2. 医療費の増加や老人ホーム入居などを見据えた資金計画をすること
  3. 認知症などになった場合の資産管理方法を明確にしておくこと

 

④資産形成を支援する制度

  • 金融庁が勧める資産形成支援制度が2つ
  1. つみたてNISA・・・年40万円を限度に、投資で得た運用利益が最長20年間非課税になる制度
  2. iDeCo・・・個人が自由に加入できる確定拠出年金制度。掛け金は全額所得控除、運用益は非課税

 

まとめ

報告書のポイント

  • 年金頼みは限界

年金だけでは生活できない。年金だけでは、もはや高齢者は生活を維持できないという内容です。

  • 2000万円足りない

95歳まで生きると、2000万円足りなくなります。

  • 自助努力が必要

公だけでは無理、自助努力してください、という内容です

 

私たちが自ら行う対応策

現役時の対策、リタイア前後の対策、高齢期の対策が考えられます。

資産形成を支援する制度もあるので使ってください。

 

中小企業診断士の感想

年金は破綻しないらしい

  • 年金は破綻しないが、少なくなる

年金は破綻すると言われてきましたが、年金は破綻しないが、その代わり受け取る金額の減少はある、ということでしょう。

 

年金は破綻しないが、少なくなり、今のままだと生活できなくなる可能性があります。でもあとはなんとか自分で工夫してください。

 

自助努力です。年金だけに依存しないで、自分でも別途積立ててください。ちゃんとお徳な制度も用意しました、ということですね。(若干皮肉入ってます)

 

みんなで貧乏になりましょう、という考え方です

  • お金を使わなければ、経済は回りません

老後に備えてお金をなるべく使わないで貯蓄や投資に回してください、という考え方です。守りを固めるということです。国民みんながお金をつかわなくなれば、お金が循環せず、経済は沈滞します。

 

経済が沈滞するということは、皆貧乏になるということです。

それでいいのか、疑問です。

 

ABOUTこの記事をかいた人

中高年のフリーランスの中小企業診断士です。独立する前は家電量販店の店員をやってました。1970年代から1980年代の洋楽・ロック等をよく聴いています。